藤田文武

日本の政治家 (1980-)

藤田 文武(ふじた ふみたけ、1980年12月27日 - )は、日本政治家実業家日本維新の会所属の衆議院議員(3期)。

藤田 文武
ふじた ふみたけ
2022年6月26日、横浜駅西口にて
生年月日 (1980-12-27) 1980年12月27日(43歳)
出生地 日本の旗 日本 大阪府寝屋川市
出身校 筑波大学体育専門学群卒業
前職 高校教員
株式会社KTAJ代表取締役
所属政党 日本維新の会大阪維新の会
公式サイト 藤田文武 日本維新の会 衆議院大阪12区支部長

選挙区 大阪12区
当選回数 3回
在任期間 2019年4月22日 - 現職
テンプレートを表示

日本維新の会幹事長(第3代)・選対本部長・国会議員団幹事長などを歴任。

来歴

編集

大阪府寝屋川市で生まれ[1]寝屋川市立三井小学校寝屋川市立第十中学校大阪府立四條畷高等学校筑波大学体育専門学群、それぞれを卒業[1]する。高校、大学で体育会ラグビー部に所属[1][2]し、大学でスポーツ産業学を専攻[1][2]する。

大学卒業後に四條畷高校、大阪府立牧野高等学校大阪府立大東高等学校、それぞれで保健体育科講師を務め[1][2]、四條畷高校でラグビー部コーチを担当した[3]

2005年からオーストラリアニュージーランドでスポーツマネジメントを学び、帰国後はベンチャー企業勤務を経て、2010年に株式会社KTAJを設立して代表取締役に就いた[1][2]

2012年維新政治塾へ1期生として入塾した[1]

2017年第48回衆議院議員総選挙大阪12区から日本維新の会公認で出馬したが、自由民主党前職の北川知克に約7千票差で敗れて比例復活もならず落選した[4]

2019年1月21日に、前年12月の北川の死去[5][6]に伴う大阪12区補欠選挙へ出馬する意向を表明[7]する。補選は藤田のほか、自民党の公認を受けた北川の甥の北川晋平、衆議院議員(比例近畿ブロック選出)を辞職して日本共産党の公認を受けずに無所属で出馬した宮本岳志、衆議院議員(比例近畿ブロック選出)を辞職して無所属で出馬した元総務大臣樽床伸二の4人が立候補[8]した。藤田が初当選[9]し、維新は衆議院で共産党と並ぶ野党第3会派となった[10]

2021年10月31日の第49回衆議院議員総選挙では前回補選時よりも大きく差を広げ、再選。

2021年11月30日、馬場伸幸幹事長の党共同代表就任に伴い、後任の幹事長に就任した[11]

2022年8月2日、松井一郎代表の後任を決める、党代表選挙では馬場共同代表を支持する事を表明した[12]

2024年10月27日の第50回衆議院議員総選挙で3選[13]。12月、党幹事長を退任[14]

政策・主張

編集

外交・安保

編集

憲法改正

編集

経済・財政

編集

大阪・関西万博

編集
  • 2023年8月2日、藤田は2025年に予定される大阪・関西万博の海外パビリオン建設が遅れている問題を巡り、建設労働者を残業規制の対象外とする考えに理解を示し、「許容してもいいのではないか。建設業者が働きやすい環境を後押しするのは検討範囲だ」と述べた[17]。なお、残業規制を巡っては維新の馬場伸幸代表は「過労死する人が出れば、何のために万博をしているのかとなる。超法規的な措置は取るべきではない」と述べ反対姿勢を示しており、見解が分かれた[18]
  • 2023年9月27日、藤田は万博の会場建設費が当初想定の1.9倍となる2350億円まで上振れすることについて、「身を切る改革」を訴える党の姿勢に反するとの批判に対し、「身を切る改革の概念がまったく分かってないんじゃないですかね。身を切る改革っていうのは、合理的な判断をするためにまずは無駄を省いていこう、既得権を無くしていこう、合理的な予算執行というものをやっていきましょうということ。金額の多寡じゃない」と反論した[19][20]。また、建設費のうち約350億円は木造の大屋根(空中リング)が占めるが、これについて藤田は「福島県の木材を使うというメッセージもある。万博の期間が終われば解体するが、オールリサイクルでリユースするSDGs的なコンセプトもある」と述べ、リングの意義を強調した[21]

その他

編集

人物・エピソード

編集
  • 家族に妻、長男、次男[3]がいる。
  • 「敬天愛人」と「着眼大局着手小局」[3]を座右の銘に挙げる。
  • 父、西郷隆盛周瑜公瑾[3]を尊敬する人物に挙げる。
  • 父が師範を務める道場で3歳から空手道に励む[3]
  • 大学4年生時にラグビー部で主務を務める[3]
  • 藤田は、2008年リーマンショックで勤め先の会社の経営危機に直面したこと、取引先の倒産などを目の当たりにし、雇用を守ることの厳しさを痛感したことや、危機の時に多くの人々に支えてもらったことなどは、今でも忘れられない経験であると語る[3]
  • 独立起業後に、スポーツジム、鍼灸整骨院、介護施設、障がい児童の療育施設、地域振興事業、IT事業などを地域密着型事業モデルの構築をミッションに経営した[3]
  • 藤田は妻とは30歳を過ぎてから知り合っている。しかし、柳ヶ瀬裕文が党公式YouTubeチャンネルで発した冗談から、「高校教師の時に告白され、その教え子と後に結婚した」という誤解を受けたことがある。テレビ東京は2024年の「集まれ!総選挙ライブ」でこの誤情報を放送し、後に訂正・謝罪した[22]

鈴木宗男のロシア渡航に関して

編集
  • 2023年4月26日に藤田は、維新に所属する鈴木宗男参議院議員(党国会議員団副代表)が提出していた5月大型連休中のロシアへの海外渡航届が参議院理事会で了承されたことについて、「(鈴木氏には)影響がどう及ぶか、国益にマイナスにならないかを総合的に考えて判断してほしい」と述べた[23]。その後、鈴木は訪露を断念したが、5月10日の党会合で鈴木は「ここは幹事長にはっきり言いたい。国益はあなたの100倍以上、私は考えて、政治家として動いてきた」「言葉の使い方を、平場でいうときは考えてもらいたい」などと述べ、訪露への再考を求めていた馬場や藤田を公然と批判した[24]。藤田は一連の発言を受け、「鈴木氏は独自のルートや見識を持ち合わせていて敬意をもって接している」とした上で、「鈴木氏と行き違いがあった」と釈明した[25]

2024年兵庫県知事選挙での対応・見解

編集

2024年に発生した兵庫県庁内部告発文書問題を巡っては、同年9月9月に藤田は斎藤元彦兵庫県知事に辞職を求め、出直し知事選を促す考えを正式に明らかにした。応じない場合、維新単独での不信任決議案の提出を検討する考えも示した。当初同問題に静観姿勢をとっていた維新が辞職要求したことについて藤田は「方針転換すると言わざるを得ない」と説明。「例えばもっと辞職を早く求めるべきだったとか判断が遅いというご批判については真正面から受けたい」と述べた[26]

その後の斎藤の失職に伴う2024年兵庫県知事選挙では、藤田が兵庫維新の会幹部らと候補者擁立に向けた協議を進め、清水貴之参院議員の擁立を決めた[27]。11月17日の投開票の結果、斎藤が約111万票を獲得し再選。維新支持層は5割強が斎藤に投票し、清水は得票数約26万票、得票率で1割強にとどまる惨敗となった[28]

投開票後に藤田は、斎藤への支援を公言して立候補した前参議院議員の立花孝志の選挙活動について、民主主義の中で許容される、との認識を示した。藤田は立花について公職選挙法を知り尽くしているとし、「最初はすごい変な人だと思っていましたけど、ものすごく賢い人」と述べ当選を目指さない選挙を公職選挙法で規制することは技術的にみても難しいとの認識を示した[29]

統一教会との関係

編集
  • 安倍晋三銃撃事件を契機に統一教会と政界の癒着が問題視されたことを受け、維新の会幹事長として所属議員の関連を幹事長名で調査した[30]
  • この調査で、藤田自身も統一教会関連団体の世界平和女性連合が主催するクリスマスパーティーに4度参加したことを公表した。藤田は「この団体の創始者が誰かは知らなかった」「宗教色は感じられなかった」「参加しないほうが良かったという思いを持っている」と述べた[31]

政治資金

編集
  • 2023年9月11日に、藤田が代表を務める「藤田文武後援会」が60万円の寄付を政治資金収支報告書に記載していなかった、と文春オンラインが報じた。2020年と2021年に藤田は、国会議員に月100万円支給される文書通信交通滞在費のうち計450万円を自身が代表を務める「藤田文武後援会」に寄付したが、後援会の政治資金収支報告書は計390万円の寄付額のみ記載して60万円が不記載となっていた。藤田の事務所は報道後に「事務的なミス」と説明した[32]

選挙歴

編集
当落 選挙 執行日 年齢 選挙区 政党 得票数 得票率 定数 得票順位
/候補者数
政党内比例順位
/政党当選者数
第48回衆議院議員総選挙 2017年10月22日 36 大阪府第12区 日本維新の会 6万4530票 40.58% 1 2/3 7/5
第48回衆議院議員補欠選挙 2019年4月21日 38 大阪府第12区 日本維新の会 6万341票 38.49% 1 1/4 /
第49回衆議院議員総選挙 2021年10月31日 40 大阪府第12区 日本維新の会 9万4003票 51.19% 1 1/4 /
第50回衆議院議員総選挙 2024年10月27日 43 大阪府第12区 日本維新の会 8万6380票 52.35% 1 1/3 /

脚注

編集
  1. ^ a b c d e f g 日本維新の会 衆議院議員 藤田文武(ふじたふみたけ)公式ベージ”. 2024年12月2日閲覧。
  2. ^ a b c d 株式会社KTAJ 代表取締役│藤田文武のリーダースタイル
  3. ^ a b c d e f g h 日本維新の会 衆議院議員 藤田文武(ふじたふみたけ)公式ベージ”. 2024年12月2日閲覧。
  4. ^ “第48回衆院選 大阪”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/senkyo/48shu/area/?kid=27 2019年6月16日閲覧。 
  5. ^ “北川知克・衆院議員が死去、67歳 元環境副大臣”. 朝日新聞. (2018年12月27日). https://www.asahi.com/articles/ASLDW36DXLDWUTFK004.html 2019年6月16日閲覧。 
  6. ^ “北川知克元環境副大臣が死去”. 産経新聞. (2018年12月27日). https://www.sankei.com/life/news/181227/lif1812270007-n1.html 2019年6月16日閲覧。 
  7. ^ “衆院選:大阪12区補選 維新の会・藤田氏、出馬会見で抱負/大阪”. 毎日新聞. (2019年1月22日). https://mainichi.jp/articles/20190122/ddl/k27/010/322000c 2019年6月16日閲覧。 
  8. ^ “衆院大阪12区補選が告示、4人届け出”. 朝日新聞. (2019年4月9日). https://www.asahi.com/articles/ASM487754M48PTIL02T.html 2019年6月16日閲覧。 
  9. ^ “衆院補選、自民2敗 大阪は維新・藤田氏 沖縄は屋良氏”. 日本経済新聞. (2019年4月21日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44016700R20C19A4000000/ 2019年6月16日閲覧。 
  10. ^ “維新「鬼門」の堺市長選に照準 大阪連勝の余勢駆る”. 産経新聞. (2019年4月23日). https://www.sankei.com/article/20190423-J34SBYEXDZOJ5A7CY4MFLZWXTU/ 2019年6月16日閲覧。 
  11. ^ “維新・馬場幹事長、共同代表に 幹事長は衆院当選2回の藤田氏”. 共同通信. (2021年11月30日). https://web.archive.org/web/20211130121507/https://nordot.app/838381068456312832?c=39550187727945729 2021年11月30日閲覧。 
  12. ^ “馬場氏が出馬表明 松井氏「資質は十分評価」―維新代表選”. 時事通信. (2022年8月2日). https://web.archive.org/web/20220803063136/https://www.jiji.com/sp/article?k=2022080200909&g=pol 2022年8月2日閲覧。 
  13. ^ 日本放送協会. “衆議院選挙 大阪12区 藤田文武氏 維新・前 当選|NHK 関西のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年12月2日閲覧。
  14. ^ “維新、共同代表に前原誠司氏 幹事長は岩谷良平氏を起用”. 日本経済新聞. (2024年12月2日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA026JA0S4A201C2000000/ 2024年12月3日閲覧。 
  15. ^ a b c d e f g h i “第48回衆院選 維新 大阪12区 藤田 文武”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/senkyo/48shu/meikan/?mid=A27012001001 2019年6月16日閲覧。 
  16. ^ a b c d e f g h i j k l “第49回衆院選 維新 大阪12区 藤田 文武”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/senkyo/49shu/meikan/?mid=A27012002002 2021年11月16日閲覧。 
  17. ^ “25年大阪・関西万博:維新、万博規制除外に理解”. 毎日新聞. (2023年8月3日). https://mainichi.jp/articles/20230803/ddm/005/040/071000c 2023年11月16日閲覧。 
  18. ^ “万博の残業規制除外、反対=維新代表”. 時事通信. (2023年11月5日). https://sp.m.jiji.com/article/show/3090957 2023年11月16日閲覧。 
  19. ^ “維新・藤田幹事長 万博建設費450億円増「身を切る改革」に反しない「そういうことを言う政党がおかしい」”. デイリー. (2023年9月27日). https://www.daily.co.jp/gossip/subculture/2023/09/27/0016857725.shtml 2023年11月16日閲覧。 
  20. ^ 日本維新の会 (2023-09-27), 令和5年9月27日(水)藤田文武幹事長 記者会見, https://www.youtube.com/watch?v=25R43Bxbu6A#t=40m30s 2024年12月2日閲覧。 
  21. ^ “維新が万博PRに再注力「成功に汗をかく」 巨大リング“無駄”批判に反論も”. FNNオンライン. (2023年11月15日). https://www.fnn.jp/articles/-/616117 2023年11月16日閲覧。 
  22. ^ 維新・藤田文武幹事長、「教え子と後に結婚」は誤り...テレ東選挙特番の紹介文を否定 番組Xが訂正&謝罪”. J-CASTニュース (2024年10月29日). 2024年10月30日閲覧。
  23. ^ “維新・鈴木宗男氏のロシア訪問、国会が承認”. 日本経済新聞. (2023年4月26日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA266GV0W3A420C2000000/ 2023年5月10日閲覧。 
  24. ^ “訪露延期の鈴木宗男氏、維新代表を批判「私は国益を考えたから国策捜査にあった」”. 産経新聞. (2023年5月10日). https://www.sankei.com/article/20230510-7H5TLHOFN5IWZIIDCI5HSJ73YM/ 2023年5月10日閲覧。 
  25. ^ “ロシア訪問断念の鈴木宗男氏『国益はあなたの100倍以上考えている』維新執行部に苦言”. MBS NEWS. (2023年5月10日). https://www.mbs.jp/news/kansainews/20230510/GE00049791.shtml 2023年5月10日閲覧。 
  26. ^ “維新・吉村氏が兵庫知事に「辞職を」と直接電話 藤田幹事長が明かす”. 朝日新聞. (2024年9月9日). https://www.asahi.com/articles/ASS991G29S99OXIE01LM.html 2024年11月26日閲覧。 
  27. ^ “兵庫知事選に維新・清水参院議員が出馬へ 衆院くら替えやめ斎藤氏の対抗馬に”. 産経新聞. (2024年10月2日). https://www.sankei.com/article/20241002-SRWHAFDCSJP2JETR53XZAAQVVI/ 2024年11月26日閲覧。 
  28. ^ “兵庫県知事選挙 出口調査の結果は”. NHK NEWS WEB. (2024年11月17日). https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20241117/2000089254.html 2024年11月26日閲覧。 
  29. ^ “「立花孝志さんはものすごく賢い人」日本維新の会・藤田幹事長 当選目指さない選挙活動を「民主主義の中で許容される」と評価”. TBS NEWS. (2024年11月21日). https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1568187?display=1 2024年11月26日閲覧。 
  30. ^ 維新 “国会議員13人が旧統一教会関連団体イベント出席など” | NHK | 安倍晋三元首相 銃撃”. web.archive.org (2022年7月30日). 2024年12月2日閲覧。
  31. ^ 維新・13人国会議員が旧統一教会と接点 関連団体イベント参加と申告テレビ大阪2022年7月30日付
  32. ^ “維新・藤田幹事長、旧文通費からの寄付60万円を不記載”. 朝日新聞. (2023年9月11日). https://www.asahi.com/articles/ASR9C5SXKR9CUTIL01V.html 2023年9月11日閲覧。 

外部リンク

編集
党職
先代
馬場伸幸
日本維新の会幹事長
第3代:2021年 - 2024年
次代
岩谷良平