北濃駅

岐阜県郡上市白鳥町歩岐島にある長良川鉄道の駅

北濃駅(ほくのうえき)は、岐阜県郡上市白鳥町歩岐島(ほきじま)にある[1]長良川鉄道越美南線[2][3]、同線の終着駅である[4][5][6]駅番号37

北濃駅
駅舎(2012年8月)
ほくのう
Hokunō
36 白山長滝 (1.2 km)
地図
所在地 岐阜県郡上市白鳥町歩岐島
北緯35度55分48.86秒 東経136度49分47.23秒 / 北緯35.9302389度 東経136.8297861度 / 35.9302389; 136.8297861座標: 北緯35度55分48.86秒 東経136度49分47.23秒 / 北緯35.9302389度 東経136.8297861度 / 35.9302389; 136.8297861
駅番号 37
所属事業者 長良川鉄道
所属路線 越美南線
キロ程 72.1 km(美濃太田起点)
電報略号 クノ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線(乗降は1線のみ)
乗車人員
-統計年度-
12人/日(降車客含まず)
-2015年-
開業年月日 1934年昭和9年)8月16日[1]
備考 無人駅
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美濃太田駅から延び、福井県越美北線と結ばれる予定で建設された越美南線は、構内北側に車止めが設置されており[1]線路が途切れている。

歴史

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越美南線開通時の駅構内(1934年8月)

駅構造

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ホーム(2009年9月)

島式ホーム1面2線を有する地上駅[1]。2線のうち駅舎側では無い方の1線が使用されている[1]木造駅舎を備える。

無人駅[4]2019年9月に「終着北濃駅」(飲食店[12])が開店した。

以前は越美南線の終着駅として蒸気機関車給水等の設備や貨物列車引込線もあり、駅員も配置されていた[1]

夜間滞泊は行われておらず、この駅に到着した最終列車(土・休日ダイヤの場合はその1本前)は美濃白鳥駅まで回送される。


転車台

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転車台

駅構内北側には蒸気機関車の向きを変える転車台が残っており[1][4]、これは蒸気機関車が現役だった1960年代終わり頃まで使用されており[13]、長良川鉄道発足後も使用された時期がある[14][15]。この転車台は1902年アメリカン・ブリッジで製造されたもので[16][17]、当初岐阜駅に設置され[16]、越美南線が当駅まで延伸開業した1934年にここに移設された[17]。直径15.4mの円形をしており、機関車の載った橋桁を2人で押して回転させる手動式である[17]大井川鐵道千頭駅にある転車台(1897年イギリス製)に次ぐ日本国内では2番目に古いものとなっている[16]2002年に地元住民で保存会が結成され、2004年には展示・保存を開始した[17]2005年7月12日には国の登録有形文化財に登録された[17][18]。なお陸運局の書類上は現役設備である。

利用状況

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年度 乗車人員 降車人員 貨物発送トン 貨物到着トン
1934 19,469 19,940 9,166 670
1935 20,434 21,755 14,704 2,900
1955 106,657 80,849 14,945 8,360
1956 129,214 88,986 18,020 12,293
1957 149,100 98,875 12,919 81,726
1958 160,585 94,148 12,400 69,478
1959 116,572 73,216 13,280 87,324
1960 53,550 29,788 5,524 45,880
1961 70,544 51,429 902 2,782
1962 86,482 69,011 4,755 33,160
1963 79,924 59,207 4,044 63,754
年度 1日平均乗車人員
2011年(平成23年) 24
2012年(平成24年) 19
2013年(平成25年) 12
2014年(平成26年) 21
2015年(平成27年) 12

駅周辺

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当地付近はかつて郡上郡北濃村(→郡上郡白鳥町郡上市白鳥町)の中心地であった。駅名はかつての村名と美濃国の北端に由来している[19]

バス路線

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バスのりば

郡上市自主運行バス(白鳥交通)が美濃白鳥駅ひるがの高原石徹白いとしろ方面に運行している。

福井県との県境に近く、美濃白鳥駅同様、路線バスを乗り継いで西日本旅客鉄道(JR西日本)越美北線(九頭竜線)九頭竜湖駅まで向かうことが可能である(但し、途中に8km程度の徒歩区間を含む)[20]

2021年には、「越美北線と乗り合いバスに乗る運動を進める会」(福井市大野市等で構成)が当駅から九頭竜湖駅までをバスで辿る企画ツアーを実施した[3]

その他

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隣の駅

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長良川鉄道
越美南線
  • 観光列車「ながら」発着駅
白山長滝駅(36) - 北濃駅(37)

脚注

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h 澤井 2016, p. 145.
  2. ^ 清流導く 秋の奥美濃<長良川鉄道>」『読売新聞オンライン読売新聞社、2020年10月10日。2022年1月20日閲覧
  3. ^ a b 山内道朗「幻の「越美線」 バスでたどる 岐阜「北濃駅」−大野「九頭竜湖駅」」『日刊県民福井Web』2021年8月4日。2022年8月16日閲覧
  4. ^ a b c マツコも食いついた!日本有数の終着駅「北濃駅」の魅力」『Smart FLASH』光文社、2018年6月17日。2022年1月20日閲覧
  5. ^ 長良川鉄道、国鉄色の新車導入 制服復刻へクラファン」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2021年9月30日。2022年1月20日閲覧
  6. ^ a b 鮫島敬三「南北はつながらず 越前と美濃を結ぶ幻の国鉄「越美線」」『産経ニュース』産経新聞社、2022年5月27日。2022年8月16日閲覧
  7. ^ 『全国乗合自動車総覧』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 「鉄道省告示第378号」『官報』1934年8月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ a b 「トワイライトゾーン」『レイルマガジン』No.372、ネコ・パブリッシング。 [要ページ番号]
  10. ^ a b 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』 26号 長良川鉄道・明知鉄道・樽見鉄道・三岐鉄道・伊勢鉄道、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年9月18日、11頁。 
  11. ^ 澤井 2016, p. 128.
  12. ^ 終着北濃駅」『TABITABI郡上』郡上市観光連盟。2025年4月14日閲覧
  13. ^ 徳田耕一『週刊鉄道絶景の旅』第38号、集英社、2010年3月11日、20頁、ASIN B00B866ZWW 
  14. ^ 松尾定行 著、宮脇俊三、原田勝正 編『全線全駅鉄道の旅 6 中央・上信越JR私鉄2200キロ』小学館、1991年、201頁。ISBN 978-4093953061。「ここまでやって来るレールバスの殆どが、この転車台で方向転換を行う。車輪やレールの片寄った摩耗を防ぐための措置と言う」 
  15. ^ 転車台」『TABITABI郡上』郡上市観光連盟。2025年4月14日閲覧画像1枚目
  16. ^ a b c 岩間昌子『ローカル鉄道の解剖図鑑』エクスナレッジ、2016年10月22日、120頁。ISBN 978-4-7678-2217-4 
  17. ^ a b c d e 佐藤正樹「日本最古級の転車台を回転体験…長良川鉄道のスペシャルツアー 6月から」『Response.』イード、2017年6月4日。2022年1月20日閲覧
  18. ^ 旧国鉄越美南線北濃駅機関車転車台 - 文化遺産オンライン文化庁
  19. ^ 澤井 2016, p. 146.
  20. ^ オオゼキタク「スリル満点!バスで結ぶショートカット鉄旅」『東洋経済オンライン』東洋経済新報社、2016年1月10日。2022年8月16日閲覧
  21. ^ 田舎に泊まろう バックナンバー(2009年8月9日)」テレビ東京。2022年6月6日閲覧

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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