ハウスカード
ハウスカード(和製英語[1])とは、クレジットカードの一種である。Visa・JCBなどの国際ブランドと提携しておらず、主に発行する企業やそのグループ会社の店舗でしか利用できないクレジットカードを指す。
日本におけるクレジットカードについては「クレジットカード (日本)」、国際ブランドについては「クレジットカード#国際ブランド」をそれぞれ参照。
概要
編集かつては顧客の囲い込みを目的に百貨店、スーパーマーケット、ガソリンスタンド、鉄道会社やバス会社などで導入される場合が多かった。利点は現金チャージする毎に数百円から数千円のおまけがつくといった点。しかし、特定の路線・店舗・チェーンストアのみの利用を想定したカード故その利用金額も限定される点、所有するカードの管理など消費者側にとっては利便性が劣るといった不便さが目立つようになった。
またICカード化などセキュリティ向上への対応を理由として[2]、近年では国際ブランドと提携したクレジットカードに切り替え、新規申し込みや追加チャージを終了する例が増えている。
信販会社などが国際ブランドと提携せずに発行する、自社の加盟店でのみ利用することができるクレジットカードもハウスカードに準ずる存在であると言えるが、こちらも国際ブランドと提携したクレジットカードへの切り替えが進んでいる。
なお、一部のクレジットカード会社が行っている即日発行サービスで審査完了前に発行される仮カードが、申し込んだ本来のカードが国際ブランドと提携しているカードであっても、ハウスカードまたはこれに準ずる国際ブランドの付いていない仮カードとして発行される場合もある。
主なハウスカード
編集新規申込を受け付けているハウスカード、およびこれに準ずるクレジットカードを挙げる。ただし法人カード・外商カードは除く。
- コスモ・ザ・カード・ハウス[3] - セディナ / コスモ石油
- 「コスモ・ザ・カード(トリプル)」は、セディナがコスモ石油と提携して発行する国際ブランド提携カード。
- 「コスモ・ザ・カード・オーパス」は、イオン銀行がコスモ石油と提携して発行する国際ブランド提携カード。
- 日産カード(ハウスカード)[4][5] - 日産フィナンシャルサービス(日産グループ)
- 紀ノ国屋メンバーズカード[6] - 紀ノ國屋
- Mカード[7] - 三菱電機フィナンシャルソリューションズ
- パナカード[9] - 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス
- パナソニック系列の家電販売店で発行受付。家電量販店などでの発行・利用は不可。
- 以前は国際ブランド提携の「パナカード・イーカ」も発行していたが、2016年3月で新規発行を停止、2016年10月で強制解約となった。
- RARAクレジット[10] - アークスグループ
- テーオーカード[11] - テーオーホールディングスが経営する函館市のテーオーデパートで利用できるハウスカード。
- PiTaPaベーシックカード[12] - スルッとKANSAI
- タカラヅカレビューSTACIAカード[13]
- 宝塚歌劇団の公式会員組織である「宝塚友の会」の会員証を兼ねたカード。国際ブランドやPiTaPaのないカードでは、宝塚友の会関連の決済(入会金、年会費、定期購読、先行予約など)のみ可能(プロセシングは三井住友カードが業務代行)。
- スピカカード[14] - いよてつカードサービス(伊予鉄グループ)
- 伊予鉄グループ内や、その他愛媛県内の加盟店で利用可能。
新規申込を終了したハウスカード
編集国際ブランド提携へ移行
編集- エポスカード - 丸井系。Visa提携へ移行[15][16]。
- ローソンPontaカード ハウス - クレディセゾン / ロイヤリティマーケティング。Master、Visa提携へ移行[18]。
- イオンカード - イオン銀行。Visa提携へ移行[20]。
- 伊勢丹アイカード - 三越伊勢丹エムアイカードとしてVisa提携へ移行[21]。
- UCSカード - 旧ユニー系。Visa・JCB・Master提携へ移行[22]。
- ゆめカード(ゆめかクレジット) - ゆめタウン系(イズミグループ)。VISA・MasterCard(以上国際カードビジネス協会→三菱UFJニコス)・JCB提携へ移行(その後MasterCardは廃止)[23]。
- 東武カード - 東武カードビジネス(東武グループ)。Visa・JCB・Master提携へ移行[24]。
- 京王パスポートカード - 京王パスポートクラブ(京王グループ)
- JR東海エクスプレス・カード - 東海旅客鉄道
- 2004年にセントラルファイナンス発行のVisa・Master・JCB提携カード発行を開始するものの、一部のカードは2016年までハウスカードの入会を受け付けていた。
- セントラルファイナンスの後身であるSMBCファイナンスサービスが三井住友カードへ統合されるのに先立ち、ハウスカードも三井住友カード発行のVisa提携カードへの切り替えとなり、2023年10月末をもって廃止予定[27]。
- 井筒屋ウィズカード[28] - 井筒屋ウィズカード
- 2022年4月からJCB提携に移行[29]。
サービス終了
編集- イズミヤカード - イズミヤ系
- 東芝Fカード - イオンプロダクトファイナンス
- CPコスメティクスカード[34] - 住信SBIネット銀カード
脚注
編集- ^ デジタル大辞泉『ハウスカード』 - コトバンク。2019年10月13日閲覧。
- ^ a b c “「京王パスポートカード(ハウスクレジット)」サービス終了のお知らせ”. 京王パスポートクラブ. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “コスモ・ザ・カード・ハウス”. コスモ・ザ・カードお客様サイト. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “個人のお客さま向け日産カード一覧”. 株式会社日産フィナンシャルサービス. 2020年8月2日閲覧。
- ^ 別途国際ブランド(VISA・MasterCard)付きも発行している(ハウスカードも含めてユーシーカードが業務代行)。
- ^ “紀ノ国屋カードのご案内”. 紀ノ国屋 KINOKUNIYA. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “個人のお客様用 よくあるご質問”. 三菱電機フィナンシャルソリューションズ株式会社. 2024年2月27日閲覧。
- ^ “メルコクラブカードのご案内”. 三菱電機フィナンシャルソリューションズ株式会社. 2024年2月27日閲覧。
- ^ “パナカード”. 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “RARAクレジット|アークスRARAカードについて|企業・グループ情報”. アークスグループ. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “テーオーカード総合案内”. Heart TO Heart テーオーデパート. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “PiTaPaベーシックカード”. PiTaPa. 2020年8月2日閲覧。
- ^ 宝塚友の会ガイドブック (PDF)
- ^ “スピカカード”. いよてつカードサービス. 2022年10月10日閲覧。
- ^ “クレジットカードは入会金・年会費永年無料のエポスカード”. エポスカード. 2020年8月2日閲覧。
- ^ 現行のハウスカードはエポスカードVISAの審査結果に応じて発行される。
- ^ a b 『流通会社年鑑 1990年版』日本経済新聞社、1990年11月24日、80- 82頁。
- ^ “ローソンPontaカード入会”. ローソン公式サイト. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “ローソン|おさいふPonta公式サイト”. 2020年8月2日閲覧。
- ^ 従前からのVISA・Mastercard・JCBブランド付イオンカードはイオンクレジットサービスの発行である。
- ^ “サービスラインナップ | 百貨店のクレジットカードなら三越伊勢丹グループのエムアイカード”. エムアイカード. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “カードをつくる”. UCSカード. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “あなたとつくる 夢の街 ゆめカード”. ゆめカード. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “カードラインナップ | カードをつくる”. 東武カード. 2020年8月2日閲覧。
- ^ a b c “カードをつくる”. 京王パスポートクラブ. 2020年8月2日閲覧。
- ^ a b “京王パスポート(ハウスクレジット)”. 京王パスポートクラブ. 2020年8月2日閲覧。
- ^ 「JR東海エクスプレス・カード」お取扱い終了および切替発行のご案内 SMBCファイナンスサービス、2023年8月2日閲覧。
- ^ “井筒屋ウィズカード”. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “カード切替えに関するお知らせ”. 井筒屋ウィズカード (2022年4月1日). 2022年4月5日閲覧。
- ^ a b c “イズミヤカードサービス終了についてのお知らせ | ニュース&トピックス”. イズミヤカード株式会社. 2020年8月2日閲覧。
- ^ a b “イズミヤカード終了について”. イズミヤカードホームページ. 2020年8月2日閲覧。
- ^ “クレジットカードは、ポイントたまるソレーナSTACIAカード”. ソレーナSTACIAカード. 株式会社ペルソナ. 2020年8月2日閲覧。
- ^ 「東芝Fカード」「東芝コミュニティカード」のサービス終了に関するご案内 イオンプロダクトファイナンス株式会社、2016年9月30日、2020年8月2日閲覧。
- ^ a b c “よくあるご質問”. CPコスメティクス. 2020年8月2日閲覧。