諸象戯図式
諸象戯図式(しょしょうぎずしき、「諸象戯圖式」とも)は、江戸時代の元禄7年(1694年)に発行された将棋の解説書である。
元禄9年刊行の再版本が国立公文書館内閣文庫に残されている[1]。内閣文庫に残されているものは西沢貞陣著とされる4巻本で、1巻は各種将棋の解説、2巻以降は詰将棋集(伊藤宗看作の中将棋のものと、作者不明の現代将棋のもの)となっている。
諸象戯図式で解説されている将棋
編集以下の将棋を図入りで解説している。初期配置図と駒の動き方が説明されている程度で、細かいルールについては言及されていない部分も多い。
- 小象戯(小将棋・現代の将棋の2種)
- 和象戯(和将棋)
- 中象戯(中将棋)
- 太象戯(大将棋)
- 天竺大将棊(天竺大将棋)※目次では「天竺象戯」となっている
- 太太象戯(大大将棋)
- 摩 太太象戯[2](摩訶大大将棋)※目次では「摩 太象戯」となっている。
- 大象戯(泰将棋)
「小象戯」は駒数42枚だったものが、近代に40枚になったとしている。その理由として、近代の小象戯の説明に「天文年間に後奈良天皇が日野晴光と伊勢貞孝に命じて、醉象の駒を除かせた」とある。
諸象戯図式では「太象戯」と「大象戯」という記述で区別され、混乱を招いているため、後に出た「象棋六種之図式」で「大象棋」が「泰象棋」と改められている。