新鰭類
新鰭類(しんきるい、Neopterygii)は、条鰭類に属する魚類の下位分類群の一つ。最初の新鰭類は初期の条鰭類からほとんど変化しないまま、恐竜の出現に先駆けてペルム紀後期に現れた。以降、その進化の過程において鱗や骨格の軽量化を果たすとともに、力強く効率的に運動を行える顎を獲得した。敏捷な運動性と高い摂食能力を備えた新鰭類の仲間は、白亜紀以降急激に勢力を伸ばし、現代では世界の海洋および淡水域で最も繁栄したグループとなっている[1]。
新鰭類 | |||||||||||||||||||||
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スポッテッドガー Lepisosteus oculatus
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分類 | |||||||||||||||||||||
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下位分類 | |||||||||||||||||||||
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概要
編集条鰭類は腕鰭類・新鰭類の2つで構成される。前二者にはポリプテルス類というごく限られた魚類のみが所属するのに対し、新鰭類には残るすべての硬骨魚類(2万6千種以上)が含まれる。新鰭類の形態学的な特徴としては、背鰭・臀鰭の鰭条数がその支持構造の数と等しいこと、接続骨が基舌軟骨の外側に形成されることなどがある。
分類(2006年)
編集新鰭類そのものの単系統性は広く認められているが、内部の系統関係については現在も議論が多い。本稿ではNelson(2006)によりまとめられた分類体系を示すが[2]、詳細に関しては研究者間での異同が大きい。従来の体系ではガー目・アミア目を一つの単系統群とみなし全骨類(全骨下綱、Holostei)と呼んでいたが、2005年には両者は新鰭類に含まれ[1]、Nelsonはアミア目および関連する絶滅目を真骨類の姉妹群として扱っている[2]。
- Halecostomi
- †Macrosemiiformes 目 (絶滅)
- †Semionotiformes 目 (絶滅)
- 現生のガー目との類縁関係が指摘され、両者は統合して扱われることもある。Dapediidae 科・Semionotidae 科の2科を含み、後者はペルム紀後期に出現した古いグループである。
- ガー目 Lepisosteiformes
- †Pycnodontiformes 目 (絶滅)
- Halecomorphi
- アミア目と2つの絶滅目、および残るすべての魚類(真骨類)が含まれる。
- アミア目 Amiiformes
- †Aspidorhynchiformes 目 (絶滅)
- Aspidorhynchidae 科のみ1科3属を含み、ジュラ紀前期から白亜紀にかけての地層から出土している。骨格上の特徴から、真骨類に含めるべきとの見解もある。
- †Pachycormiformes 目 (絶滅)
- Pachycormidae 科のみが所属し、少なくとも8属が知られる。ジュラ紀から白亜紀前期にかけて繁栄した。
- 真骨類(正真骨区) Teleostei
- 40目448科4,278属の下に2万6,840の現生種を含み、条鰭類魚類の大部分が所属する分類群である。下位には13の上目のほか、系統的位置付けが不明でいずれの上目にも属さない3つの絶滅群(Pholidophoriformes 目・Leptolepidiformes 目・Tselfatiiformes 目)が含まれる。アロワナ上目以下の詳細、および下位の絶滅群については、それぞれの項目を参照のこと。
- †Pholidophoriformes 目 (絶滅)
- †Leptolepidiformes 目 (絶滅)
- Leptolepididae 科のみが所属する。三畳紀から白亜紀にかけて存在した、おそらくは海産のグループ。
- †Tselfatiiformes 目 (絶滅)
- アロワナ上目 Osteoglossomorpha
- カライワシ上目 Elopomorpha
- ニシン上目 Clupeomorpha
- 骨鰾上目 Ostariophysi
- 原棘鰭上目 Protacanthopterygii
- 狭鰭上目 Stenopterygii
- シャチブリ上目 Ateleopodomorpha
- 円鱗上目 Cyclosquamata
- 鱗上目 Scopelomorpha
- アカマンボウ上目 Lampriomorpha
- ギンメダイ上目 Polymixiomorpha
- 側棘鰭上目(擬棘鰭上目) Paracanthopterygii
- 棘鰭上目 Acanthopterygii
出典・脚注
編集参考文献
編集- Joseph S. Nelson 『Fishes of the world 4th edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
- 岩井保 『魚学入門』 恒星社厚生閣 2005年 ISBN 978-4-7699-1012-1