大楽毛駅

北海道釧路市にある北海道旅客鉄道の駅

大楽毛駅(おたのしけえき)は、北海道釧路市大楽毛5丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線である。電報略号シケ事務管理コードは▲110435[2]駅番号K50

大楽毛駅
駅舎(2013年9月)
おたのしけ
Otanoshike
K49 庶路[* 1] (10.4 km)
(1.8 km) 新大楽毛 K51
地図
所在地 北海道釧路市大楽毛5丁目
北緯43度0分33.57秒 東経144度16分21.54秒 / 北緯43.0093250度 東経144.2726500度 / 43.0093250; 144.2726500座標: 北緯43度0分33.57秒 東経144度16分21.54秒 / 北緯43.0093250度 東経144.2726500度 / 43.0093250; 144.2726500
駅番号 K50
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 根室本線
キロ程 162.7 km(新得起点)
電報略号 シケ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
乗降人員
-統計年度-
150人/日
-2014年-
開業年月日 1901年明治34年)7月20日[1]
備考 無人駅
  1. ^ この間に東庶路信号場有り(当駅から5.2 km先)。
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歴史

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1977年の大楽毛駅と周囲約750m範囲。右が根室方面。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
駅の東側に設けられた、本州製紙(当時)釧路工場(上)への貨物仕分線。周囲750m範囲。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

戦後直後まで軍馬(釧路種)の一大集散地として発展した。戦後は本州製紙(現:王子製紙)釧路工場が近隣へ開設され、原料となる木材チップや製品の取扱を開始し道内有数の貨物取扱駅となった。しかし昭和50年代頃より木材チップの工場搬入が順次トラック輸送に切り替わり、貨物取扱は廃止され、専用線も撤去された。

駅名の由来

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所在地名より。アイヌ語の「オタノㇱキ(ota-noski)」(砂浜・の中央)に字を当てたものとされる[12][3]

駅構造

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1面2線の島式ホームを持つ地上駅。1番のりばが本線であるため、上下列車とも基本的に1番のりばを使用している。両ホームは跨線橋で連絡している。元々は駅舎に直面する1番のりばが存在したが、合理化により廃止され島式ホームの2番のりば・3番のりばをそれぞれ1番のりば・2番のりばとした。

駅舎は構内の北側にあり、1989年(平成元年)に日本初の市支所との合築で建てられたものが用いられており、外観はかつての馬検査所を模している[3]

現在は釧路駅管理の無人駅となっている。駅舎内には閉鎖された窓口がある。かつて自動券売機(稼働時間5時30分 - 0時00分)が設置されていたが、2021年(令和3年)3月31日で販売を終了、4月1日から使用停止となり、4月中旬に撤去された。朝と夕方に釧路方面から当駅始終着の列車が1日2本存在するが、土曜・休日ダイヤは運休となる。

なお、当駅には「そば処 霧亭」(本店は釧路駅)の分店があったこともある[13]

のりば

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番線 路線 方向 行先
1・2 根室本線 上り 帯広新得方面
下り 釧路方面

利用状況

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1日の平均乗降人員は以下の通りである[14]

乗降人員推移
年度 1日平均人数
2011 174
2012 178
2013 156
2014 150

駅周辺

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釧路市の郊外住宅地として住宅が増えており、釧路市中心部への通勤・通学客が多く利用するほか、高専への通学客も多い。

隣の駅

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北海道旅客鉄道(JR北海道)
根室本線
庶路駅 (K49) - (東庶路信号場) - 大楽毛駅 (K50) - 新大楽毛駅 (K51)

脚注

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注釈

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  1. ^ 大日本帝國陸地測量部 大正12年発行 5万分の1地形図「舌辛」「大楽毛」によれば、舌辛市街の駅(現・阿寒町旭町2丁目)(北緯43度5分49.95秒 東経144度7分14.78秒 / 北緯43.0972083度 東経144.1207722度 / 43.0972083; 144.1207722)からさらに舌辛村音別(現・阿寒町富士見)(北緯43度6分49.73秒 東経144度6分7.04秒 / 北緯43.1138139度 東経144.1019556度 / 43.1138139; 144.1019556)の炭鉱へ伸びていた。また大楽毛までの中間地点(北緯43度3分27.22秒 東経144度12分1.70秒 / 北緯43.0575611度 東経144.2004722度 / 43.0575611; 144.2004722)に「中茶屋」という中継駅を有していた。現在の国道240号「まりも国道」の阿寒町旭町から大楽毛市街北側(ホクレン釧路地区家畜市場辺り)までは、同軌道と完全に重なる。ここからは市街地を迂回するように東側外周を回り込んで当駅表東側へ接続していた。阿寒町百年史 P469では、延長18km、石炭のほか人も乗せたとされる。
  2. ^ 大日本帝國陸地測量部 大正12年及び昭和6年発行 5万分の1地形図「舌辛」「徹別」にて「馬車軌道」が記載されている。また同地図によれば、途中の徹別発電所(第2発電所)へも支線が分岐していた。発電所については釧路叢書「釧路の産業史」より。ただし同書によれば発電所の建設資材や機械類は馬車及び馬橇にて運搬とされていて、飽別や徹別発電所への馬車鉄道についての記述は一切無い。
  3. ^ 澤口炭礦は大正12年閉山。
  4. ^ 1957年(昭和32年)11月に大方敷設完了。1958年(昭和33年)にはこの専用線を使用して機械類の搬入を行っているが、直径5.5m、長さ26m、重量62tの大物機械搬入に際しては、国鉄シキ100形貨車を本州から回送して工事に当たらせた。(釧路の製紙(下))
  5. ^ 全国専用線一覧昭和45年版では作業距離2.5km、総延長8.4km。

出典

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  1. ^ a b c d e 釧路市地域史研究会 『釧路市統合年表:釧路市・阿寒町・音別町合併1周年記念』 釧路市 、2006年10月。
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、233頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ a b c 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 77. ISBN 4-89391-549-5 
  4. ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、881頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  5. ^ 釧路叢書 第14巻「釧路の石炭」及び 第26巻「釧路の産業史」。
  6. ^ 阿寒町百年史
  7. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、111頁。ISBN 978-4-10-320523-4 
  8. ^ 「国鉄釧鉄局、幾寅駅などの無人駅化を1日から実施」『日本経済新聞日本経済新聞社、1984年11月30日、地方経済面/北海道、1面。
  9. ^ 「通報 ●飯田線三河川合駅ほか186駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1986年10月30日、12面。
  10. ^ a b “駅と市支所が“合体” 釧路”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1989年10月4日)
  11. ^ 藤島, 茂「JR北海道における130km/h高速化」『鉄道と電気技術』第8巻第4号、日本鉄道電気技術協会、1997年3月、68-71頁、doi:10.11501/3314045ISSN 0915-9231 
  12. ^ アイヌ語地名リスト エンオニシ P21-30P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
  13. ^ “JR釧路駅内の「そば処 霧亭」閉店へ 35年の歴史に幕 涙ぐむ従業員”. 北海道新聞. (2021年2月24日). オリジナルの2021年2月25日時点におけるアーカイブ。. https://archive.vn/RHN1w 2021年2月25日閲覧。 
  14. ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月21日閲覧
  15. ^ 大楽毛駅前”. NAVITIME. 2019年11月22日閲覧。

参考文献

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  • 北海道旅客鉄道釧路支社編『JR釧路支社 鉄道百年の歩み』(2001年)
  • 釧路叢書 第25巻 釧路の製紙(上)釧路市 昭和62年発行
  • 釧路叢書 第27巻 釧路の製紙(下)釧路市 平成2年発行
  • 全国専用線一覧 昭和39年版、昭和45年版、昭和58年版

関連項目

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外部リンク

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