奥島孝康

日本の法学者 (1939–2024)

奥島 孝康(おくしま たかやす、1939年4月16日 - 2024年5月1日[1][2])は、日本法学者位階従三位[3]、勲章は瑞宝大綬章

奥島 孝康
2015年8月
人物情報
生誕 (1939-04-16) 1939年4月16日
日本の旗 日本 愛媛県北宇和郡日吉村
死没 (2024-05-01) 2024年5月1日(85歳没)
日本の旗 日本 東京都
国籍 日本の旗 日本
出身校 早稲田大学第一法学部
早稲田大学大学院法学研究科
学問
研究分野 会社法
研究機関 早稲田大学
主な指導学生 下平さやか
菊間千乃
影響を受けた人物 大野實雄
学会 日仏法学会
日中法学会
日韓法学会
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専門は会社法学位は、法学博士早稲田大学論文博士・1976年、学位論文『現代会社法における支配と参加-現代フランス会社法研究』)[4]大野實雄(早稲田大学名誉教授)門下[5]

早稲田大学名誉教授、早稲田大学第14代総長(1994年11月 - 2002年11月)、白鷗大学第5代学長(2013年4月 - 2021年3月)、日本高等学校野球連盟第6代会長、ボーイスカウト日本連盟第10代理事長(2010年 - 2020年)、ボーイスカウト日本連盟第9代総長[6]、元埼玉県公安委員会委員長を歴任した。

大京社外取締役、日本インターネット新聞株式会社取締役、フジ・メディア・ホールディングス監査役、構造計画研究所監査役。公益財団法人朝鮮奨学会評議員。高知県宿毛市名誉市民[7]

アナウンサーの下平さやか菊間千乃はゼミ生(二人とも1995年卒)[8]天理大学教授の奥島美夏は娘。学長時代は下記にある通り長年の懸案であった革マル派追放に尽力した。他にスポーツ推薦の導入や広末涼子の入学等で話題を呼んだ。高野連会長時代には社会問題化していた強豪校の特待生問題の解決に奔走した。

略歴

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早大幹部として

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労務・教育雇用

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教務部長時代に助手の任期制を全学に導入し[20]、図書館長時代は図書館業務のアウトソーシングを積極的に進めた[21]

スト破り

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法学部長在任時以前より全学で2年に一度期末試験ストライキが行われていた。法学部の多くの講義が前期試験を行わずに期末試験のみで評価を行っていたため、ストライキの年は年度内でなく4月に試験が行われていた(他学部は試験を実施せず、レポート提出に振り替えた)。奥島はストライキの年に当たる1993年度期末試験を年度内に強行してストライキの慣例を破った[14][22]

対革マル派

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早稲田大学が革マル派の拠点校となり、年額約2億円が大学から革マル派にながれ、反対の声が封殺されていることに危機感を抱いた奥島は、法学部長・総長としての任期中の計12年にわたり、革マル派をキャンパスから追放することに尽力した[14][23]。(詳細は「川口大三郎事件」を参照)

超高額寄付金の要求

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2001年から2003年に行われた早稲田実業学校初等部の入学試験の2次試験(面接)で、面接官だった奥島自らが、同伴の保護者全員に300~350万円の寄付金を要求した。これは募集要項記載の6~7倍の金額だった[24]東京都はこれを問題視し、学校側に改善通達を出した。しかし奥島がこの改善通達を無視したため、東京都は同学校法人に対して2003年度経常費補助金の20%(約1億242万円)の返還を請求した[25]。奥島は文部科学省の中央教育審議会委員などを辞職した[26]。この高額寄付金要求事件により、早稲田実業は都や文科省から睨まれるようになったばかりか、保護者からも学校の拝金主義に対し厳しい目が向けられるようになったと指摘される[27][28]

高野連会長として

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  • 学生野球憲章を改定し、元プロ野球選手の学生野球指導資格回復制度を作った。
  • 2012年8月23日に行われた第94回全国高等学校野球選手権大会の閉会式の挨拶で「とりわけ残念なのは、花巻東大谷投手をこの甲子園で見られなかったことでした」と発言。その直後「(岩手大会予選決勝戦で花巻東に勝利した)岩手県代表の盛岡大付を侮辱し、大変失礼ではないか」という批判の電話やメールが寄せられた[29]

研究者として

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専門

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著書

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単著

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  • 『法学部創立百周年記念論文集 3』早稲田大学法学会〈早稲田法学 第58巻第3号〉、1983年10月。 
  • 『商法 Ⅰ 〔総則・会社法〕』法学書院〈争点ノート〉、1989年7月。ISBN 978-4587316501 
  • 『商法 Ⅱ 〔商行為法・手形法・小切手法〕』法学書院〈争点ノート〉、1989年11月。ISBN 978-4587316600 
  • 『新しい危機管理の研究』金融財政事情研究会〈コーポレートガバナンス〉、1996年3月。ISBN 978-4322221916 
  • 『会社はだれのものか』金融財政事情研究会〈コーポレートガバナンス 2〉、1997年5月。ISBN 978-4322210118 
  • 『遵法経営』金融財政事情研究会〈コーポレートガバナンス 3〉、1998年7月。ISBN 978-4322160215 

監修

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共編著

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記念論文集

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奥島孝康教授還暦記念

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奥島孝康先生古稀記念論文集

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作詞

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  • ワセダ輝く(早稲田実業学校開校百周年記念歌、作曲は小室哲哉

特許

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役職歴

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学会・審議

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  • 日仏法学会 理事
  • 日中法学会 会長
  • 日韓法学会 会長
  • 日本スポーツ産業学会 副会長
  • 消費者金融サービス研究学会 常任理事
  • 日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム 共同理事長
  • 日本私立大学連盟 顧問
  • 文部科学省中央教育審議会 委員
  • 文部科学省科学技術・学術審議 会員
  • 法科大学院協会 会長

その他

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  • 日本私立大学連盟 会長[30]
  • 早稲田大学 学事顧問
  • 内閣府司法改革推進本部 顧問
  • 法科大学院協会 理事長
  • 財団法人学生サポートセンター
  • 財団法人野村国際文化財団 理事
  • 財団法人共立国際交流奨学財団 理事
  • 財団法人大川情報通信基金 理事長
  • 財団法人イオン環境財団 理事
  • 財団法人朝鮮奨学会 評議員
  • 財団法人旭硝子奨学会 理事
  • 財団法人本庄国際リサーチパーク研究推進機構 評議員
  • 財団法人日弁連法務研究財団 理事
  • 財団法人環日本海経済研究所 理事
  • 財団法人電力中央研究所 評議員
  • 特定非営利活動法人自然体験活動推進協議会 会長
  • 財団法人国際民商事法センター 学術評議員
  • 財団法人日本ボーイスカウト東京連盟維持財団理事
  • 日本ボーイスカウト東京連盟 連盟長
  • 財団法人水と緑の惑星保全機構 理事
  • 財団法人文化財保護・芸術研究助成財団 理事
  • 公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター 理事長
  • 財団法人ロッテ国際奨学財団 評議員
  • 学校法人実践女子学園 理事
  • 特定非営利法人日本ライフサポーター協会 理事
  • 社団法人全国大学体育連合会 会長
  • 財団法人早稲田奉仕園 理事長
  • 特定非営利活動法人日本自動車 殿堂顧問
  • 特定非営利活動法人富士山クラブ 理事長
  • ジャパンタッチ協会 会長
  • 日本相撲協会運営審議委員会委員
  • 公益財団ボーイスカウト日本連盟 総長

脚注

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  1. ^ a b “元日本高野連会長の奥島孝康氏(鬼北町出身)が死去”. 愛媛新聞. (2024年5月2日). https://www.ehime-np.co.jp/article/news202405020139 2024年5月2日閲覧。 
  2. ^ 奥島孝康さん死去、85歳 元高野連会長”. 時事ドットコム (2024年5月2日). 2024年7月5日閲覧。
  3. ^ a b 故奥島孝康氏に従三位”. 時事ドットコム (2024年5月28日). 2024年7月5日閲覧。
  4. ^ a b <奥島孝康のさらに向こうへ>ぼくの学生時代 バイトに追われ学び足りず:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  5. ^ a b <奥島孝康のさらに向こうへ>ぼくの学生時代(2) 無念だった弟の死:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  6. ^ a b c 日本連盟 理事長就任および退任のご挨拶”. ボーイスカウト日本連盟 (2020年8月18日). 2023年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月24日閲覧。
  7. ^ 【名誉市民】奥島 孝康 - 宿毛市”. www.city.sukumo.kochi.jp. 2022年11月12日閲覧。
  8. ^ a b <奥島孝康のさらに向こうへ>ぼくの教員時代(2) ゼミ生に教えた「熱意」と「自信」:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  9. ^ <奥島孝康のさらに向こうへ>ぼくの学生時代(3) 安保闘争に人間をみた:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  10. ^ <奥島孝康のさらに向こうへ>パリ大での在外研究(1) 空港に出迎えなく珍道中:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  11. ^ <奥島孝康のさらに向こうへ>パリ大での在外研究(2) 仏語のコツは幼稚園で:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  12. ^ <奥島孝康のさらに向こうへ>パリ大での在外研究(3) 商法学の著名教授らと交流:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  13. ^ a b <奥島孝康のさらに向こうへ>早大総長への途(みち)(上) 世界に誇れる図書館目指す:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  14. ^ a b c <奥島孝康のさらに向こうへ>早大総長への途(みち)(下) セクト学生との全面戦争:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月12日閲覧。
  15. ^ スカウト運動参加の意義”. 公益財団法人日本ボーイスカウト栃木県連盟. 2022年11月13日閲覧。
  16. ^ a b 講師:奥島 孝康 先生北東アジア研究交流ネットワーク
  17. ^ 『官報』号外第93号、令和5年5月1日
  18. ^ ことしの「春の叙勲」4009人が受章”. NHK NEWS WEB (2023年4月29日). 2023年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月20日閲覧。
  19. ^ 『官報』第1236号5頁 令和6年6月5日
  20. ^ 奥島孝康 「<事例紹介>早稲田大学における助手の任期制」大学と学生391号(1997年)pp.25-30
  21. ^ 奥島孝康「事例 早稲田大学図書館管理システム コスト減とスピードアップを果たす」カレッジマネジメント18巻5号(2000年)pp.19-21
  22. ^ 早稲田大学創立125周年記念:平成19年10月”. blog[小野一雄のルーツ]改訂版. 2022年11月12日閲覧。
  23. ^ 産経新聞 【さらば革命的世代】第4部キャンパスはいま(3)早大当局VS革マル派 元総長の12年戦争 2009年5月30日付朝刊 Archived 2009年7月2日, at the Wayback Machine.
  24. ^ 毎日新聞 2004年1月23日付夕刊、2004年3月5日付朝刊
  25. ^ 「毎日新聞」2004年1月23日付夕刊
  26. ^ 奥島氏、文科省役職を辞任 多額寄付金で引責、「毎日新聞」2004年3月12日付夕刊
  27. ^ セレブママたちが嫌がる「都落ち」感で遠のく慶応の背中」 田中畿太郎、日刊ゲンダイDIGITAL、2019年9月4日更新、2019年12月30日閲覧・一部引用。
  28. ^ 高橋公英「早稲田小寄付金騒動 寄付金が合否を左右する?All About、2004年2月23日更新、2019年12月30日閲覧。
  29. ^ “高野連会長の「大谷見たかった」に抗議”. デイリースポーツ. (2012年8月24日). オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304130634/http://www.daily.co.jp/baseball/2012/08/24/0005325335.shtml 2023年6月26日閲覧。 
  30. ^ 第155回国会 法務委員会 第5号(平成14年11月8日(金曜日))”. www.shugiin.go.jp. 2022年11月13日閲覧。

外部リンク

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先代
森山眞弓
白鷗大学学長
第5代:2013年 - 2021年
次代
北山修
先代
濱田泰三
早稲田大学図書館長
1986年 - 1990年
次代
野口洋二
先代
櫻井孝一
早稲田大学法学部長
1990年 - 1994年
次代
佐藤英善
先代
小山宙丸
早稲田実業学校理事長
1994年 - 2002年
次代
白井克彦
先代
新設
文部科学省科学技術・学術審議会学術分科会長代理
2001年 - 2003年
次代
池端雪浦
先代
新設
早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター所長
2002年 - 2004年
次代
白井克彦
先代
武藤治太
早稲田大阪学園理事長
2011年4月 - 2018年12月
次代
須賀晃一
先代
嶋田久仁彦
埼玉県公安委員会委員長
2006年1月 - 2006年10月
次代
由木義文
先代
橋本綱夫
公益財団法人ボーイスカウト日本連盟理事長
2010年4月 - 2020年3月
次代
岡谷篤一