ワライカモメ(笑鴎、学名:Leucophaeus atricilla)は、チドリ目カモメ科に分類される鳥類の一種。英名のLaughing Gullは、鳴き声が人間の笑い声に似ていることからついた。和名は英名をそのまま訳したもの。

ワライカモメ
ワライカモメ(夏羽)

保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: チドリ目 Charadriiformes
: カモメ科 Laridae
: ワライカモメ属 Leucophaeus
: ワライカモメ L. atricilla
学名
Leucophaeus atricilla
Linnaeus, 1758
和名
ワライカモメ
英名
Laughing Gull

分布

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アメリカ東海岸からカリブ海周辺、ベネズエラまでにおいて繁殖する。冬期はブラジルや南アメリカの太平洋側(チリ付近まで)に渡り越冬する。

日本では迷鳥として、2000年火山列島硫黄島愛知県で記録されているほか、2010年5月に青森県で記録がある[1]

形態

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全長約40cm。夏羽は頭部が黒く、背中や翼上面は濃青灰色で体の下面と尾は白色である。嘴と足は赤色。冬羽では頭部は白く、目の周囲から後頭部にかけて黒斑が散らばっている。嘴と足はやや黒ずんでいる。雌雄同色である。

分類

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本種は以前はカモメ属(Larus)に分類されていたが、2005年の分子系統研究により、従来のカモメ属が単系統群ではないことが指摘され[2]、新たにワライカモメ属(Leucophaeus)に分類されることになった。[3][4]

類似種と識別点

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ユリカモメと似ているが、本種の方が嘴や足、頸が長い。また、翼の上面の色が濃いことで識別できる。

脚注

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  1. ^ 吉岡俊朗「青森県におけるワライカモメの観察記録」『Strix』27巻、日本野鳥の会、2011年、155-158頁
  2. ^ Pons, J.-M.; Hassanin, A.; Crochet, P.-A. (2005). “Phylogenetic relationships within the Laridae (Charadriiformes: Aves) inferred from mitochondrial markers”. Molecular Phylogenetics and Evolution 37 (3): 686-699. doi:10.1016/j.ympev.2005.05.011. 
  3. ^ Gill F, D Donsker & P Rasmussen (Eds). 2024. IOC World Bird List (v14.2). doi : 10.14344/IOC.ML.14.1.
  4. ^ Clements, J. F., P. C. Rasmussen, T. S. Schulenberg, M. J. Iliff, T. A. Fredericks, J. A. Gerbracht, D. Lepage, A. Spencer, S. M. Billerman, B. L. Sullivan, M. Smith, and C. L. Wood. 2024. The eBird/Clements checklist of Birds of the World: v2024. Downloaded from https://www.birds.cornell.edu/clementschecklist/download/

参考文献

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  • 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年

関連項目

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