月の光
月から地球に届く光
月の光(つきのひかり)は、太陽の光を反射した月の光のことであり、月光(げっこう)、月明かり(つきあかり)、月下/月華(げっか)、月影(つきかげ)[1]等とも言う。英語では moonlight(ムーンライト)。
0.2ルクス程度の明るさで、夜空にひときわ明るく輝いている。その光は、おおよそ38万km離れた月面より反射され、地球に至る。
月齢によって様々に変化する様子や、しかしはかなげな光は古くから神秘的なものととらえられてきた。西洋では芸術作品、特に音楽の世界で月の光をモチーフにした曲が多く存在している。
「月の光」と名のついた音楽作品
編集- ヴェルレーヌの詩『月の光』。およびフォーレがそれに曲をつけた歌曲。ピアノ伴奏版と室内管弦楽伴奏版があり、後者は『マスクとベルガマスク』(ヴェルレーヌの詩を元にルネ・フォーショワが書き下ろした戯曲)の劇中で使われたが、同名の組曲版には収録されていない。
- ドビュッシーの『ベルガマスク組曲』の第3曲。ドビュッシーの作品の中で最も有名な曲の1つである。前項と同じくヴェルレーヌの詩から着想を得ている(組曲のタイトルである『ベルガマスク』は、ヴェルレーヌの詩の一節「マスクとベルガマスク(仮面劇とベルガモ風舞曲)」から取られている)。もとはピアノ曲であるが、種々の編曲により、色々な楽器で演奏されている。冨田勲によるシンセサイザー版は、アメリカで高い評価を受け、その後のシンセサイザー音楽ブームのきっかけになった。また、歌詞をつけてNHKの『みんなのうた』で放映されたこともある。ストコフスキーによる編曲は、ディズニーのアニメーション映画「ファンタジア」で使用された。 映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」では、「月の光」を奏でるオルゴールが重要な役回りを演ずる。映画「オーシャンズ11」ではフィラでルディア交響楽団によるオーケストラ版がエンディングの噴水ショーの楽曲として使用された。
- ドビュッシーの『艶なる宴』(詩はヴェルレーヌ)の中の1曲(歌曲)。初版と改訂版の2つの版を持ち、『艶なる宴』に収録されているのは後者である。
- フランス民謡(原題:Au Clair de la Lune)。日本語題は一般に「月の光に」とされる。1860年4月9日にフォノトグラフにて記録された図形は、女性の唄う「月の光に」であり、フランス科学アカデミーはこれを「人類最古の録音」としている[2]。
- たまの楽曲。詩人である中原中也の同名の詩に石川浩司が曲を付けたもの。アルバム『そのろく』に収録されている。
- なお、「月光」や「ムーンライト」と名のついた音楽作品は、月光を参照されたい。
月の光をモチーフとした作品
編集脚注
編集- ^ 「月影のいたらぬ里もあらじと思へば」(古今和歌集収蔵)日本語では月光という意味以外にも月の形や、月光で映し出された物の姿なども指す。
- ^ “世界最古の録音音声、最新技術でよみがえる”. AFPBB News (2008年3月28日). 2013年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月7日閲覧。