害
仏教用語での害(がい)(梵: vihiṃsā、ヴィヒンサー)は、仏教が教える煩悩のひとつ。
仏教用語 Vihiṃsā, ヴィヒンサー | |
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パーリ語 | vihiṃsāv |
サンスクリット語 | vihiṃsā |
チベット語 |
རྣམ་པར་འཚེ་བ། (Wylie: rnam par 'tshe ba; THL: nampar tsewa) |
日本語 |
害 (ローマ字: Gai) |
英語 |
malice, hostility, cruelty, intention to harm |
害意[1]。他者への思いやりの心が無い状態、すなわち、慈悲心無き心の状態をさす。大善地法の「不害 (アヒンサー)」の逆 [1] 。
説一切有部の五位七十五法のうち、小煩悩地法の一つ[2]。唯識派の『大乗百法明門論』によれば随煩悩位に分類され、そのうち小随煩悩である。
出典
編集- ^ a b 櫻部・上山 2006, p. 115.
- ^ 中村 2002, p. 96.
参考文献
編集- 櫻部建、上山春平『存在の分析<アビダルマ>―仏教の思想〈2〉』角川書店〈角川ソフィア文庫〉、2006年。ISBN 4-04-198502-1。(初出:『仏教の思想』第2巻 角川書店、1969年)
- 中村元『龍樹』講談社学術文庫、2002年。ISBN 4-06-159548-2。