愛国駅

かつて北海道帯広市にあった日本国有鉄道の駅

愛国駅(あいこくえき)は、北海道十勝支庁帯広市愛国町にあった日本国有鉄道(国鉄)広尾線廃駅)である。電報略号アコ事務管理コードは▲111503[2]

愛国駅
駅舎正面(2007年8月撮影)
あいこく
Aikoku
北愛国 (4.3 km)
(5.7 km) 大正
地図
所在地 北海道帯広市愛国町
北緯42度50分13.7秒 東経143度11分37.3秒 / 北緯42.837139度 東経143.193694度 / 42.837139; 143.193694座標: 北緯42度50分13.7秒 東経143度11分37.3秒 / 北緯42.837139度 東経143.193694度 / 42.837139; 143.193694
所属事業者 日本国有鉄道(国鉄)
所属路線 広尾線
キロ程 11.0 km(帯広起点)
電報略号 アコ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
742人/日
-1981年(昭和56年)-
開業年月日 1929年(昭和4年)11月2日[1]
廃止年月日 1987年(昭和62年)2月2日[1]
備考 広尾線廃線に伴い廃駅
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1977年の愛国駅と周囲約500m範囲。下が広尾方面。周囲は札内川流域の平坦な畑作地帯。 無人化に伴い、既に駅裏側(下り)ホームは撤去されているが、線路はそのまま残されている。駅舎も開業以来の木造のものが残され、その横にある帯広側の貨物ホームにも引込み線が残されている。駅裏の広尾方面にはストックヤードがあって、貨物線が帯広側から分岐した後さらに2線に分岐してヤードの中央に敷かれており、かつて道路の整備される昭和30年代中頃までは札内川で採取された川砂の搬出に使用されていたが、これらも撤去されずに残されている。赤茶色の細長いものは保線用のレールの束。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

同線の幸福駅とあわせ「から幸福へ」のキャッチフレーズとともにブームを巻き起こした。

歴史

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駅名の由来

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所在地名より。当地を開拓した「愛国青年団」による[4]

駅構造

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廃止時点で、単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。ホームは線路の西側(広尾方面に向かって右手側)に存在した[8]。かつては相対式ホーム2面2線を有する列車交換可能な交換駅であった。使われなくなった駅舎と反対側の1線は、交換設備運用廃止後も側線として残っていた(但し1983年(昭和58年)時点ではプラットホームは撤去されていた[8])。そのほか本線帯広方から駅舎側に分岐し駅舎北側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線、また上記旧交換線である側線の帯広方から分岐し2線に分かれる行き止まりの側線を有していた[8]

本来は無人駅である[7]が、大正駅の助役が当駅の助役を兼務しており[8]、実質的に有人駅であった。駅舎は構内の南西側に位置しホーム中央部分に接していた。ホームには「愛国から幸福ゆき」の乗車券をかたどった駅名標[8]庭園[9]が作られていた。「わたしの旅スタンプ」が設置されていた[8]

また、駅横にはヨ3500形車掌車の車体を再利用した売店も存在した[10]

利用状況

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1981年度(昭和56年度)の1日乗降客数は742人[8]

駅周辺

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駅跡

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帯広市により「愛国交通記念館」として整備されている[12]。旧駅舎内には当時使用していた閉塞器、通標、備品、乗車券、駅スタンプ、写真パネルなどが保存・展示されている[12]。また駅構内は営業当時そのままの状態で保存されており、線路上に9600形蒸気機関車19671号機静態保存・展示されている[13]。2010年(平成22年)時点でも同様であった[14]。「愛国から幸福ゆき」の乗車券をモチーフにした石碑、同切符の販売1,000万枚を記念した石碑も設置されている[15]。尚、駅横にあったヨ3500形車掌車を再利用した売店は2011年(平成23年)時点では廃棄された状態となっている[15]

また、記念館を含む周辺は公園として整備され、ハート型の噴水、遊具、バーベキュー小屋などが設置されている。

「愛の国から幸福へ」ブーム

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1973年(昭和48年)3月NHKの紀行番組で幸福駅とともに、縁起の良い地名として取り上げられたことで、全国的な人気を博した。1978年(昭和53年)7月、「愛国→幸福」の乗車券発売枚数が1,000万枚を突破。1981年(昭和56年)末には1,200万枚、売上総額は9億4,000万円に上った[8]釧路鉄道管理局により駅前に記念碑が設置される。現在は駅前の商店で乗車券のレプリカが専用のケース(キーホルダー)と共に販売されているほか、十勝バスでも「愛国から幸福ゆき」のバス乗車券を販売する。

隣の駅

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日本国有鉄道
広尾線
北愛国駅 - 愛国駅 - 大正駅

脚注

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  1. ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、890頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、236頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ a b 内閣印刷局, ed (1929-10-26). “鉄道省告示 第217号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (848). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2957315. 
  4. ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、141-142頁。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ 『釧路鉄道管理局史』1972年10月発行、年代表。
  6. ^ “日本国有鉄道公示第319号”. 官報. (1974年12月12日) 
  7. ^ a b 「通報 ●広尾線愛国駅ほか3駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1974年12月12日、4面。
  8. ^ a b c d e f g h 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)138ページより。
  9. ^ 書籍『コロタン文庫36 国鉄駅名全百科 56.4訂補版』(小学館1981年10月発行)39ページより。
  10. ^ 書籍『追憶の鉄路 北海道廃止ローカル線写真集』(著:工藤裕之、北海道新聞社2011年12月発行)232ページより。
  11. ^ a b 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)13ページより。
  12. ^ a b 書籍『全国保存鉄道III 東日本編』(監修:白川淳、JTBパブリッシング1998年11月発行)66ページより。
  13. ^ 書籍『蒸気機関車完全名鑑 ビジュアル改訂版』(廣済堂ベストムック2011年1月発行)46ページより。
  14. ^ 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング2010年4月発行)86-87ページより。
  15. ^ a b 書籍『北海道の鉄道廃線跡』(著:本久公洋、北海道新聞社2011年9月発行)185-186ページより。

関連項目

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外部リンク

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