貪
貪(とん、巴: 梵: rāga、巴: 梵: lobha)は、仏教における煩悩のひとつで、 貪り[1]、欲深いことを意味する。別名を貪欲(とんよく[2])ともいい、五欲の対象である万の物を必要以上に求める心である[3]。対義語は無貪(alobha)。
仏教用語 貪 | |
---|---|
パーリ語 | rāga (ラーガ), lobha (ローバ) |
サンスクリット語 | rāga (ラーガ), lobha (ローバ) |
日本語 | 貪 |
英語 | greed, sensuality, desire, attachment or excitement for sensory objects, lust, sexual desire, passion |
定義
編集『大乗阿毘達磨集論』(Abhidarmasamuccaya)では以下のように述べられている。
貪(rāga)とは何か? それは三界への愛着を本質とし、諸々の苦を引き起こすことを作用とする。[5]
(何等為貪?謂三界愛為体、生衆苦為業。)
抜粋
編集脚注・出典
編集- ^ 櫻部・上山 2006, p. 115.
- ^ 「とんよく【貪欲】」 - 大辞林 第三版、三省堂。
- ^ 日本大辞典刊行会 1975.
- ^ 「根本煩悩」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2014年、Britannica Japan。
- ^ Asaṅga; Walpola Rahula; Sara Boin-Webb (2001). Abhidharmasamuccaya: The Compendium of the Higher Teaching. Jain Publishing. p. 11. ISBN 978-0-89581-941-3
参考文献
編集- 日本大辞典刊行会編, ed. (1975). "とん【貪】". 日本国語大辞典. Vol. 15 (初版 ed.). 東京: 小学館. p. 103. NCID BN01221521。
- 櫻部建、上山春平『存在の分析<アビダルマ>―仏教の思想〈2〉』角川書店〈角川ソフィア文庫〉、2006年。ISBN 4-04-198502-1。(初出:『仏教の思想』第2巻 角川書店、1969年)