三浦佑之
三浦 佑之(みうら すけゆき、1946年〈昭和21年〉8月21日 - )は、日本の日本文学者。専門は、古代文学・伝承文学。千葉大学名誉教授。
人物
編集三重県美杉村(現津市)出身[1]。三重県立津高等学校卒業、成城大学文芸学部卒業。同大学院博士後期課程単位取得退学。
共立女子短期大学、千葉大学教授を経て、立正大学文学部文学科(日本語日本文学専攻コース)教授。2013年4月より同大大学院文学研究科長。2017年3月に同大を定年退職。
もともとは近代文学を専攻しようと思っていたが、成城大学在学中、万葉学者中西進のヤマトタケルの講義を聞いて感銘を受け、中西進に師事し古代文学を専攻した。吉本隆明『共同幻想論』の影響もあり『古事記』や『遠野物語』の民俗学的研究にも関心をもつ[2]。2002年に出版した『口語訳 古事記』がベストセラーになった。上代文学(民俗学関係も扱う)関連で多くの著作がある。出雲神話や出雲王朝について数々の書籍で言及している。また、福岡県の志賀島で出土したとされるいわゆる「金印」は江戸時代に制作された偽造印であるとの立場をとっている。
受賞歴
編集著作
編集単著
編集- 『村落伝承論』五柳書院、1987年 / 増補版『村落伝承論 『遠野物語』から』青土社、2014年
- 『浦島太郎の文学史-恋愛小説の発生』五柳書院、1989年
- 『古代叙事伝承の研究』勉誠社、1992年
- 『昔話にみる悪と欲望』新曜社、1992年 / 増補版『昔話にみる悪と欲望 継子・少年英雄・隣のじい』青土社、2015年
- 『万葉びとの「家族」誌』講談社選書メチエ、1996年 / 『平城京の家族たち ゆらぐ親子の絆』角川ソフィア文庫、2010年
- 『神話と歴史叙述』若草書房、1998年 / 改訂版 講談社学術文庫、2020年
- 『口語訳 古事記 完全版』文藝春秋、2002年 / 文春文庫〈神代篇〉〈人代篇〉、各・2006年
- 『古事記講義』文藝春秋、2003年 / 文春文庫、2007年
- 『日本古代文学入門』幻冬舎、2006年 / 増補版 角川ソフィア文庫、2021年9月
- 『金印偽造事件 「漢委奴國王」のまぼろし』幻冬舎新書、2006年
- 『古事記のひみつ 歴史書の成立』吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉、2007年
- 『古事記を旅する』文藝春秋、2007年 / 文春文庫、2011年
- 『日本霊異記の世界 説話の森を歩く』角川選書、2010年 / 角川ソフィア文庫、2024年8月
- 『古事記を読みなおす』筑摩書房〈ちくま新書〉、2010年
- 『あらすじで読み解く古事記神話』文藝春秋、2012年 / 『古事記神話入門』文春文庫、2019年
- 『古代研究 列島の神話・文化・言語』青土社、2012年
- 『古事記 NHK「100分de名著」ブックス』NHK出版、2014年
- 『風土記の世界』岩波新書、2016年
- 『古事記・再発見。神話に隠された神々の痕跡』KADOKAWA、2016年 / 『古事記の神々』角川ソフィア文庫、2020年8月
- 『古事記学者[コジオタ]ノート』青土社、2017年
- 『出雲神話論』講談社、2019年
- 『読み解き古事記 神話篇』朝日新書、2020年
- 『「海の民」の日本神話』新潮選書、2021年9月
- 『風土記博物誌 神、くらし、自然』岩波書店、2022年10月
- 『口語訳 日本霊異記』KADOKAWA、2024年11月
テキスト
編集- NHKラジオ2『カルチャーラジオ文学の世界 古事記への招待』NHK出版、2010年1月
- NHKテレビ『100分de名著 古事記 歴史は一つではない』NHK出版、2013年9月
- NHKラジオ2『こころをよむ『古事記』神話から読む古代人の心』NHK出版、2023年1月
編著
編集共著
編集- 赤坂憲雄と 『遠野物語へようこそ』(ちくまプリマー新書、2010年1月)
- 茨木啓子と 『子どもに語る日本の神話』(こぐま社、2013年10月)
- 赤坂憲雄と 『列島語り』(青土社、2017年5月)
- 手塚治虫と 『手塚治虫の歴史教室』(いそっぷ社、2024年1月)
共編
編集脚注
編集- ^ 第19回市長対談広報津(2015年2月15日)2020年2月17日閲覧
- ^ 伝承の世界を見通すと『古事記』の物語が楽しくみえてくる
外部リンク
編集- 神話と昔話-三浦佑之宣伝板- (三浦佑之の運営するウェブ・サイト)
- 三浦佑之WebSite 風つぶて (三浦佑之の運営するウェブ・サイト)