大和八木駅
大和八木駅(やまとやぎえき)は、奈良県橿原市内膳町五丁目にある、近畿日本鉄道(近鉄)の駅。駅長配置駅である。橿原市の玄関口としての機能を有している。
大和八木駅* | |
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北口(2021年1月) | |
やまと やぎ Yamato-Yagi | |
南は八木西口駅 | |
所在地 | 奈良県橿原市内膳町五丁目1-2 |
所属事業者 | 近畿日本鉄道(近鉄) |
電報略号 | ヤキ |
駅構造 | 地上駅・高架駅(2層構造) |
ホーム | 計4面6線 |
乗車人員 -統計年度- |
18,621人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1923年(大正12年)3月21日 |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | B 橿原線 |
駅番号 | B39 |
キロ程 |
20.5 km(大和西大寺起点) 京都から55.1 km |
◄B38 新ノ口 (1.4 km) (0.0 km) 八木西口** B40► | |
所属路線 | D 大阪線 |
駅番号 | D39 |
キロ程 | 34.8 km(大阪上本町起点) |
◄D27 真菅 (2.0 km) (2.1 km) 耳成 D40► | |
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利用可能な鉄道路線
編集近鉄の駅ナンバリングは、京都駅 - 吉野駅・近鉄奈良駅・賢島駅のルートを基準に付番されるため、当駅を通る各路線の駅番号は京都駅からの通し番号になっており、大阪線はD28 - D38が欠番となっている。
歴史
編集- 1923年(大正12年)3月21日:大阪電気軌道畝傍線(現在の橿原線)の平端 - 橿原神宮前間開通時に、八木駅(やぎえき)として開業[1]。この時のホームは現在の八木西口駅の位置[2]。
- 1925年(大正14年)3月21日:大阪電気軌道八木線(現在の大阪線)が高田駅(現在の大和高田駅)から延伸し八木駅に乗り入れ[3]。
- 1928年(昭和3年)8月:大軌八木駅(だいきやぎえき)に改称[2]。
- 1929年(昭和4年)1月5日:八木線の桜井への延伸(同時に八木線が桜井線に改称)と同時に移転し、旧大軌八木駅は八木西口駅(やぎにしぐちえき)として畝傍線単独駅となる(扱い上は大軌八木駅の別ホームとなり、桜井線真菅 - 畝傍線八木西口間の当初施設線は連絡線となる)[1]。
- 1939年(昭和14年)7月28日:線路名称改定。畝傍線が橿原線に改称。
- 1941年(昭和16年)3月15日:参宮急行電鉄との会社合併により、関西急行鉄道の駅となる[3](桜井線は大阪線に改称)。同時に大軌八木駅は大和八木駅(やまとやぎえき)に改称[2][4]。
- 1944年(昭和19年)6月1日:会社合併により近畿日本鉄道の駅となる[3]。
- 1967年(昭和42年)12月20日:橿原線新ノ口 - 大阪線大和八木間に連絡線完成[3]。大阪線ホームに待避線新設。
- 2001年(平成13年)2月1日:SF(ストアードフェア)システムの導入および「スルッとKANSAI」対応カードの取り扱い開始に伴い、当駅における「途中下車指定駅」の制度が廃止される。
- 2007年(平成19年)4月1日:PiTaPa使用開始[5]。
- 2013年(平成25年)3月21日:新設された観光特急「しまかぜ」の停車駅となる。
駅構造
編集当駅構内にて大阪線が橿原線をオーバークロスする構造になっており、1階に改札・コンコースおよび橿原線ホームが、2階に大阪線ホームがある。改札口は1か所のみ。近鉄の駅で他社の鉄道が乗り入れない駅では唯一の立体交差駅である。
大阪線のりばは2面4線の島式ホームで有効長は10両、待避可能な構造となっている。橿原線のりばは2面2線の相対式ホームで有効長は6両。5番のりばは改札から水平移動が可能である。エスカレーター、エレベーター設置。
のりば
編集のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
大阪線ホーム(2階) | |||
1・2 | D 大阪線 | 下り | 名張・五十鈴川・賢島・近鉄名古屋方面[6] |
3・4 | 上り | 大阪上本町・大阪難波方面[6] | |
橿原線ホーム(1階) | |||
5 | B 橿原線 | 下り | 橿原神宮前方面[6] |
6 | 上り | 大和西大寺・京都方面[6] |
- 特記事項
- 大阪線は内側2線(2番線と3番線)が主本線、外側2線(1番線と4番線)が待避線である。
- 大阪線の上り始発列車は、本来下りホームである1番のりばで折り返す。
- 当駅を介して大阪線と橿原線を直通する特急列車は、上下線とも大阪線のホームに発着する。
配線図
編集↑ 大和西大寺 | ||
← 大阪上本町 |
→ 伊勢中川 |
|
↓ 橿原神宮前 | ||
凡例 出典:[7] |
新ノ口連絡線
編集駅構内に、橿原線新ノ口駅と大和八木駅大阪線ホーム間を連絡する新ノ口連絡線がある。この連絡線は、京伊特急や観光特急「しまかぜ」の京都駅発着列車、近鉄名古屋駅 - 天理駅・大和西大寺駅間の臨時特急、高安検修センターまたは五位堂検修車庫に入出場するための回送列車が使用している。また、同線には保線基地なども存在する。
この連絡線の完成前は京伊特急が大阪線と橿原線を行き来する際、八木西口駅からの連絡線を用いて2回のスイッチバックを行なっていた。
備考
編集隣の駅である八木西口駅は、当初そちらが八木駅とされていた名残で、独立した駅ではなく、大和八木駅構内の別ホーム、別出口の扱いである。このため、大和八木駅を含む定期券であれば八木西口駅でも乗降が可能であり、営業キロも大和八木駅と同じキロ程で計算される。なお、大和八木駅と八木西口駅の相互間のみ乗車の場合は、たとえ「構内扱い」であっても、入場券では列車内に立ち入ることはできないため、同券と同額となる初乗り運賃の乗車券を用いることになっている。また、八木西口駅には特急は停車しない(急行以下の列車が停車)。
駅構内施設
編集同駅構内の各店舗は、近鉄リテーリングなどの運営による。
特徴
編集停車列車
編集- 橿原神宮前駅と共に、橿原から大阪および京都方面へ向かう列車が発着しており、乙特急以下の全定期営業列車と観光特急「しまかぜ」、一部の名阪甲特急「ひのとり」が停車する[8][9][10]。
- 停車する特急列車の詳細:名阪甲特急「ひのとり」は名古屋方面への列車は7時 - 10時台と16時・17時台に加え、土休日は6時台と18時台が停車[注 1][8]、大阪方面への列車は18時台以降の全列車と平日の8時 - 11時台、土休日の7時・10時台の発着列車[注 2]が停車し[8]、その他の名阪甲特急「ひのとり」と阪伊甲特急は全列車が通過するが[8]、臨時増発の阪伊甲特急の一部が当駅に停車するものもある。なお、観光特急「しまかぜ」は大阪難波駅発着と京都駅発着の双方が停車する[8][9]。
- 大阪線ホームでは、朝と夕方の時間帯に特急同士の連絡(名阪乙特急「アーバンライナー」と京伊特急)を行っている。[8]その場合に限り、京伊特急が大阪線ホームの待避線(1・4番線)に入線する。
- 京都方面へ向かう特急は橿原線6番のりばのほかに、大阪線3・4番のりばからも発車する関係で、当駅から京都方面への特急券を購入した場合、券面には系統により「3番線のりば」「4番線のりば」「6番線のりば」が印字される。
- 本数は少ないものの、大阪線では早朝と終電に当駅を始発および終着とする列車が設定されている[8]。橿原線では当駅を始発および終着とする列車は設定されていない[9]。なお、朝の当駅発着列車の一部は種別変更を行って継続運転するものがあり、夜間の当駅終着の列車は五位堂駅に回送されるものと、当駅で夜間停泊するものがある。
設備・営業面
編集- 大阪線ホームと橿原線ホームの6番線には売店が設置されている[12]。
- 特急券は専用の自動券売機や窓口にて購入可能であり、大阪線ホームでは窓口と自動券売機の双方で、橿原線ホームでは6番線にてそれぞれ特急券が購入可能となっている[12]。定期券は黒の券売機で購入が可能で、窓口による定期券サポートにも対応する[13]。
- PiTaPa・ICOCA対応の自動改札機および自動精算機(回数券カードおよびICカードのチャージに対応)が設置されている。
- 改札口および乗り換え階段付近に、他のりばの発車案内を示すLCD式案内装置が設置されている。
- 駅長が置かれ、大阪線の真菅駅 - 大和朝倉駅間と橿原線の新ノ口駅 - 畝傍御陵前駅間を管理している。
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利用状況
編集- 輸送実績(乗車人員)の単位は人であり、年度での総計値を示す[14]。
- 表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
- 乗車人員には、八木西口駅のものも含まれている。
年度別利用状況(大和八木駅) | ||||||||
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年度 | 当駅分輸送実績(乗車人員):人/年度 | 乗降人員調査結果:人/日 | 特記事項 | |||||
通勤定期 | 通学定期 | 定期外 | 合 計 | 1日当たり | 調査日 | 調査結果 | ||
1982年(昭和57年) | ←←←← | 7,556,105 | 20,702 | 11月16日 | 34,932 | |||
1983年(昭和58年) | ←←←← | 7,633,631 | 20,857 | 11月8日 | 36,328 | |||
1984年(昭和59年) | ←←←← | 7,503,039 | 20,556 | 11月6日 | 37,614 | |||
1985年(昭和60年) | ←←←← | 7,533,220 | 20,639 | 11月12日 | 37,022 | |||
1986年(昭和61年) | ←←←← | 8,591,099 | 23,537 | 11月11日 | 43,156 | |||
1987年(昭和62年) | ←←←← | 8,564,674 | 23,401 | 11月10日 | 44,620 | |||
1988年(昭和63年) | ←←←← | 8,595,977 | 23,551 | 11月8日 | 44,640 | |||
1989年(平成元年) | ←←←← | 8,575,987 | 23,496 | 11月14日 | 47,388 | 消費税3%導入 | ||
1990年(平成2年) | ←←←← | 8,686,924 | 23,800 | 11月6日 | 46,479 | |||
1991年(平成3年) | ←←←← | 8,855,461 | 24,195 | |||||
1992年(平成4年) | ←←←← | 8,674,556 | 23,766 | 11月10日 | 46,198 | |||
1993年(平成5年) | ←←←← | 8,658,995 | 23,723 | |||||
1994年(平成6年) | ←←←← | 8,536,197 | 23,387 | |||||
1995年(平成7年) | ←←←← | 8,518,909 | 23,276 | 12月5日 | 43,256 | |||
1996年(平成8年) | ←←←← | 8,259,654 | 22,629 | |||||
1997年(平成9年) | ←←←← | 7,887,691 | 21,610 | 消費税3%→5% | ||||
1998年(平成10年) | ←←←← | 7,630,612 | 20,906 | |||||
1999年(平成11年) | ←←←← | 7,385,437 | 20,179 | |||||
2000年(平成12年) | ←←←← | 7,224,626 | 19,793 | |||||
2001年(平成13年) | ←←←← | 7,244,461 | 19,848 | |||||
2002年(平成14年) | ←←←← | 7,092,061 | 19,430 | |||||
2003年(平成15年) | ←←←← | 7,029,882 | 19,207 | |||||
2004年(平成16年) | ←←←← | 6,938,281 | 19,009 | |||||
2005年(平成17年) | 3,812,490 | ←←←← | 3,078,445 | 6,890,935 | 18,879 | 11月8日 | 37,189 | |
2006年(平成18年) | 3,847,290 | ←←←← | 3,023,201 | 6,870,491 | 18,823 | |||
2007年(平成19年) | 3,821,910 | ←←←← | 2,975,865 | 6,797,775 | 18,573 | |||
2008年(平成20年) | 3,852,060 | ←←←← | 2,960,356 | 6,812,416 | 18,664 | 11月18日 | 37,269 | |
2009年(平成21年) | 3,695,940 | ←←←← | 2,839,028 | 6,534,968 | 17,904 | |||
2010年(平成22年) | 3,641,490 | ←←←← | 2,896,532 | 6,538,022 | 17,912 | 11月9日 | 37,335 | |
2011年(平成23年) | 3,571,890 | ←←←← | 2,900,488 | 6,472,378 | 17,684 | |||
2012年(平成24年) | 3,532,260 | ←←←← | 2,973,244 | 6,505,504 | 17,823 | 11月13日 | 34,537 | |
2013年(平成25年) | 3,641,940 | ←←←← | 3,122,888 | 6,764,828 | 18,534 | |||
2014年(平成26年) | 3,578,340 | ←←←← | 3,081,949 | 6,660,289 | 18,247 | 消費税5%→8% | ||
2015年(平成27年) | 3,663,510 | ←←←← | 3,175,406 | 6,838,916 | 18,686 | 11月10日 | 36,886 | |
2016年(平成28年) | 3,677,820 | ←←←← | 3,141,455 | 6,819,275 | 18,683 | |||
2017年(平成29年) | 3,671,610 | ←←←← | 3,160,364 | 6,831,974 | 18,718 | |||
2018年(平成30年) | 3,675,390 | ←←←← | 3,188,469 | 6,863,859 | 18,805 | 11月13日 | 37,345 | |
2019年(令和元年) | 3,671,940 | ←←←← | 3,143,412 | 6,815,352 | 18,621 | 消費税8%→10% | ||
2020年(令和2年) | ←←←← | |||||||
2021年(令和3年) | ←←←← | 11月9日 | 31,100 | |||||
2022年(平成4年) | ←←←← | 11月8日 | 32,591 | |||||
2023年(平成5年) | ←←←← | 11月7日 | 32,974 |
駅周辺
編集北口
編集南口
編集昭和時代には「内膳池」があり後に埋め立てて乗り場やビル用地となった。
バス路線
編集バス停は駅北口、南口に分かれる。全路線とも奈良交通により運行されている。
- 北口乗り場
- [63]:八木耳成循環・外回り
- [64]:八木耳成循環・内回り
- [73]:橿原総合庁舎経由 八木耳成循環・外回り
- [74]:橿原総合庁舎経由 八木耳成循環・内回り
- 南口1番乗り場
- [50]:医大病院玄関口行
- [51]:畑屋口経由 下市口駅行
- [52]:南大和三丁目経由 下市口駅行
- [53]:近鉄御所駅行
- 橿原市コミュニティバス:橿原市昆虫館行
- 橿原市コミュニティバス:橿原市昆虫館経由 橿原神宮前駅(中央口)行(土休日のみ)
- 南口2番乗り場
この他、冬期の土休日に霧氷バス和佐又山行の運行がある[15]。
隣の駅
編集- 近畿日本鉄道
- D 大阪線
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b 曽根悟(監修)『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 大手私鉄』 3号 近畿日本鉄道 2、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年8月29日、11-13頁。ISBN 978-4-02-340133-4。
- ^ a b c 近畿日本鉄道株式会社『近畿日本鉄道 100年のあゆみ』近畿日本鉄道、2010年12月、679頁。全国書誌番号:21906373。
- ^ a b c d 曽根悟(監修)『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 大手私鉄』 2号 近畿日本鉄道 1、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年8月22日、18-23頁。ISBN 978-4-02-340132-7。
- ^ 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 8 関西1、新潮社、2008年、28頁。ISBN 978-4-10-790026-5。
- ^ 『平成19年4月1日から、近鉄主要路線でICカードの利用が可能になります』(pdf)(プレスリリース)近畿日本鉄道、2007年1月30日 。2016年2月27日閲覧。
- ^ a b c d “駅の情報|大和八木”. 近畿日本鉄道. 2020年11月30日閲覧。
- ^ 「全国鉄道事情大研究 大阪都心部・奈良篇」川島令三著、草思社発行、1993年3月15日、166頁、ISBN 978-479420498-1
- ^ a b c d e f g h 近鉄時刻表2018年3月17日ダイヤ変更号、p.124 - p.147・p.284 - p.306
- ^ a b c 近鉄時刻表2018年3月17日ダイヤ変更号、p.186 - p.205・p.344 - p.362
- ^ 次世代新型観光特急「しまかぜ」、平成25年3月21日デビュー! (PDF) - 近畿日本鉄道株式会社、2012年9月28日付ニュースリリース
- ^ 近鉄時刻表2014年9月21日ダイヤ変更号、p.120 - p.142・p.280 - p.302
- ^ a b 近鉄時刻表2018年3月17日ダイヤ変更号、p.70 - p.87
- ^ “定期券・IC業務取扱駅一覧”. 近畿日本鉄道. 2023年7月19日閲覧。
- ^ 奈良県統計年鑑
- ^ “霧氷バス2020 氷と自然が織りなす白銀の世界へ” (PDF). 奈良交通 (2020年). 2023年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月13日閲覧。 “(※2020年運行分のパンフレットで代用)”
関連項目
編集外部リンク
編集- 駅の情報|大和八木 - 近畿日本鉄道