弓張山地

愛知県豊橋市・新城市と静岡県湖西市・浜松市北区にまたがる山地

弓張山地(ゆみはりさんち)は、赤石山脈の南側の愛知県豊橋市新城市静岡県湖西市浜松市浜名区 にまたがる山地八名弓張山地(やなゆみはりさんち)とも呼ばれる[1]

弓張山地
豊橋自然歩道から望む弓張山地(2011年5月撮影)
所在地 日本の旗 日本 静岡県愛知県
位置
弓張山地の位置(日本内)
弓張山地
北緯34度55分58秒 東経137度39分2秒 / 北緯34.93278度 東経137.65056度 / 34.93278; 137.65056座標: 北緯34度55分58秒 東経137度39分2秒 / 北緯34.93278度 東経137.65056度 / 34.93278; 137.65056
最高峰 鳶ノ巣山(706 m
延長 50 km
プロジェクト 山
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概要

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葦毛湿原の木道を散策するハイカーと弓張山地

南アルプスの南端の山域とされることもある。南アルプスから天竜川で分断されるが、その北東端の境界は明確ではない。一般的には鳶ノ巣山(標高706m)を北東端の最高地点として、上述の行政区域内にある山域を指す。南西に延びる愛知県と静岡県境の状に連なる山域であり、太平洋沿岸付近まで約50kmに亘って延びる。鳶ノ巣山のすぐ南西の稜線の一部が東海自然歩道となっている。南西端の稜線は静岡県側からは湖西連峰と呼ばれ、湖西市に属する部分には湖西市がハイキングコースを整備している[2]。また、静岡県側には浜名湖三方原へ向かって広がる山域があり、静岡県ではこれを公式に引佐山地としている他、湖北連峰あるいは奥浜名丘陵、引佐丘陵などと呼ばれることもあり、一等三角点のある富幕山(563m)を中心に浜松市が奥浜名自然歩道として整備している。豊橋市北部の中山峠から南西の二川まで延びる稜線や石巻山の東尾根には、豊橋市により豊橋自然歩道が整備されている[3]。一等三角点のある神石山(325 m )から南西に延びる稜線やその西麓の葦毛湿原を中心とする山域が、新・花の百名山に選定されている[4]。また葦毛湿原は、花の百名山に選定されている[5]。葦毛湿原と石巻山の周辺は、愛知県の石巻山多米県立自然公園に指定されている。

名所

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嵩山蛇穴(国の史跡)

地理

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弓張山地の山

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弓張山地南部の神石山の一等三角点
 
富士見岩から望む石巻山山頂部の石灰岩、遠景は三河湾三ヶ根山
山名 標高
(m)
三角点等級
基準点名[9]
備考
鳶ノ巣山 706 南西部に東海自然歩道

都田川の源流。

浅間山 644 山頂に神社「阿寺の浅間山」
弓張山 679
城山 656.81  二等「田沢村」 山頂に電波施設
浅間山 519 「上の浅間山」
浅間山 479 「下の浅間山」
富幕山 563.24  一等「富巻山」
金山 423.60  三等「福長村」
雨生山 313
坊ヶ峰 445.80  二等「嵩山村」 本坂トンネルの北
浅間山 370 本坂峠南「嵩山の浅間山」
石巻山 358 石巻山石灰岩地植物群落
神石山 324.67  一等「神石山」
東山 250.68  四等「二川」 二川駅直北
嵩山 170.44  四等「嵩山」 湖西市

上表の他、県境から外れる山として愛知県の吉祥山(382m)、船着山(427m)、常寒山(482m)、大森山(514m)、静岡県の尉ヶ峰(424m)、竜ヶ石山(359m)、霧山(430m)などがある。

弓張山地の峠

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源流の河川

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遊歩道

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山地には南北に豊橋自然歩道が整備されている[10]

豊橋自然歩道には本線と支線があるが2022年8月31日で一部が廃止され、廃止されたルートは9月1日からは進入禁止となり、このうち本線は本坂峠から東山(松明峠)までとすることが発表されていた[10]。豊橋自然歩道の整備と維持管理を行ってきたボランティア団体の「豊橋自然歩道推進協議会」が会員の高齢化のため2023年度で解散を決めたこともあり、豊橋市も公費による維持は困難としていた[11]。この豊橋自然歩道の本線と支線の一部廃止の計画では、中山峠〜本坂峠間にあるモミの木(とよはしの名木・巨木100選)や赤岩自然歩道にある赤岩尾根鉄塔下展望地が立ち入り禁止となる予定だった[10]

しかし、存続を求める陳情を受け、2022年7月4日、市長の定例会見で廃止を撤回することが発表された[12]

  • 豊橋自然歩道
    • 本線 - 中山峠〜本坂峠〜東山(松明峠)[10][11]
    • 中山自然歩道 - 中山自然歩道入口(林道入口)〜中山峠[10][11]
    • 姫街道
    • 嵩山自然歩道 - 嵩山自然歩道入口〜大山浅間社
    • 長彦自然歩道 - 長彦自然歩道入口〜大知波峠[10][11]
    • 石巻山自然歩道
    • 石巻巡回遊歩道[10][11]
    • 長彦自然歩道 - 長彦自然歩道入口〜大知波峠[10][11]
    • 赤岩自然歩道 - 赤岩自然歩道入口〜赤岩尾根分岐点[10][11]
    • 赤岩寺自然歩道 - 赤岩寺自然歩道入口〜赤岩自然歩道合流点[10][11]
    • 多米自然歩道 - 多米自然歩道入口〜多米峠[10][11]
    • 普門寺神石山自然歩道[10][11]
    • 大脇自然歩道[10][11]
    • 葦毛湿原・岩崎自然歩道
    • 二川自然歩道 - 二川自然歩道入口〜東山(松明峠)
    • 東山自然歩道 - 東山自然歩道入口〜東山(松明峠)

脚注

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  1. ^ 八名弓張山地”. 新城市. 2011年5月16日閲覧。
  2. ^ 湖西市の自然・湖西連峰”. 湖西市. 2011年5月16日閲覧。
  3. ^ a b c 石巻山周辺”. 豊橋市環境部環境保全課. 2011年5月16日閲覧。
  4. ^ 田中澄江『新・花の百名山』文春文庫、1995年6月、300-303頁。ISBN 4-16-731304-9 
  5. ^ 田中澄江『花の百名山』文春文庫、1997年6月、201-204頁。ISBN 4-16-352790-7 
  6. ^ 国指定文化財等データベース「嵩山蛇穴」”. 文化庁. 2015年2月16日閲覧。
  7. ^ 愛知県環境調査センター 編『愛知県の絶滅のおそれのある野生生物 レッドデータブックあいち 2020 動物編』(PDF)愛知県環境局環境政策部自然環境課、  日本・愛知県名古屋市中区、2020年3月、330頁。オリジナルの2020年6月23日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200623124023/https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/yasei/rdb/pdf2020/animals/08_kontyuuruiEX_VU.pdf#page=762020年6月23日閲覧 
  8. ^ 国指定文化財等データベース「大知波峠廃寺跡」”. 文化庁. 2018年5月18日閲覧。
  9. ^ 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2011年5月16日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m 豊橋自然歩道ガイドブック”. 豊橋市. 2022年6月11日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j k 豊橋自然歩道、一部廃止へ 「寝耳に水」地元住民困惑の声”. 中日新聞. 2022年6月11日閲覧。
  12. ^ 豊橋自然歩道の廃止を撤回 存続求める陳情受け市長”. 中日新聞. 2022年7月5日閲覧。

関連書籍

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  • 『石巻山と弓張山地の自然』豊橋市自然史博物館〈豊橋市自然史博物館ガイドブック(2)〉、2003年3月。ISBN 4924906131 

関連項目

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