プリズム
プリズム(英語: prism[1])とは、光を分散・屈折・全反射・複屈折させるための光学素子であり、ガラス・水晶などの透明な媒質でできた多面体で、その面のうち少なくとも一組が平行でないものである。三角柱の形状をしたものが一般的である。
概要
編集材質の屈折率は、光の波長によって異なるため、プリズムを出る光の方向は波長によって変わる。この現象を分散という。光を分散させることによって、スペクトルを得ることができる。
プリズムは、内部での全反射を利用して、光の進む方向を変える用途にも用いられる。この場合、プリズムにおける光の入射 / 出射面は光の進む方向に垂直であり、屈折による光の分散は起こらない。例としては、双眼鏡内で像を反転させて正立像にするものや(ポロプリズム・ダハプリズム)、一眼レフカメラのファインダー内で、光軸を3回曲げて、ファインダーに導くもの(ペンタダハプリズム)などを挙げることができる。
大型のリング状プリズムなどは、灯台のフレネルレンズを補う物として、フレネルレンズの周囲に配置される物もある。
プリズムの中には、偏光によって光の進む方向を分離する、あるいは一方向の偏光だけを透過するものもある。
プリズムの分類
編集分光用途
編集光線の屈曲用途
編集- ペンタプリズム
- ポロプリズム - 180度回転し、後方にずれて投影される。
- ポロ・アッベプリズム - 180度回転し、前方にずれて投影される。
- アッベ・コーニグプリズム - 180度回転し、入射光と同一線上の前方に投影される。
- シュミット・ペカンプリズム - 180度回転し、入射光と同一線上の前方に投影される。
- ドーブプリズム - 上下反転し、前方にずれて投影される。
- ダイクロイックプリズム
- アミチ・ルーフプリズム - 90度横に投影される。
- コーナーキューブ
偏光用途
編集- 全反射による分離
- 屈折による分離
- フレネル菱面体