ファンフェア
アメリカの対魚雷用の曳航型デコイ
ファンフェア(英語: T-Mk 6 Fanfare)は[注 1]、アメリカ合衆国で開発された曳航型の対魚雷用ソナーデコイ[1][2]。
概要
編集第二次世界大戦中、ドイツ海軍がG7魚雷の音響ホーミング版(T-5)を実戦投入したのに対し、連合国は曳航型デコイであるフォクサーを配備し、これは世界初の音響魚雷防御システムとなった[3]。また後にはその発音体を改良したハープ(Harp)も開発・配備された[4]。
これらに続いて開発されたのが本システムであり[4]、1950年代から1960年代にかけて、アメリカ海軍の標準的な対魚雷用デコイとして配備された[2]。その後も同盟国の艦艇を含めて長く用いられたが、しばしば後継のAN/SLQ-25と混同されている[2]。SLQ-25と同様、2基の曳航体が配備されており、魚雷によって1基が破壊された場合には直ちにもう1基が投入される[4]。
海上自衛隊ではハープに続いてファンフェアの供与を受けたのち、曳航具3型として国産化したとされている[4][注 2]。この曳航具は電動式発音体を備え、音響の発生停止はソナー室の管制器で行われた[4]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集参考文献
編集- Friedman, Norman (1997). The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 978-1557502681
- Polmar, Norman; Whitman, Edward (2016). Hunters and Killers: Anti-Submarine Warfare from 1943. Naval Institute Press. ISBN 978-1612518978
- 高須廣一「兵装 (海上自衛隊護衛艦史1953-2000)」『世界の艦船』第571号、海人社、2000年7月、188-195頁、NAID 40002155858。
- 多田智彦「現代の艦載兵器(第20回)対魚雷防御システム」『世界の艦船』第953号、海人社、2021年8月、157-165頁、NAID 40022633782。