近江鉄道900形電車

近江鉄道の通勤型電車
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近江鉄道900形電車(おうみてつどう900がたでんしゃ)は、2013年平成25年)6月14日[4]より運用を開始した近江鉄道通勤形電車である。

近江鉄道900形電車
「淡海号」としての運行当時の900形(2013年9月、 八日市駅
基本情報
運用者 近江鉄道
製造所 西武所沢車両工場
種車 西武新101系電車
改造所 近江鉄道彦根工場
改造年 2013年
改造数 2両
総数 2両
運用開始 2013年6月14日
投入先 近江鉄道全線
(登場時は本線と八日市線のみ)
主要諸元
編成 2両固定編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V架空電車線方式
車両定員 114名
車両重量 40 t
全長 20,000 mm
全幅 2,881 mm
全高 4,246 mm
床面高さ 1,190 mm
車体 普通鋼(全金属製)
台車 FS372
車輪径 860 mm
固定軸距 2,200 mm
台車中心間距離 13,600 mm
主電動機 直流直巻電動機
主電動機出力 150 kW(一時間定格)
駆動方式 中空軸平行カルダンたわみ板継手方式
制御方式 抵抗制御直並列組合せ制御弱め界磁制御
電動カム軸式間接自動制御
制動装置 HRD-1電気指令式ブレーキ保安ブレーキ
保安装置 自動列車停止装置 (ATS)、デッドマン装置列車無線
備考 各数値は近江鉄道公表のデータによる[1][2][3]
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以下、本項においては900形電車を「本系列」と記述し、また編成単位の記述に際しては各編成の近江八幡貴生川方先頭車であるモハ900形の車両番号をもって編成呼称とする(モハ901-モハ1901の編成であれば「901編成」)。

概要

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2009年(平成21年)以降に西武鉄道より譲り受けた新101系電車各車両のうち、元269編成(クモハ269-クモハ270[5])を自社彦根工場にて改造、モハ900形901-モハ1900形1901[注釈 1]として導入した。近江鉄道における新形式車両の導入は、1999年(平成11年)より導入された800系以来、約15年ぶりのことであった[4]

導入に際しては、ワンマン運転対応改造のほか、行先表示器発光ダイオード (LED) 化、客用扉の開閉時に鳴動するドアチャイムの新設・手すりやつり革の黄色塗装化および優先席のクロスシート化などバリアフリー対応改造などが施工された[1]。LED式行先表示器およびドアチャイムは、いずれも近江鉄道においては初採用例となった[5]。なお、820系まで実施していた、裾角部分を切り欠く改造については、本形式導入までに地上設備の改修が実施され、その措置をしなくても入線できるようになったため、以降の形式を含めて省略することとなった[6]

車体塗装は800系・820系の黄色一色塗りや、220形の白地に青・赤・緑の三色の帯を配したライオンズカラーとは異なり、琵琶湖をイメージしたダークブルー地に、前面から側面にかけてハートフルで温かみのあるイメージを意図したローズピンクの帯を配し[1]、各客用扉下部には子供にも親しみが持てる車両となることを意図してローズピンク色のイルカのイラストを配した[7]。また、基調色であるダークブルーは近江鉄道の親会社である西武鉄道が保有するプロ野球埼玉西武ライオンズのチームカラーであるレジェンドブルーを意識した車体色でもあるという[7]。このカラーリングから、登場当初は「淡海号(おうみごう)」と称した[1][4]

主要機器は西武時代と大きな変化はないが、ブレーキは従来のHSC電磁直通ブレーキからHRD-1電気指令ブレーキへ改造されている[1]

運用

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虹たび号
2018年11月11日彦根駅
 
あかね号塗装になった姿
2020年2月5日武佐駅

901編成は2013年(平成25年)6月14日に彦根駅にて出発式が執り行われ[4]、彦根 - 米原駅間にて運行されたノンストップの臨時列車への充当をもって運用を開始した[8]。臨時列車運転終了後は彦根駅に隣接する「近江鉄道ミュージアム」において6月15日と翌16日の2日間にわたって一般公開された後[7]、6月17日より通常の営業列車として、車両限界の都合から入線が不可能な多賀線を除く全線で運用を開始した[7][8]。その後高宮駅の多賀線ホームの工事が完了し、近江鉄道線全線で運用されている。

2018年(平成30年)7月16日より、滋賀県観光キャンペーン「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」をPRするため、キャンペーンナビゲーター(虹たびナビゲーター)であり「滋賀ふるさと観光大使」を務める西川貴教の写真がラッピングされた特別車両『虹たび号』として運行を開始した[9]

2019年2月16日より「あかね号」色に塗り替えられて運行を開始した。同年5月7日からは、前日に引退した700系に代わり、2代目「あかね号」として運行されている[10]

脚注

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注釈

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  1. ^ 従来の近江鉄道における付番基準では、基幹形式プラス1000は制御車(クハ)の車番とされていたが、全電動車編成の本系列と800系にはその原則に拠っていない[要出典]

出典

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  1. ^ a b c d e 900形デビューによる出発式が開催されました!”. 近江鉄道. 2014年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月15日閲覧。
  2. ^ 新型車両900形デビュー記念乗車券
  3. ^ 近江鉄道車両シリーズきっぷ900形&100形
  4. ^ a b c d 近江鉄道「900形」デビュー」『読売新聞』2013年6月27日。2013年7月2日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ a b 近江鉄道900形が試運転”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2013年4月17日). 2024年12月15日閲覧。
  6. ^ 車両の角「面取り」なぜ 車体の長さに秘密」『産経新聞』2019年10月13日。オリジナルの2022年2月8日時点におけるアーカイブ。
  7. ^ a b c d 近江鉄道ミュージアムで特別公開”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2013年6月16日). 2024年12月15日閲覧。
  8. ^ a b 近江鉄道900形「淡海号」がデビュー”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2013年6月15日). 2024年12月15日閲覧。
  9. ^ 観光キャンペーン「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」特別(ラッピング)列車「虹たび号」の運行スタート! | 滋賀・びわ湖 観光キャンペーン”. 滋賀・びわ湖 観光キャンペーン. びわこビジターズビューロー (2018年7月16日). 2018年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月3日閲覧。
  10. ^ 700形「あかね号」から900形「あかね号」へバトンタッチ!』(PDF)(プレスリリース)近江鉄道、2019年2月13日。オリジナルの2019年2月13日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190213183817/https://www.ohmitetudo.co.jp/file/railway_newsrelease_20190213.pdf2019年2月16日閲覧 

関連項目

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他社の西武新101系の譲渡車