水天(すいてん)とは、仏教における天部の一人で、須弥山の西に住んでいるとされる。十二天の一である。

水天(部分・1127年)

神格

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水の神であり、を支配するとされる。もともとはインド=イランの古いアスラ族のヴァルナである。 諸ヴェーダにおいて、ヴァルナは重要な位置に置かれ、天空神・司法神(=契約と正義の神)・水神などの属性をもたされた。ヴァルナは西方ではアフラ・マズダーとなりゾロアスター教の最高神となる。

しかし東方ではブラフマー(梵天)に始源神としての地位を奪われており、さらに後には死者を裁くヤマ神に司法神としての地位を奪われ、水神としての属性のみが残った。仏教に取り入れられた頃は、仏教における十二天の一つ、西方を守護する「水天」となった。

真言

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oṃ varuṇāya svāhā

オン バロダヤ ソワカ

日本の水天

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日本においては、神仏習合時代に「水」の字つながりで「天之水分神・国之水分神」(あめのみくまりのかみ・くにのみくまりのかみ)と習合した。水分神は本来は子供とは関係なかったと思われるが、「みくまり」の発音が「みこもり」(御子守り)に通じるというので、水天は安産・子育ての神・子供の守り神として信仰されるようになった。

神仏分離の際、ヴァルナ神のもともとの神格が最高神・始源神であることから、記紀神話における始源神・天御中主神に当たると解釈され、水天を祀る水天宮の祭神は天御中主神に変えられた。また、安徳天皇が在位のまま入水したことから水天皇と呼ばれ、水天と同一視された。[要出典]

竜から転じて、地方や寺院によってはがその象徴たる動物と扱われることがある。

国宝として、京都国立博物館仏画(絹本著色144.3 x 126.5cm)の水天像が所蔵されており、同作品は平安時代以来、宮中の真言院で毎年正月に行なわれた修法に用いるため、1127年大治2年)に制作された十二天画像のうちの1つである[1]

脚注

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  1. ^ 水天像(すいてんぞう)(十二天のうち)”. 京都国立博物館. 2019年2月8日閲覧。

参考文献

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関連項目

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