大貫 恵美子(おおぬき えみこ、Emiko Ohnuki-Tierney、1934年[1] - )は、日本生まれ、米国籍の文化人類学者。ウィスコンシン大学人類学部教授[1]

人物・来歴

編集

兵庫県神戸市生まれ[1]甲南小学校甲南女子中学校・高等学校卒業。津田塾大学学芸学部英文学科卒業[1]。1958年渡米。1968年ウィスコンシン大学人類学博士課程修了[1]ビロイト大学、ウィスコンシン大学人類学部助教授[1]を経て、ウィスコンシン大学人類学部教授[1]。プリンストン大学高等研究学院に滞在中[1]

1985年『日本人の病気観』でサントリー学芸賞受賞[1]。1999年アメリカ学士院会員[2]

樺太アイヌ文化の研究を行い、数多くの著作を発表している。アイヌ語(樺太方言)と、英訳、詳細な註が付された民話集のSakhalin Ainu Folklore. (Washington, D.C.: American Anthropological Association, 1969) は言語の資料としても、文化研究の資料としても貴重である。[独自研究?]樺太アイヌ文化研究を16年行った後、日本文化研究へと進む。日本人の病気観から日本文化の象徴構造を抽出した『日本人の病気観』の後は、米、猿、桜を手がかりとして、日本文化の中核へと迫っていく研究を進めている[要出典]

2020年11月瑞宝中綬章受章[3]

著書

編集
  • The Detroit Chinese: A Study of Socio-Cultural Changes in the Detroit Chinese Community from 1872 through 1963. Housed at Detroit Public Library, UCLA Library, etc. 1964
  • A Northwest Coast Sakhalin Ainu World View. (Ph.D. dissertation, Department of Anthropology, University of Wisconsin, Madison, 1968)
  • Sakhalin Ainu Folklore. Anthropological Studies No. 2. Washington, D.C.: American Anthropological Association. 1969
  • The Ainu of the Northwest Coast of Southern Sakhalin. New York: Holt, Rinehart & Winston. Reprinted in 1984 by: Prospect Heights, Illinois: Waveland Press. 1974
  • Illness and healing among the Sakhalin Ainu : a symbolic interpretation. Cambridge; New York: Cambridge University Press. 1981
  • 『日本人の病気観 象徴人類学的考察』岩波書店 1985
  • 『コメの人類学 日本人の自己認識』岩波書店 1995
  • 『日本文化と猿』平凡社選書 1995
  • 『ねじ曲げられた桜 美意識と軍国主義』岩波書店 2003 岩波現代文庫、2022
  • 『学徒兵の精神誌 「与えられた死」と「生」の探求』岩波書店 2006
  • 『人殺しの花 政治空間における象徴的コミュニケーションの不透明性』岩波書店 2020

外部リンク

編集

脚注

編集
  1. ^ a b c d e f g h i 大貫 恵美子 『日本人の病気観 ―― 象徴人類学的考察』|受賞者一覧・選評(サントリー学芸賞)”. www.suntory.co.jp. サントリー文化財団. 2022年3月17日閲覧。
  2. ^ 『現代日本人名録』2002年
  3. ^ 令和2年秋の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 5 (2020年11月). 2023年2月19日閲覧。