木村敬一
木村 敬一(きむら けいいち、1990年9月11日[1] - )は、滋賀県栗東市出身の日本の競泳選手。2021年開催の東京パラリンピック 競泳 金メダリスト[3]。愛称は「キム」。
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2016年 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
国籍 | 日本 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
泳法 | 自由形、バタフライ、平泳ぎ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
障がいクラス | S11, SB11, SM11[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
所属 | 東京ガス[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1990年9月11日(34歳)[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生誕地 | 日本 滋賀県栗東市[2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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略歴
編集先天性疾患による網膜剥離で、2歳のときに全盲になる[4]。母の勧めにより、10歳のときに水泳を始める[4]。
2003年、滋賀県立盲学校小学部卒業と同時に上京し、筑波大学附属視覚特別支援学校(当時の学校名は筑波大学附属盲学校)に入学。同校水泳部で頭角を現す[6]。高等部在籍中の2008年、北京パラリンピックに出場する[7][8]。
2009年4月に日本大学文理学部教育学科へ進学し、健常者の水泳同好会に入会。同大卒業後、日本大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程へ進学。大学4年時に出場した2012年ロンドンパラリンピックでは旗手をつとめ、銀メダル1個と銅メダル1個を獲得[9]。ロンドン以降、日本大学文理学部教授の野口智博コーチ(元400m自由形日本記録保持者)に師事。週10回のパーソナルトレーニングで2016年リオデジャネイロパラリンピックでの金メダル獲得を目標に厳しい練習を積んだ結果、銀メダル2個、銅メダル2個を獲得する[10]。しかし、目標の金メダルに届かなかったことに満足できず、一時は引退も考える[11]。
2018年には、リオ大会で金メダルを争ったアメリカのブラッドリー・スナイダーを指導したコーチに師事するべく、単身でアメリカにわたりトレーニングを行う[11][12][13]。
2020年東京パラリンピックでは100mバタフライ S11で自身初となる金メダルを獲得、100m平泳ぎ SB11では銀メダルを獲得する[1]。
2024年パリパラリンピックでは 50メートル自由形(視覚障害S11)で金メダルを獲得した。
エピソード
編集- パラ競泳選手の富田宇宙は、友人であり、同じ視覚障害クラスで競うライバルでもある。富田は木村の個性について「ついつい世話を焼きたくなるような、放っておけない愛されキャラ」と評している。2020年東京パラリンピックで木村が金メダルを獲得した前述のレースでは、隣のレーンで富田が銀メダルを獲得し、レース直後に2人で抱擁しあうシーンが見られた[12]。
- 元ハンマー投選手の室伏広治について、木村は「世の中で1番尊敬している」と語っている。東京2020組織委員会の主催によるイベント「若手アスリート参画プロジェクト」で初めて出会い、それ以降、男気あふれる言動の数々に感銘を受けた。2021年には室伏との対談を行っている[14]。
- 渡米した時、拠点の住居の近くに、元野球選手の上原浩治の自宅があり、上原の妻が様々なサポートを買って出て、自宅のホームパーティーに招かれることもあった。木村が金メダルを獲得した際には、上原がSNS上で祝福のメッセージを投稿している[13][15]。
- 2021年3月26日に東京ドームで行われた読売ジャイアンツと横浜DeNAベイスターズの試合前に始球式を務めた[16]。
- 2021年12月2日、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部と日本郵便が金メダリストを讃えるために推進する「ゴールドポストプロジェクト」の一環で、滋賀県栗東市の大宝郵便局前の郵便ポストが金色に塗り替えられた[17]。
主な成績
編集- 2005年8月「国際視覚障害者スポーツ協会世界ユース選手権大会」の水泳競技
- 50m自由形 金メダル
- 100m自由形 銀メダル
- 100m平泳ぎ 銅メダル
- 2008年9月北京パラリンピック
- 100m自由形 S11 5位
- 100mバタフライ S11 6位
- 100m平泳ぎ SB11 5位
- 2010年IPC世界水泳選手権大会アイントホーフェン
- 100m平泳ぎ SB11 銀メダル
- 200m個人メドレー SM11 銅メダル
- 100m自由形 S11 銅メダル
- 100mバタフライ S11 銅メダル
- 2012年9月ロンドンパラリンピック
- 100m平泳ぎ SB11 銀メダル
- 100mバタフライ S11 銅メダル
- 100m自由形 S11 5位
- 50m自由形 S11 5位
- 2013年IPC世界水泳選手権大会モントリオール
- 100m自由形 S11 金メダル
- 100m平泳ぎ SB11 金メダル
- 50m自由形 S11 銀メダル
- 200m個人メドレー SM11 銅メダル
- 100mバタフライ S11 銅メダル
- 2015年IPC世界水泳選手権大会グラスゴー
- 100m平泳ぎ SB11 金メダル
- 100mバタフライ S11 金メダル
- 50m自由形 S11 銀メダル
- 200m個人メドレー SM11 銅メダル
- 2016年9月リオデジャネイロパラリンピック
- 50m自由形 S11 銀メダル
- 100m平泳ぎ SB11 銅メダル
- 100mバタフライ S11 銀メダル
- 100m自由形 S11 銅メダル
- 200m個人メドレー SM11 4位
- 2018年アジアパラ競技大会ジャカルタ
- 50m自由形 S11 金メダル
- 100m背泳ぎ S11 金メダル
- 100m平泳ぎ SB11 金メダル
- 200m個人メドレー SM11 金メダル
- 100m自由形 S11 銀メダル
- 2020年東京パラリンピック
- 100mバタフライ S11 金メダル
- 100m平泳ぎ SB11 銀メダル
- 200m個人メドレー SM11 5位
受賞
編集書籍
編集- 自著『闇を泳ぐ〜全盲スイマー、自分を超えて世界に挑む。〜』(2021年8月、ミライカナイ出版、ISBN 978-4-907333-22-5)
脚注
編集- ^ a b c d e “東京ガス : 当社社員、木村敬一が東京2020パラリンピック競技大会水泳競技「男子100mバタフライ(視覚障害S11)」において金メダルを獲得”. 東京ガス. 2021年9月5日閲覧。
- ^ “競泳 木村 敬一(きむら けいいち)”. 滋賀県ホームページ. 2021年9月6日閲覧。
- ^ “パラ競泳の木村選手が「金」報告 母校訪問”. 産経ニュース (2021年12月14日). 2021年12月14日閲覧。
- ^ a b c “東京ガス:東京2020オリンピック・パラリンピック”. 東京ガス. 2017年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月21日閲覧。
- ^ “役員”. 一般社団法人 日本パラリンピアンズ協会. 2019年8月21日閲覧。
- ^ 新日本スポーツ連盟. “スポーツの広場 2008年9月号「水泳 S11・SB11(視覚障害)日本代表 木村敬一選手」”. 2013年7月19日閲覧。
- ^ 毎日新聞. “毎日JP 2012年08月29日 「ひと 木村敬一さん パラリンピック日本選手団の旗手」”. 2013年7月19日閲覧。
- ^ “お知らせ・情報|ニュース|木村敬一選手 競泳男子100m自由形5位,100mバタフライ6位,100m平泳ぎで5位入賞”. 筑波大学 (2008年9月8日). 2020年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月6日閲覧。
- ^ “木村 敬一|リオパラリンピック4個メダル獲得の注目選手”. パラサポWEB. 2021年9月6日閲覧。
- ^ 日本大学. “日本大学 2015年7月23日「校友が金メダルを獲得」”. 2015年8月26日閲覧。
- ^ a b “競泳・木村敬一 米国武者修行でひと皮むけた “四度目の正直”で悲願の金メダルへ”. 東スポWeb (2020年7月31日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ a b “東京パラ 日本水泳界”愛されキャラ”のエースが手にした悲願の金メダル”. FNNプライムオンライン (2021年9月4日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ a b 上原浩治 (2021年9月4日). “全盲で英語も話せず米国へ来るなんて…友人・上原浩治が知る木村敬一 執念の金メダルの重み”. Yahoo!ニュース. 2021年9月5日閲覧。
- ^ 木村敬一 (2021年4月7日). “世の中で1番尊敬している男、室伏広治の話”. 2021年9月5日閲覧。
- ^ “上原浩治氏 パラ競泳「金」の木村敬一を祝福 2人を結んだ意外な縁と“コーヒー焼酎””. 東スポWeb (2021年9月3日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ “パラ水泳の木村敬一選手が始球式”. 読売巨人軍公式サイト (2021年3月26日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ “ゴールドポストプロジェクト”. 首相官邸 オリンピック・パラリンピックレガシー推進室. 2022年5月28日閲覧。
- ^ “競泳男子・木村さん、市民栄誉賞授与へ 滋賀・栗東”. 産経ニュース (2016年9月28日). 2021年9月6日閲覧。
- ^ “リオパラ競泳木村敬一選手”. 滋賀報知新聞 (2016年10月7日). 2021年9月6日閲覧。
- ^ “競泳男子の木村敬一が第1回日本パラスポーツ大賞”. 日刊スポーツ (2016年12月7日). 2021年9月6日閲覧。
- ^ “社告:2016毎日スポーツ人賞 グランプリ、リオ五輪陸上男子400メートルリレー日本代表”. 毎日新聞 (2016年12月8日). 2021年9月6日閲覧。
- ^ “東京パラリンピック、競泳で「金」 木村敬一選手に県民栄誉賞”. 朝日新聞デジタル (2021年9月8日). 2021年9月9日閲覧。
- ^ 『官報』第250号、令和3年11月4日
- ^ “令和3年秋の褒章受章者(東京都)”. 内閣府. p. 5 (2021年11月3日). 2024年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月9日閲覧。
- ^ “令和6年秋の褒章受章者(東京都)” (PDF). 内閣府. p. 3 (2024年11月3日). 2024年11月9日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 木村 敬一|リオパラリンピック4個メダル獲得の注目選手|パラサポWEB
- 木村敬一 (@kimurakeiichi) - X(旧Twitter)