井上究一郎
井上 究一郎(いのうえ きゅういちろう、1909年9月14日 - 1999年1月23日)は、日本のフランス文学者、翻訳家、エッセイスト。東京大学名誉教授。本名・九一郎。マルセル・プルースト研究の第一人者であり[1]、『失われた時を求めて』の個人全訳で知られる。
井上究一郎 | |
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誕生 |
1909年9月14日 大阪府 |
死没 | 1999年1月23日 |
職業 | フランス文学者、翻訳家、エッセイスト |
国籍 | 日本 |
代表作 | 『失われた時を求めて』翻訳 |
ウィキポータル 文学 |
人物・家族
編集大阪府出身。東京帝国大学フランス文学科卒業。1949年、東京大学教養学部助教授。1953年、フランス渡航中の森有正が辞表を出したため、その代わりとして文学部仏文科助教授、61年教授。70年定年退官後は武蔵大学教授。
1999年1月23日に心肺不全のため、89歳で死去した[1]。
娘の金沢公子もフランス文学者[1]で、その子(井上の孫)金沢英之は、国文学者である。
主な著書
編集- 『マルセル・プルーストの作品の構造』河出書房新社(1963年)
- 『忘れられたページ』筑摩書房(1971年)
- 『ガリマールの家』筑摩書房(1980年)、ちくま文庫(2003年)
- 『幾夜寝覚』新潮社(1990年)
- 『三好達治の「ヴェルレーヌ」』森開社(1990年)
- 『かくも長い時にわたって』筑摩書房(1991年)
- 『アルチュール・ランボーの『美しき存在』』筑摩書房(1992年)
- 『水無瀬川』筑摩書房(1994年)
- 『詩集 水の上の落葉』小沢書店(2000年)
著作集
編集- 『井上究一郎文集〈1〉フランス文学篇』
『―〈2〉プルースト篇』筑摩書房(1999年)
主な訳書
編集- 『心の間歇』マルセル・プルースト(弘文堂、1940年)、抜粋の編訳書
- 『セヴィニェ夫人手紙抄』岩波文庫、1943年、復刊1987年
- 『ロンサール詩集』岩波文庫、1951年、度々復刊
- 『プルーストを求めて』アンドレ・モーロワ(平井啓之共訳、新潮社、1952年) のち新潮文庫、筑摩叢書で再刊
- 『告白録』ジャン・ジャック・ルソー(新潮文庫 全3巻、1958年) 他に河出書房「世界文学全集」
- 『フランス名詩選』(共訳)(学生社、1966年)
- 『プルースト 失われた時を求めて』(中村真一郎・生島遼一・伊吹武彦ほか共訳)、新潮社 新版全7巻(1974年)
- 『孤島』ジャン・グルニエ(竹内書店、1968年、改訂1979年/筑摩叢書、1991年/ちくま学芸文庫、2019年)
- 『失われた時を求めて』(筑摩書房「プルースト全集 1~10」、改訳 ちくま文庫 全10巻)
- 『シテールへの旅 訳詩集』(小沢書店、1999年)。『フランス名詩集』(ちくま文庫、2006年)