外傷性脳損傷
(脳外傷から転送)
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外傷性脳損傷(がいしょうせいのうそんしょう、traumatic brain injury)は、頭部に物理的な衝撃が加わり起こる脳損傷。略称TBI。軽度のものは軽度外傷性脳損傷(mild traumatic brain injury=MTBI)(脳震盪とも言われる)と区別することもある。頭部がダメージを受ける機構については、頭部外傷の項を参照のこと。
外傷性脳損傷 | |
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脳挫傷、脳出血、硬膜下血腫、頭蓋骨骨折を示しているCTスキャン画像[1]。 | |
概要 | |
診療科 | 脳外科 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | S06 |
ICD-9-CM | 800.0-801.9, 803.0-804.9, 850.0-854.1 |
DiseasesDB | 5671 |
MedlinePlus | 000028 |
eMedicine | med/2820 neuro/153 ped/929 |
MeSH | D001930 |
脳の一部が局所的にダメージを受ける脳挫傷とは異なり、脳の軸索が広範囲に損傷を受けるもの。軽度から中程度の損傷においては、早期回復が期待されるが、高次脳機能障害に至った場合、記憶力、注意力の低下や人格形成やコミュニケーション能力に問題が生じるほか、四肢の麻痺が生じることもある。外見上、健常人と何ら変化は無いが、社会適応性が損なわれるため、通常の生活が送れずに苦しむ患者は多い。
疫学
編集外傷性脳損傷の発症原因の多くは、交通事故や階段からの転落などの事故と目されているが[2]、アメリカ合衆国では、兵士が交戦時に負傷する例で知られている。
1990年代以降の非対称戦争では、地雷や携帯型小型ミサイルを改造した即席爆発装置(IED)が使用されるようになったが、即席といえども爆風は音速を超える強さとなる[要校閲]。外見上は無傷に近いものの、後日、深刻な外傷性脳損傷を受けていたことが判明する例も増加した[3]。これら兵士が帰還後に記憶障害や歩行障害に苦しむ例が増えたため、アメリカ政府は2009年に診断基準を変更、2001年から2009年10月まで約14万人が受傷したとの結果をとりまとめている[4]。
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木に正面衝突した交通事故の例
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即席爆発装置に使われる爆発物の例
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防具を着用するアメフト
脚注
編集- ^ Rehman T, Ali R, Tawil I, Yonas H (2008). “Rapid progression of traumatic bifrontal contusions to transtentorial herniation: A case report”. Cases journal 1 (1): 203. doi:10.1186/1757-1626-1-203. PMC 2566562. PMID 18831756 .
- ^ あなたの健康百科、外傷性脳損傷(株)メディカルトリビューン
- ^ 毎日新聞2009年12月13日朝刊
- ^ 米兵脳損傷問題:14万人に アフガン・イラク派遣の7%(2010年2月3日 毎日新聞)[リンク切れ]
関連項目
編集参考文献・外部リンク
編集- 外傷性脳損傷 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
- MTBI仲間の会
- 脳外傷とは(米国脳外傷協会のホームページを翻訳したもの) - 脳外傷問題 TBIA JAPAN NET
- 日本における診断基準など(大阪脳損傷リハビリネットワーク)[リンク切れ]
- 軽度外傷性脳損傷患者家族会 - ウェイバックマシン(2014年7月14日アーカイブ分)
- 軽度外傷性脳損傷友の会
- アメリカ兵の被害報道の取りまとめ(移動支援フォーラム)