土門拳賞(どもんけんしょう)は日本の写真家である土門拳を敬して、1981年毎日新聞社が創刊110周年記念事業として創設した写真賞である[1]。社会・人物・自然などを対象とする。同じくリアリズム写真で有名な木村伊兵衛を記念して作られた木村伊兵衛写真賞と共に、写真界の中堅・もしくは新人に与えられる賞である。受賞作品は東京・銀座および大阪のニコンサロンと山形県酒田市の土門拳記念館で展示され、同館で保管される[1]

木村伊兵衛写真賞が写真界の芥川賞と呼ばれるのに対し、土門拳賞はよく、写真界の直木賞と呼ばれることが多い。なお、土門本人は、1979年から没年の1990年までは昏睡状態のため、この賞には直接関わってはいない。

受賞者・受賞作一覧

編集
受賞者 作品 備考
第1回 1982年 三留理男 「ケニア飢餓前線」「アコロ」「国境を越えた子供たち」
第2回 1983年 内藤正敏 「出羽三山と修験」
第3回 1984年 野町和嘉 「バハル」「サハラ悠遠」
第4回 1985年 江成常夫 「シャオハイの満州」
第5回 1986年 新正卓 「遥かなる祖国」
第6回 1987年 菅洋志 「バリ・超夢幻界」
第7回 1988年 西川孟 「ひと・もの・こころ」
第8回 1989年 津田一郎 「無明地帯シリーズ“奥の細道”」
第9回 1990年 宮崎学 「フクロウ」
第10回 1991年 十文字美信 「黄金風天人」
第11回 1992年 今枝弘一 「ロシアン・ルーレット」
第12回 1993年 長倉洋海 「マスード 愛しの大地アフガン」
第13回 1994年 南良和 「秩父三十年」
第14回 1995年 鈴木清 「修羅の圏(たに)」
第15回 1996年 砂守勝巳 「漂う島とまる水」
第16回 1997年 須田一政 「人間の記憶」
第17回 1998年 本橋成一 「ナージャの村」など
第18回 1999年 水越武 「森林列島」
第19回 2000年 金村修 「BLACK PARACHUTE EARS,1991-1999」
第20回 2001年 大石芳野 「ベトナム凛と」
第21回 2002年 百瀬俊哉 「東京=上海」
第22回 2003年 広河隆一 「写真記録 パレスチナ」
第23回 2004年 鬼海弘雄 「PERSONA」
第24回 2005年 坂田栄一郎 「PIERCING THE SKY-天を射る」
第25回 2006年 内山英明 「JAPAN UNDERGROUND III」「東京デーモン」
第26回 2007年 中村征夫 「海中2万7000時間の旅」
第27回 2008年 土田ヒロミ 「土田ヒロミのニッポン」
第28回 2009年 今森光彦 「昆虫 4億年の旅」
第29回 2010年 鈴木龍一郎 「RyUlysses リュリシーズ」
第30回 2011年 石川直樹 「CORONA」
第31回 2012年 高梨豊 「IN'」
第32回 2013年 亀山亮 「AFRIKA WAR JOURNAL」
第33回 2014年 桑原史成 「不知火海」「水俣事件」
第34回 2015年 下瀬信雄 「結界」 [2]
第35回 2016年 山内道雄 「DHAKA2」
第36回 2017年 梁丞佑 「新宿迷子」
第37回 2018年 潮田登久子 「本の景色 BIBLIOTHECA」
第38回 2019年 高橋智史 「RESISTANCE カンボジア 屈せざる人々の願い」
第39回 2020年 藤本巧 「寡黙な空間 韓国に移住した日本人漁民と花井善吉院長」 [3]
第40回 2021年 大竹英洋 「ノースウッズ-生命を与える大地-」
第41回 2022年 北島敬三 「UNTITLED RECORDS」
第42回 2023年 船尾修 「満洲国の近代建築遺産」
第43回 2024年 石川真生 「私に何ができるか」 [4]

脚注

編集

参考文献

編集
  • 山形放送株式会社, 新版山形県大百科事典発行本部事務局 編『山形県大百科事典(新版)』山形放送、1993年10月。 

外部リンク

編集