国道324号
国道324号(こくどう324ごう)は、長崎県長崎市から熊本県宇城市に至る一般国道である。
一般国道 | |
---|---|
国道324号 | |
地図 | |
総延長 | 137.6 km |
実延長 | 86.3 km |
現道 | 72.9 km |
陸上区間 | 103.9 km |
海上区間 | 33.7 km |
制定年 | 1970年(昭和45年) |
起点 | 長崎県長崎市 江戸町交差点(北緯32度44分42.60秒 東経129度52分26.87秒 / 北緯32.7451667度 東経129.8741306度) |
主な 経由都市 |
熊本県天草郡苓北町 天草市 |
終点 | 熊本県宇城市 五橋入口交差点(北緯32度36分35.36秒 東経130度28分0.29秒 / 北緯32.6098222度 東経130.4667472度) |
接続する 主な道路 (記法) |
国道34号 国道202号 E34 長崎自動車道 E34 ながさき出島道路] 国道266号 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
概要
編集長崎県長崎市の旧長崎県庁があった長崎市江戸町交差点が起点である。
県庁坂を下り、中央橋・浜町地区に差し掛かったところで、長崎随一の繁華街である浜町アーケード商店街を通過する[1][2]。長崎市の茂木港から天草灘の海を高速船で渡る海上国道区間を経て、熊本県天草下島の天草郡苓北町にある富岡港から再び陸上区間となり、天草下島と天草上島の天草灘・島原湾沿いを通る海岸道路として宇城市へ向かい、同市内の国道57号交点で終わる。
路線データ
編集一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
- 起点:長崎市(江戸町交差点 = 国道34号・国道57号・国道202号終点、国道206号・国道251号起点)
- 終点:熊本県宇土郡三角町[注釈 2](五橋入口交差点 = 国道57号交点、国道266号上)
- 重要な経過地:熊本県天草郡苓北町、同郡五和町[注釈 3]、本渡市[注釈 3]、同郡有明町[注釈 3]、同郡松島町[注釈 4]
- 総延長 : 137.6 km(長崎県 30.7 km、熊本県 106.9 km)重用延長、未供用延長(海上区間)を含む。[4][注釈 5]
- 重用延長 : 17.6 km(長崎県 - km、熊本県 17.6 km)[4][注釈 5]
- 未供用延長 : 33.7 km(長崎県 17.9 km、熊本県 15.8 km)[4][注釈 5]
- 実延長 : 86.3 km(長崎県 12.8 km、熊本県 73.5 km)[4][注釈 5]
- 指定区間:なし[5]
歴史
編集路線状況
編集長崎市の浜町アーケードは、商店街のアーケードでありながら国道324号として指定されており、日本国内で2例しかない珍しいアーケードの国道に指定されている[2]。浜町アーケード内およびその手前に掛かる銕橋は、日中の10時から翌朝5時まで歩行者専用の通行規制となることから、自動車・原動機付自転車では5時から10時までの1日5時間だけ通行できる[1]。同じくアーケード国道がある東大阪市の国道170号と異なる点は、浜町アーケードの東西入口には、国道324号の国道標識も設置されているところである[1]。該当区間の西に、中央橋を起点とし、長崎電気軌道を挟む片側2車線の市道浜町油屋町1号線が並走しており、終日通行ができない国道に代わり「本通り」として機能している。従って規制時間帯の迂回は容易である。
長崎県長崎市の茂木港から熊本県天草郡苓北町の富岡港までの有明海は海上区間である[6]。茂木港 - 富岡港間には、かつて安田産業汽船が1日4便のフェリーで[6]2013年(平成25年)10月まで就航していたが、現在この航路のフェリーは就航していない。安田産業汽船に代わり、苓北観光汽船が1日4便の高速船でこの航路を就航する。
天草郡苓北町から天草市の鬼池港までは国道389号と重複。天草下島と天草上島に挟まれた海峡に架かる天草瀬戸大橋は国道266号との重複区間で、天草上島上陸後は国道266号と分かれて北岸を周回し、島の北端にある天草松島に到達する。上島の天草市から上天草市にかけて、有料バイパスで熊本天草幹線道路の一部路線である松島有明道路が並行する。上天草市松島町合津からは国道266号と再び合流して天草五橋の起点である天門橋付近に到達する。
別名
編集- ロザリオライン[7]:天草下島を周回する道路の愛称名。
バイパス道路
編集重複区間
編集- 国道389号(熊本県天草郡苓北町富岡 - 天草市五和町鬼池・鬼池港)
- 国道266号(熊本県天草市亀場町 - 天草市志柿町(天草瀬戸大橋区間))
- 国道266号(熊本県上天草市松島町合津(あいつ)・合津交差点 - 宇城市三角町三角浦・五橋入口交差点(終点))
海上区間
編集- 長崎県長崎市・茂木港 - 熊本県天草郡苓北町・富岡港(苓北観光汽船)
有料道路
編集道路施設
編集橋梁
編集起点から
- 長崎県
- 熊本県
トンネル
編集起点から
- 熊本県
道の駅
編集- 熊本県
- 有明(天草市)
- 天草市イルカセンター(天草市)
地理
編集長崎市の浜町アーケードを過ぎると傾斜の厳しい坂道になりヘアピンカーブにも住宅が立ち並ぶ[7]。峠を越えると一転して住宅街が皆無となり、長崎自動車道との分岐点である連絡路と合流する。さらに峠を下ると長崎半島の付け根に位置する茂木港に到達する。
天草下島から天草上島にかけて、天草灘や島原湾を臨む眺望のいい道路が続く。国道266号重複区間であり、天草松島から九州本土に架かる天草五橋および天草パールラインは、九州屈指の観光道路で知られる[7]。天草下島から天草上島、前島、池島、大池島、永浦島、大矢野島を経て九州本土の宇城市に至るルートは、離島を渡る国道として国道317号に次いで国道中2番目に多くの離島を渡る[8]。
通過する自治体
編集交差する道路
編集交差する道路 | 都道府県名 | 市町村名 | 交差する場所 | ||
---|---|---|---|---|---|
国道34号 国道57号 国道202号 国道206号 国道251号 |
長崎県 | 長崎市 | 江戸町 | 江戸町交差点 / 起点 | |
長崎県道237号小ヶ倉田上線 | 田上1丁目 | 田上交差点 | |||
E34 長崎自動車道[注釈 6] E34 ながさき出島道路[注釈 6] 長崎県道51号長崎南環状線 |
田上1丁目 | 転石交差点 | |||
長崎県道34号野母崎宿線 | 茂木町 | 茂木交差点 | |||
海上区間 | |||||
国道389号 重複区間起点 | 熊本県 | 天草郡 | 苓北町 | 富岡 | |
熊本県道296号円通寺志岐線 | 志岐 | 志岐交番前交差点 | |||
熊本県道44号本渡苓北線 | 志岐 | ||||
熊本県道281号坂瀬川御領線 | 坂瀬川 | ||||
熊本県道47号本渡五和線 | 天草市 | 五和町二江 | |||
熊本県道284号坂瀬川鬼池港線 | 五和町鬼池 | ||||
国道389号 重複区間終点 | 五和町鬼池 | 鬼池港 | |||
熊本県道281号坂瀬川御領線 | 五和町御領 | ||||
熊本県道44号本渡苓北線 熊本県道308号本渡港線 |
栄町 | 港町交差点 | |||
熊本県道26号本渡牛深線 | 亀場町亀川 | 天草工高前交差点 | |||
国道266号 重複区間起点 | 亀場町亀川 | ||||
国道266号 重複区間終点 | 志柿町 | ||||
本渡道路 | 志柿町上瀬戸 | 瀬戸IC | |||
熊本県道282号河内上津浦港線 | 有明町上津浦 | ||||
松島有料道路 | 有明町上津浦 | 上津浦IC | |||
熊本県道109号大浦港線 | 有明町大浦 | ||||
熊本県道59号有明倉岳線 | 有明町大浦 | ||||
松島有料道路 | 上天草市 | 松島町今泉 | 米の山IC | ||
熊本県道290号教良木知十港線 | 松島町今泉 | 知十橋交差点 | |||
松島有料道路 | 松島町今泉 | 知十IC | |||
熊本県道34号松島馬場線 | 松島町今泉 | ||||
国道266号 重複区間起点 | 松島町合津(あいつ) | 合津交差点 | |||
松島有料道路 | 松島町合津 | 合津IC | |||
熊本県道107号満越城本線 | 大矢野町中 | ||||
熊本県道107号満越城本線 | 大矢野町中 | ||||
三角大矢野道路 | 大矢野町登立 | 登立IC | |||
国道57号 国道266号 重複区間終点 |
宇城市 | 三角町三角浦 | 五橋入口交差点 / 終点 |
沿線
編集脚注
編集脚注
編集- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ 2005年1月15日、宇土郡不知火町・宇土郡三角町・下益城郡小川町・下益城郡豊野町・下益城郡松橋町が合併して、宇城市発足。
- ^ a b c 2006年3月27日、牛深市・本渡市・天草郡天草町・天草郡有明町・天草郡五和町・天草郡河浦町・天草郡倉岳町・天草郡御所浦町・天草郡新和町・天草郡栖本町が合併して、天草市発足。
- ^ 2004年3月31日、天草郡大矢野町・天草郡姫戸町・天草郡松島町・天草郡龍ヶ岳町が合併して、上天草市発足。
- ^ a b c d e f g h 2022年3月31日現在
- ^ a b 転石交差点から長崎IC前交差点まで介して利用できる
出典
編集- ^ a b c 松波成行 2008, p. 67.
- ^ a b 佐藤健太郎 2014, pp. 30–32.
- ^ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年10月31日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月18日閲覧。
- ^ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年10月26日閲覧。
- ^ a b 松波成行 2008, p. 88.
- ^ a b c 佐藤健太郎 2014, pp. 128–130.
- ^ 佐藤健太郎 2014, p. 156、「離島を行く国道」より。重複する国道266号も同じく2番目に多い。
参考文献
編集- 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年10月20日。ISBN 978-4-06-288282-8。
- 松波成行「国道324号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、ISBN 978-4-86320-025-8。