和田義明
和田 義明(わだ よしあき、1971年〈昭和46年〉10月10日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の元衆議院議員(3期)。
和田 義明 わだ よしあき | |
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生年月日 | 1971年10月10日(53歳) |
出生地 | 日本 大阪府 |
出身校 | 早稲田大学商学部卒業 |
前職 | 三菱商事社員 |
所属政党 | 自由民主党(安倍派→無派閥) |
称号 | 学士(商学)(早稲田大学) |
親族 | 義父・町村信孝 |
公式サイト | 和田よしあき オフィシャルサイト |
選挙区 | 北海道5区 |
当選回数 | 3回 |
在任期間 | 2016年4月27日 - 2024年10月9日 |
防衛大臣補佐官、内閣府副大臣、内閣府大臣政務官、自由民主党女性局次長、同ネットメディア局次長、同「こども・若者」輝く未来創造本部幹事、同孤独・孤立対策特命委員会幹事、同遊説局長、同新型コロナ感染症対策本部事務局長、同国防副部会長などを歴任。
来歴
編集大阪府に生まれる。兵庫県神戸市の小・中学校に通った後、旭化成に勤務する父の海外勤務に伴いパリに移る[1]。パリ・インターナショナルスクールを卒業。1995年、早稲田大学商学部卒業後、三菱商事入社[1]。主に自動車事業本部に在籍、1年間ペルーに、5年間インドに駐在[2]、そのほかも合わせて計二十数カ国で仕事した[1]。特にインドでは現地企業に唯一の日本人として出向し、企業再生やインド国内の自動車販売店ネットワーク構築に汗を流した。座右の銘の『徹底した現場主義』はこの時の経験に基づく。
2010年、町村信孝衆議院議員の次女と結婚[1]。2014年、三菱商事を退職し、義父・町村の札幌事務所に入所した[2]。
2016年4月24日、町村の死去に伴い執行された北海道5区補欠選挙に自民党公認(公明党・日本のこころを大切にする党・新党大地の3党推薦)で出馬。民進党や日本共産党などが推薦する無所属の池田真紀を下し、初当選を果たす[3]。補選勝利後、4月27日に当選が告示され[4]、正式に衆議院議員に就任した。翌28日に衆議院に初めて登院した[5]。また、同日付で自民党最大派閥、義父・町村が率いた清和政策研究会(細田派)に入会した[5]。
2017年10月に実施された第48回衆議院議員総選挙では、立憲民主党から出馬した池田を破り、再選[6](池田は復活当選)。
2020年9月18日、菅義偉内閣で内閣府大臣政務官(金融に関する事務、防災、海洋政策、カジノ管理委員会に関する事務、経済財政政策、消費税価格転嫁等対策、税制調査会、公益社団法人及び公益財団法人に関する事務の担当、国土強靭化、領土問題、経済再生、全世代型社会保障改革、消費税価格転嫁等対策推進、TPPに関する総合調整、日EU・EPA及びTAGの国内対策に関する総合調整、新型インフルエンザ等対策特別措置法、新型コロナウイルス感染症対策について、それぞれ担当する大臣の補佐)に就任。
2021年10月31日、第49回衆議院議員総選挙で139,950票を獲得し、池田を比例でも落選に追い込み3選。
2022年8月12日、第2次岸田第1次改造内閣で内閣府副大臣(沖縄及び北方対策、地方創生、少子化対策、こども政策、女性活躍、孤独・孤立対策、子どもの貧困対策、市民活動の促進、構造改革特区、国家戦略特別区域、デジタル田園都市国家構想、公文書管理、規制改革、PFI推進、行政改革などを担当)に就任。
2023年10月10日、第2次岸田第2次改造内閣で防衛大臣補佐官に就任。防衛生産・技術基盤の強化を担当する[7]。
同年12月1日、朝日新聞が、自民党5派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、清和政策研究会(安倍派)が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた分の収入を裏金として議員側にキックバックする運用を組織的に続けてきた疑いがあるとスクープした[8]。安倍派は2018~2022年に毎年1回パーティーを開き、計6億5884万円の収入を政治資金収支報告書に記載している[9]。一方、収入・支出のいずれにも記載していない裏金の総額は直近5年間で1億円を超えるとされ(のちに5億円に修正[10])[8]、共同通信は「実際のパーティー収入は少なくとも8億円前後に膨らむ可能性がある」と報じた[11]。岸田文雄首相は12月12日までに、安倍派の政務三役15人のうち、閣僚4人と副大臣5人を14日に交代させ、政務官6人については辞任は自主判断とする意向を固めた[12][13]。同月14日朝、岸田が、和田と、同じく安倍派所属の首相補佐官の上野通子についても交代させる意向を固めたことが報道により明らかとなった[14]。同日、和田と上野はそれぞれ辞表を提出し受理された[15]。
同年8月19日、小林鷹之は国会内で記者会見を開き、任期満了に伴う自由民主党総裁選挙に立候補する意向を表明[16]。記者会見には和田ら24人の国会議員が同席した[注 1]。
同年9月9日、高市早苗は自民党総裁選の出馬会見を行い、裏金事件をめぐる安倍派議員の処遇について「党の処分を覆すことはない」と明言した[18]。9月12日に総裁選が告示され、9人が立候補した。裏金議員について次期衆院選で「非公認」とする可能性に一時言及した石破茂と高市の決選投票が濃厚になると、旧安倍派は一気に高市に動いた[19][20]。高市は1回目の議員投票で、報道各社の事前調査での30~40票を大きく上回る72票を獲得した[19]。党員数と合わせた得票数は1位だったが、決選投票で石破に敗れた。裏金議員85人(同年2月13日に公表)[21]の一人である和田は1回目の投票では小林鷹之に投じ、決選投票では高市に投じた[22]。
同年10月6日、石破首相は第50回衆議院議員総選挙に向けて、政治資金パーティー裏金事件で党員資格停止の処分を受けた議員などを公認しないことを決めるとともに、和田ら裏金議員43人について比例代表への重複立候補を認めない方針を示した[23][24]。10月15日、総選挙が公示され、北海道5区からは和田、立憲民主党公認の池田真紀、日本共産党公認の鈴木龍次の計3人が立候補した[25]。公明党は16日までに、出馬した計46人の裏金議員のうち、和田ら35人を推薦した[26]。10月17日から18日にかけて各紙は序盤情勢を発表。読売新聞は「池田と和田が一歩も譲らぬ展開」と報じ[27]、毎日新聞は「和田と池田の接戦。和田は自公支持層をほぼ固めた」と報じた[28]。10月23日、しんぶん赤旗は、自民党が裏金問題で非公認となった候補の所属支部にそれぞれ2000万円を支給していたことをスクープした[29][30]。同紙の報道により終盤情勢は一変した[30][31]。10月27日、総選挙執行。投票締め切りの20時[32]直後に北海道文化放送は池田の当選確実を報じ[33]、池田は2期目の当選を果たした。比例重複が認められなかった和田は議席を失った[25]。共同通信の出口調査によれば、池田に投票した60.9%が投票時に「裏金問題を考慮した」と答えた。「考慮しなかった」と答えたのは36.6%だった[34]。裏金事件に関係した候補者は18勝28敗だった[35][36]。
政策・主張
編集憲法改正
編集- 憲法を改正すべき[37]。憲法全体を見直すべき[38][39]。
- 憲法で改正すべき項目として、「緊急事態条項」と「戦争放棄と自衛隊」を挙げる[37]。
- 憲法9条を改正して、自衛隊の存在を規定すべき[38]。
安全保障・治安
編集- 集団的自衛権の容認は憲法上問題ない[38]。
- 日本の防衛力はもっと強化すべき[37]。
- 非核三原則の堅持について、どちらとも言えない[37]。
- 集団的自衛権を容認する安全保障関連法は必要[38][40]。
- 安全保障関連法の成立を「評価する」[37]。
- テロ等準備罪の成立を評価する[37]。
- 治安を守るためにプライバシーや個人の権利が制約されるのは当然だという考えに「どちらかと言えば賛成」[37]。
外交
編集経済・財政
編集- 環太平洋パートナーシップ協定 (TPP) は日本の国益にかなうとするとして評価[38][41]。
- アベノミクスについて、2016年のアンケートでは「評価する」[38][39]、2017年のアンケートでは「どちらかと言えば評価する」と回答[37]。
- 消費税を2017年4月に10%に引き上げることについて、2016年のアンケートでは「17年4月以降に延期すべき」としつつ「予定通り引き上げるべき」とした[42]。安倍政権が消費税の10%への引き上げの時期を2019年に先送りしたことについて「どちらかと言えば評価しない」と回答[37]。消費税の10%への引き上げに「賛成」とし[37]、長期的に10%よりも高くすることについても「どちらかと言えば賛成」[37]。
- 所得や資産の多い富裕層に対して課税を強化することについて、「どちらかと言えば反対」[37]。
エネルギー政策
編集- 原発の再稼働については、「電気料金が高止まりしている以上、再稼働はやむを得ない」[43]。そして、原子力規制委員会が安全と判断した場合は北海道電力の泊原発を再稼働すべきとし[38]、将来も原発を電力源の一つとして保つべきという考えに「どちらかと言えば近い」と回答[37]。
- 社会的格差が多少あっても経済競争力の向上を優先する考えに「どちらかと言えば近い」[37]。
その他
編集人物・不祥事
編集政治資金パーティー収入の裏金問題
編集2024年2月13日、自民党は、政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、党所属のすぺての国会議員らを対象に実施したアンケートの集計結果を公表した。簗の5年間の不記載額は計990万円であることが明らかとなった[21]。
同年4月4日、自民党は党紀委員会を開き、和田を戒告とするなど安倍派と二階派の議員ら計39人の処分を決定した[44][45]。
同年5月14日、衆議院政治倫理審査会は、裏金事件に関与しながら同審査会で弁明していない自民党議員44人に出席と説明を求める野党の申立てを全会一致で可決した[46]。同月17日、参議院政治倫理審査会も同様に、弁明していない議員29人に出席と説明を求める申立てを全会一致で可決した[47]。和田を含む関係議員73人は全員出席を拒否し、6月23日に通常国会は閉会した[48]。
旧統一教会との関係
編集ジャーナリストの鈴木エイトが作成した「旧統一教会関連団体と関係があった現職国会議員168人」によれば、旧統一教会関連団体との関係について、2021年の衆院選で教団関係者から選挙支援を受けており、教団関連イベントに祝電を送っていたとされる[49]。
その他
編集選挙歴
編集当落 | 選挙 | 執行日 | 年齢 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 定数 | 得票順位 /候補者数 |
政党内比例順位 /政党当選者数 |
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当 | 第47回衆議院議員補欠選挙 | 2016年4月24日 | 44 | 北海道5区 | 自由民主党 | 13万5842票 | 52.38% | 1 | / | / |
当 | 第48回衆議院議員総選挙 | 2017年10月22日 | 46 | 北海道5区 | 自由民主党 | 14万2687票 | 49.84% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第49回衆議院議員総選挙 | 2021年10月31日 | 50 | 北海道5区 | 自由民主党 | 13万9950票 | 50.60% | 1 | 1/4 | / |
落 | 第50回衆議院議員総選挙 | 2024年10月27日 | 53 | 北海道5区 | 自由民主党 | 10万893票 | 41.56% | 1 | 2/4 | / |
著書
編集- 北海道ブランド戦略 幻冬舎(2019/6/4)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d 野原寛史、三股智子 (2016年4月12日). “衆院北海道5区補選:経歴強調VS地道路線…アピール合戦”. 毎日新聞 2016年6月20日閲覧。
- ^ a b c d e “プロフィール | 和田よしあき オフィシャルサイト”. yoshiakiwada.com. 2024年10月17日閲覧。
- ^ 衆議院北海道第5区選出議員補欠選挙投・開票速報 北海道選挙管理委員会 2016年4月25日
- ^ 「国会事項 衆議院 議員当選報告書受領」(PDF)『官報』第6767号、2016年5月2日、12頁、2016年5月6日閲覧。
- ^ a b “自民・和田氏が初登院”. 時事通信. (2016年4月28日). オリジナルの2016年4月30日時点におけるアーカイブ。 2016年4月30日閲覧。
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- ^ “松野博一官房長官を更迭へ パー券還流、裏金1000万円未記載疑惑”. 毎日新聞 (2023年12月9日). 2023年12月9日閲覧。
- ^ “安倍派の裏金、5億円か 所属議員の大半に還流 派閥側の立件不可避”. 朝日新聞 (2023年12月12日). 2023年12月12日閲覧。
- ^ “安倍派、8億円前後収入か 裏金含め、記載は6億円超”. 共同通信(東京新聞) (2023年12月1日). 2023年12月9日閲覧。
- ^ “萩生田氏、辞任の見通し 安倍派一掃は見送り―岸田首相、14日にも人事・裏金疑惑”. 時事ドットコム (2023年12月12日). 2023年12月13日閲覧。
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- ^ “【速報中】政治資金問題で閣僚交代へ 安倍派「5人衆」辞任へ”. NHK NEWS WEB (2023年12月14日). 2023年12月14日閲覧。
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- ^ “自民総裁選出馬表明の小林氏、同席24人は福田達夫、大塚拓、吉田真次、塩崎彰久ら各氏…”. 産経新聞 (2024年8月19日). 2024年10月22日閲覧。
- ^ 佐藤裕介 (2024年9月9日). “<詳報>高市早苗氏は出馬会見で何を語った? 改憲、靖国参拝、消費税、選択的夫婦別姓… 自民党総裁選”. 東京新聞. 2024年10月11日閲覧。
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- ^ 今西憲之 (2024年10月3日). “裏金で離党した世耕元参院幹事長が総裁選の裏で暗躍 総選挙も「勝算あり」と二階氏三男と泥沼争いか”. AERA dot.. 2024年10月9日閲覧。
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- ^ “決選投票は高市氏4人、石破氏3人 自民総裁選、道内議員はどう動いた”. 北海道新聞 (2024年9月27日). 2024年10月1日閲覧。
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- ^ “自民衆院選大敗、両院議員懇談会で「2000万円問題」など批判…一方で即時の辞任要求はほとんどなし”. 読売新聞 (2024年11月8日). 2024年11月11日閲覧。
- ^ “<衆院選・詳報>全議席確定 大敗の自民191議席、立民は148議席 国民、れいわは大幅議席増”. 東京新聞 (2024年10月28日). 2024年11月11日閲覧。
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- ^ “4.24衆院5区補選:北電泊原発 再稼働への思い複雑 経費削減限界「でも…」”. 毎日新聞北海道版. (2016年4月15日) 2017年10月14日閲覧。
- ^ “【処分一覧】自民党 39人処分決定 塩谷氏 世耕氏 離党勧告”. NHK (2024年4月4日). 2024年10月3日閲覧。
- ^ “自民裏金で処分の大塚氏反発「強く憤り覚える」 埼玉では柴山氏ら3議員も対象”. 東京新聞. (2024年4月5日) 2024年4月14日閲覧。
- ^ 鈴木春香 (2024年5月20日). “衆院政倫審での弁明、裏金議員44人全員が拒否 全会一致の議決でも”. 朝日新聞. 2024年9月30日閲覧。
- ^ “参院政倫審 政治資金問題 関係議員29人に出席と説明求める決定”. NHK (2024年5月17日). 2024年9月30日閲覧。
- ^ 鈴木春香、小木雄太、森岡航平 (2024年6月24日). “裏金議員73人、政倫審に応ぜず閉会 「レッテル貼られるだけ」”. 朝日新聞. 2024年9月30日閲覧。
- ^ 鈴木エイト『自民党の統一教会汚染-追跡3000日』小学館、2022年。ISBN 978-4093801232 p307~318
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- 和田よしあき (@ywada_hokkaido5) - X(旧Twitter)
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公職 | ||
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先代 (なし) |
防衛大臣補佐官 2023年 |
次代 高見康裕 |
先代 小林史明 大野敬太郎 黄川田仁志 赤池誠章 池田佳隆 山本博司 細田健一 石井正弘 渡辺猛之 務台俊介 鬼木誠 |
内閣府副大臣 大串正樹 藤丸敏 星野剛士 伊佐進一 中谷真一 太田房江 石井浩郎 小林茂樹 井野俊郎と共同 2022年 - 2023年 |
次代 石川昭政 井林辰憲 工藤彰三 堀井学 岩田和親 酒井庸行 堂故茂 滝沢求 宮澤博行 |
先代 神田憲次 今井絵理子 藤原崇 進藤金日子 青山周平 中野洋昌 和田政宗 加藤鮎子 渡辺孝一 |
内閣府大臣政務官 岡下昌平 宗清皇一 鳩山二郎 神谷昇 松川るい 吉川赳 三谷英弘 佐藤啓と共同 2020年 - 2021年 |
次代 山田太郎 木村哲也 小寺裕雄 島村大 吉川有美 穂坂泰 大西宏幸 宗清皇一 泉田裕彦 高橋はるみ 岩田和親 |