曖昧
はっきりしないこと
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2024年8月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
曖昧(あいまい, 英語: ambiguity)[1]または曖昧性(あいまいせい)[2]は、狭義には、物事が二通り以上に決められ得ること、一意に決められないことを指す。
単語や文章が二通り以上の意味で解釈されうること(多義性)を主に指す。言語学[3]や文学批評など、様々な分野で扱われる。
ただし日本語では、不明瞭なこと・はっきりしないこと全般を指し、広義に用いられることが多い。
概要
編集自然言語に曖昧性はつきものである[3]。そのため、自然言語を研究する分野である言語学にとって、曖昧性は切っても切れない関係にある[3]。
哲学・論理学においても古くから扱われており、例えばアリストテレス『ソフィスト的論駁について』では、論理的誤謬の源の一つとして言及されている[4]。
文学批評
編集文学批評においては、テクストが二通り以上の意味で解釈されうることを主に指す。
ウィリアム・エンプソンは、1930年の著作『曖昧の七つの型』で、英語詩の曖昧性 (英語: ambiguity) を分類し、その方法は以後大きな影響を残した[1][2]。エンプソンは「一つの表現にいくつかの反応を許す」ことにより[5]、言語表現の豊かさを生むものとして「曖昧」を肯定的に評価した[2]。エンプソンの「曖昧」はニュー・クリティシズムにおけるアイロニーやパラドックスの取り扱いの先駆けとなった。
出典
編集- ^ a b 『コロンビア大学現代文学・文化批評用語辞典』「AMBGUITY 曖昧」p.60
- ^ a b c 川口喬一・岡本靖正『最新文学批評用語辞典』「曖昧性 (ambiguity)」p.3
- ^ a b c 濱本秀樹「言語学における曖昧性の取扱い(<特集解説>人文・社会科学におけるあいまいさの取扱い)」『日本ファジィ学会誌』第4巻第6号、1992年、1059頁、doi:10.3156/jfuzzy.4.6_48、ISSN 0915-647X。
- ^ Sennet, Adam (2016). Zalta, Edward N.. ed. Ambiguity (Spring 2016 ed.). スタンフォード哲学百科事典
- ^ 八木敏雄「曖昧と言語表現の美 (<特集>曖昧について)」『成城文藝』第80巻、成城大学文芸学部、1977年3月、61-80頁、ISSN 0286-5718、CRID 1050282677573579392。
関連項目
編集外部リンク
編集- Ambiguity - スタンフォード哲学百科事典「曖昧さ(多義性)」の項目。