ルリカケス
ルリカケス(瑠璃橿鳥[1]、Garrulus lidthi)は、スズメ目カラス科カケス属に分類される鳥類。
ルリカケス | ||||||||||||||||||||||||||||||
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ルリカケス Garrulus lidthi
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保全状況評価[a 1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
VULNERABLE (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Garrulus lidthi Bonaparte, 1850 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ルリカケス | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Amami jay Lidth's jay |
分布
編集形態
編集全長38センチメートル、体重170-196グラム[1][2][3][5][6][a 2]。翼長15-18センチメートル[a 2]。頭部から頸部にかけての羽衣が紫がかった濃青色(瑠璃色)で[2][3][5][6][a 2]、和名の由来になっている[1]。額や喉の羽衣は黒く、喉に白い斑点が入る[6]。背と胸部から腹部にかけての羽衣は赤褐色[2][3][4][5][6][a 2]。尾羽や翼は濃青色で[2][3][5]、尾羽先端や風切羽先端は白い[6]。また尾羽に黒く細い横縞が入る[6][a 2]。
幼鳥は羽衣が褐色がかり、尾羽や翼の白色部がない[6]。
生態
編集主にスダジイやイスノキなどからなる常緑広葉樹林に生息するが[5][a 2]、農耕地にも生息する[2][3][4][6]。非繁殖期には数羽から30羽の小規模な群れを形成し生活する[4]。
食性は雑食で、昆虫、クモ、爬虫類や両生類、鳥類の卵、果実、種子などを食べる[5][a 2]。地表でも樹上でも採食を行う[5][a 2]。種子の貯蔵を行い、それらの散布にも役立っているとされる。
繁殖形態は卵生。繁殖期にはペアで生活する。主に樹洞や幹の隙間、着生植物の茂中などに木の枝を用いた台座と、細い草や小枝などを組み合わせたお椀状の産座からなる巣を作る。岩の隙間、天井裏、巣箱にも営巣する[3][4]。2-5月に一腹に3-7個の卵を産む[4]。抱卵期間は約18日、巣立ちまでに25日前後[7]。
人間との関係
編集種小名lidthiはTheodoor Gerard van Lidth de Jeudeへの献名[1]。
鹿児島県奄美大島の方言でヒューシャやヒョウシャと呼ばれる[8]。1965年(昭和40年)に鹿児島県の県鳥に指定されている。
過去には羽毛目的や標本目的の乱獲、現在は開発による生息地の破壊、人為的に移入されたノネコやフイリマングースによる捕食などにより生息数は減少している[2][3][a 2]。
1921年に種として国の天然記念物に指定されている[3]。本種の主な生息域である湯湾岳は国の天然記念物「神谷・湯湾岳(天然保護区域)」及び国指定湯湾岳鳥獣保護区に指定されている。
しかしながら、2008年(平成20年)現在ルリカケスは上記の減少の要因に対する対策がとられ、自然林の回復やマングースの減少に伴い個体数が増加し、繁殖個体数は少なくとも1000個体と推定されている[9]。2006年改訂のレッドリストでは絶滅危惧種から外されており、2008年には希少野生動植物種の指定も解除された。個体数回復による希少種の指定解除は、種の保存法が施行された1993年以来、初めての事例となる[10][11]。
- 鹿児島県レッドデータブック - 絶滅危惧II類
脚注
編集- ^ a b c d e f 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、342頁。
- ^ a b c d e f g 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、102-103、196頁。
- ^ a b c d e f g h i 加藤陸奥雄、沼田眞、渡辺景隆、畑正憲監修 『日本の天然記念物』、講談社、1995年、679頁。
- ^ a b c d e f 環境庁 『日本産鳥類の繁殖分布』、大蔵省印刷局、1981年。
- ^ a b c d e f g h 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥類III』、平凡社、1986年、162頁。
- ^ a b c d e f g h i j 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、608頁。
- ^ K. Ishida, K. Murata, I. Nishiumi, Y. Takahashi, M. Takashi. 2015. Endemic Amami Jay, invasive Small Indian Mongoose, and other alien organisms: a new century investigation of island aliens towards improved ecosystem management. J. Ornithology. 156s: 209 - 216.
- ^ 高美喜男 「ルリカケス」 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物 -鹿児島県レッドデータブック動物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年、65頁、ISBN 4-9901588-0-6。
- ^ 環境省報道発表平成20年7月18日の別添1 (pdf)
- ^ “ルリカケスの希少指定外す/生息数回復、初の解除”. 四国新聞. (2008年7月11日) 2019年3月22日閲覧。
- ^ “オオタカ、絶滅の恐れがある「希少種指定」を解除へ 生息数300羽→9000羽に”. 産経新聞. (2017年8月24日) 2019年3月22日閲覧。
参考文献
編集- 財団法人鹿児島県環境技術協会編 『かごしまの天然記念物データブック』 南日本新聞社、11頁、1998年。
- 高美喜男 「ルリカケス」 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物 -鹿児島県レッドデータブック動物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年、65頁、ISBN 4-9901588-0-6。