アントワークス
株式会社アントワークスは、すた丼・唐揚げ・定食などを販売する「伝説のすた丼屋」などの飲食店をチェーン展開する企業。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4丁目21番7号 |
設立 |
1989年(平成元年)3月 1971年(昭和46年)創業 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 3011201014396 |
事業内容 | 食材等の販売飲食事業を中心とするグループ会社の経営管理 |
代表者 |
早川秀人(代表取締役会長) 早川淳(代表取締役社長) |
資本金 | 4,500万円 |
従業員数 |
連結:社員202人、パート・アルバイト1411人 (2021年3月31日現在) |
外部リンク | https://antoworks.com/ |
概要
編集元ボクサーの橋本省三は1971年に東京都国立市「サッポロラーメン 国立店」を開業した[1][2]。面倒見の良い人柄もあって、従業員向けに「腹いっぱい食べてほしい」と橋本が考案した賄い丼がすた丼の原型である[1][2][3]。この賄い丼は常連客の間でも噂になり、賄い丼目当ての客が店を占拠するようになって、いつしかメインの商品になった[1][2]。国立には一橋大学、東京都立国立高等学校、東京都立第五商業高等学校、国立音楽大学附属中学校・高等学校などがある学生街で、食べ盛りの男子学生に安くて美味くて腹一杯になるすた丼は支持されたものと考えられる[1][3]。
従業員からも慕われていた橋本は1987年に50歳で逝去。当時営業していた3店舗は、それぞれの店長に経営が委ねられた。1人が「サッポロラーメン 国立店」を継ぎ、残りの2店(国立東店と国分寺店)の店長が共同して1989年3月に生まれたのがアントワークスである[1]。従って、アントワークスと「サッポロラーメン 国立店」の間に、現時点で直接のつながりはない[1]。
2000年9月には常連客からの熱い要望により「すた丼」を主力商品とした「名物すた丼の店」を八王子に開店する。このとき、料理名がカタカナ表記の「スタ丼」からひらがな表記の「すた丼」になった。2001年5月に「株式会社アントワークス」に組織変更。「名物すた丼の店」は2004年に「伝説のすた丼屋」に屋号改め、東京23区内に初出店[4]。2006年には品達に出店するが、丼モノを提供する「品達どんぶり五人衆」全体の売上の半分以上をすた丼が占めた[4]。品達での成功を受けて、店舗展開を加速させた[4]。
早川秀人
編集1983年、サッポロラーメン 国立店でアルバイトをしていた友人から、アルバイトのシフトが入っていなくても店にくれば賄い丼(スタ丼)が食えるという誘いを受け、スタ丼好きでもあった早川秀人はアルバイトとしてサッポロラーメン 国立店で働くことになる。その後、社員となり店長を任されるようになった。2006年には早川はアントワークスの社長に就任する。それまで「伝説のすた丼屋」は国立市を中心に10店舗ほどを展開するだけであったが、早川は全国に出店攻勢を開始し、2016年時点ではアメリカ2店舗を加えた75店舗の一大チェーン店を築き上げ「外食産業の風雲児」と呼ばれるようになる[5]。
早川淳
編集ココス、ふらんす亭、おたる寿司などで要職を務めた早川淳は、2008年12月に営業部長としてアントワークスに入社する。当時の社長である早川秀人が打ち出した経営目標「全国制覇100店舗」を達成する組織づくりのためであった。早川淳は従業員の「評価基準」の制定を最優先事項とした。当時の評価基準はあいまいであり、評価がもとになって退職する人が多かった。5項目5段階の「評価基準」を定め、3か月に1度、評価する体制を作り上げた。それと共に、評価面談を自ら実施し、昇進時には、「昇進の理由」を全社員に話すことを実施した[6]。
また、それまでは学生などをターゲットにして大学などの近くに出店していた。これは商品(すた丼)の特性を理解した間違いない戦略ではあるが、100店舗展開を考慮した場合には不十分なものになる。早川淳は出店計画を洗い直し、立地調査を重点的に行った。その結果、フードコートなどへの出店が進むと共に、すた丼のターゲット層を広げることにもなった[6]。
沿革
編集- 1971年 橋本省三が東京都国立市において「サッポロラーメン」を開店。
- 1989年3月 有限会社アントワークスを設立。
- 2000年9月 すた丼を主力商品とした「名物すた丼の店」開店。
- 2001年5月 株式会社アントワークスに組織変更。
- 2004年4月 屋号を「伝説のすた丼屋」に改め東京都23区初出店。
- 2011年2月 社団法人日本フードサービス協会に加盟。
- 2014年3月 農林水産省主催「第22回優良外食産業表彰」「伝説のすた丼屋」商品開発部門農林水産大臣賞受賞
- 2014年12月 新業態「アメリカンステーキハウス デンバープレミアム」(ステーキ)を東京都新宿区高田馬場にオープンする[7]。
- 2017年4月 新業態「㐂久好(きくよし)」(十勝豚丼)を東京都昭島市モリタウンにオープンする[8]。
- 2019年5月 新業態「焼肉 まる秀」(焼肉)を東京都国分寺市にオープンする[9]。
評価
編集外食産業というとブラック企業と呼ばれたり悪評がつきものであるが、外食産業に詳しいアナリストに依れば、他の外食産業の会社に比べて、アントワークスは悪評が聞こえてこないのも特徴と言える[5]。
外食産業で上場している企業の社員平均年収は約480万円であるが、アントワークスは2016年時点では非上場にもかかわらず、平均並みの約470万円となっている。業界平均は400万円以下であるので、「社員に優しい企業」ともいえる[5]。
出典
編集- ^ a b c d e f 長浜淳之介 (2018年7月17日). “急成長する「伝説のすた丼屋」 模倣を難しくしている独自の調理法と秘伝のタレ”. ITmedia. 2022年3月11日閲覧。
- ^ a b c “暴走族も静かになる? 「伝説のすた丼屋」に本当にあった“伝説””. AERA dot. (2016年10月1日). 2022年3月11日閲覧。
- ^ a b “二代目「すた丼」店主、全国制覇をめざす! アントワークス株式会社 代表取締役 早川秀人氏”. フードリンクニュース (2007年8月10日). 2022年3月11日閲覧。
- ^ a b c “多摩エリアのローカルめしだった「すた丼」は、なぜ世界のSTADONになりえたのか【スピリット継承】”. HOTPEPPER (2019年4月12日). 2022年3月12日閲覧。
- ^ a b c “「伝説のすた丼屋」社長、上場を公言 年内との予測も”. デイリー新潮 (2016年7月25日). 2022年3月11日閲覧。
- ^ a b “第830回 株式会社アントワークス 代表取締役社長 早川 淳氏”. いんしょくハイパー (2020年3月30日). 2022年3月12日閲覧。
- ^ ““本格高級ステーキ”をリーズナブルに--「アメリカンステーキハウス デンバープレミアム」、高田馬場にオープン!” (2014年12月11日). 2022年3月12日閲覧。
- ^ 『十勝豚丼専門店『き久好』が3店舗連続OPEN! 五感で味わう、北海道帯広で愛され続ける“本場の味”が 3月16日(金)宮崎県・神奈川県、28日(水)武蔵村山へ』(プレスリリース)2018年3月7日 。2022年3月12日閲覧。
- ^ 『“旨い肉と米を大衆価格で“「伝説のすた丼屋」の新業態「焼肉 まる秀」5/24(金) 国分寺にオープン!』(プレスリリース)2019年5月17日 。2022年3月12日閲覧。