古文真宝』(こぶんしんぽう)は、代から代までの古詩や文辞を収めた書物。宋末か初の時期に成立したとされる[1]。黄堅の編と言われるが、編者の人となりや具体的な成立の経緯は伝わっていない[1]。前集10巻に、後集10巻に文章を収録する。各時代の様々な文体の古詩や名文を収めており、簡便に学習することができたため、初学者必読の書とされてきた。

日本での受容

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日本には室町時代のはじめごろに伝来し、五山文学で著名な学僧たちの間に広まり、木版で刊行された(五山版[1]江戸時代には数多くの刊本が出されて広く読まれ、注釈書も多く著された[1]井原西鶴松尾芭蕉も『古文真宝』に言及しており、簡便な教養書として広く読まれていたことが窺える。江戸時代中期以降(荻生徂徠らに批判され)、詩は『唐詩選』、文章では『文章軌範』が用いられるようになるが、『古文真宝』もなお明治時代に至るまで刊行され続け、廃れることはなかった[2]

校訂本

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  • 『古文真宝(前集)上・下 新釈漢文大系 9・10』 星川清孝注解、明治書院、初版1967
  • 『古文真宝(後集) 新釈漢文大系16』 星川清孝注解、明治書院、初版1963
以下は新書判での抜粋
  • 新書漢文大系16 古文真宝〈前集〉』明治書院、2003。白石真子編(古詩、楽府、唐宋詩の名品)
  • 『新書漢文大系8 古文真宝』明治書院、1996、新版2002。柚木利博編(文・辞賦の名品)

脚注

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  1. ^ a b c d 星川清孝『新釈漢文大系第9巻 古文真宝(前集)上』明治書院、1967年1月、1-4頁。 
  2. ^ 林望『リンボウ先生の書物探偵帖』p263-283(2000年、講談社文庫、『書誌学の回廊』を改題)。

外部リンク

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