ロボク蘆木学名Calamitesカラミテス)は、石炭紀に栄え、石炭とともに見出される化石としてのみ知られる木本様植物(属)である。現生のトクサ類に近縁で、高さ約80センチメートルぐらいの木であった[1]リンボクなどとともに沼沢地に群生していたと考えられる。現生の蘆(アシ)のような形をしていたため蘆木(ロボク)と呼ばれている[1]

ロボク属 Calamites
ロボクの化石
分類
: 植物界 Plantae
: シダ植物門 Pteridophyta
: トクサ綱 Equisetopsida
: トクサ目 Equisetales
: ロボク科 Calamitaceae
: ロボク属 Calamites
学名
Calamites
和名
ロボク属

特徴

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幹にはタケのような「節」があり、そこにと25本ほどの細長いが輪生し、茎の先端の胞子穂に胞子を作って繁殖した。幹には二次木部を形成したが、幹や茎は現生トクサ類と同じく中空で、二次篩部はなかった。幹が折れたり破れたりすると樹脂で埋められることがあり、これは化石にもよく見られる。またこの時代の樹木としての唯一の特徴として、胞子による有性生殖だけでなく、地下茎を横に伸ばし、これによって無性生殖することもできた。

ペルム紀後期に絶滅したが、その頃現生のトクサ科に含まれる種が発生した。現生トクサ類でも数メートルになるものもあるが、木ではなく草本に分類される。

脚注

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  1. ^ a b 土屋健(Japanese)『石炭紀・ペルム紀の生物』群馬県立自然誌博物館(監修)(初版)、技術出版社、東京都、2014年8月25日、59頁。ISBN 978-4-7741-65882