精霊棚(しょうりょうだな)は、日本の習俗的行事のお盆において先祖精霊を迎えるための棚。

盆棚霊棚(たまだな)[1]とも。

概要

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一般的には、盆の期間中、台の上に真菰ござを敷いたものに、仏壇から取り出した位牌三具足を飾り、お供え物を置く。

地域によって、形態は異なる。

江戸時代の江戸では、小さな机のような物の四隅に青竹を立て、棚の周囲に筵をかけて、棚には杉の葉で手摺り状の物を附属させた。また棚に使う灯籠の紙は毎年貼り換え、紙には蓮を描くことが多かったが、家紋を紅で摺ったものを描くこともあった。お供え物は時間ごとに変わり、朝昼晩の三食に加えて八時には餅や果物などのおやつが、夜には酒とおつまみをつけて祖霊をもてなした。お供え物はお盆が終わると棚に敷いたマコモに包み、十二銭を添えて「精霊さまお迎い、お迎い」と言って家々を回る人に渡し、農村から船でやってきた人が回収していたという[2]

関連項目

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  1. ^ 村上紀夫『史料で読む庶民の暮らし 幕末女性の生活 日記に見るリアルな日常』創元社、2025年3月20日、p.52.
  2. ^ 村上紀夫『史料で読む庶民の暮らし 幕末女性の生活 日記に見るリアルな日常』創元社、2025年3月20日、pp.52-56.