定慶
12世紀後半の慶派仏師
定慶(じょうけい、大仏師法師定慶、だいぶっしほうしじょうけい、生没年不詳)は、12世紀後半の慶派仏師。作風から康慶の弟子という説が有力である。彼の名は文献上には現れず、僧綱位にもついた形跡はなく、その活動が興福寺内に限定されていることから、興福寺専属の仏師だったと想像される。作品は康慶の作風の延長上にある高い写実表現を持ち、運慶にも匹敵する定慶の高い実力がうかがわれる。
作品
編集- 維摩居士坐像(国宝)、梵天(重要文化財)、金剛力士 奈良・興福寺東金堂
- 帝釈天像(東京・根津美術館) 建仁元年(1201年) 興福寺東金堂旧蔵
- 舞楽面・散手(奈良・春日大社) 寿永3年(1184年) 重要文化財
他に、興福寺東金堂十二神将立像の一部の像(婆娑羅大将像)や興福寺西金堂(現在は興福寺国宝館安置)の金剛力士立像も、その作風から定慶が制作に関与した可能性が指摘されている。