師系不明。作画期は享保の中頃とされる。作に細判の漆絵「傘をさした嵐和歌野」が知られ、画風は京都の西川祐信の影響が認められるという。この絵を出した版元の丸屋九左衛門は江戸大伝馬町三丁目にあったので、『増訂浮世絵』は「西河(西川)を名乗つても、京都の作家ではない」とし、また「祐信の画系のものが、江戸に来つて、版画を作つたのであらう」とも述べている。
- 藤懸静也 『増訂浮世絵』 雄山閣、1946年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり。78頁、75コマ目。
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年