ダイアナ (映画)
『ダイアナ』(Diana)は、2013年のイギリスの伝記映画。監督はオリヴァー・ヒルシュビーゲル、出演はナオミ・ワッツとナヴィーン・アンドリュースなど。ウェールズ公妃ダイアナの最期の2年間を描いている[4]。ダイアナをワッツが、ダイアナの恋人とされたハスナット・カーン医師をアンドリュースが演じる[5]。ケイト・スネルの著書『Diana: Her Last Love』をもとに脚本をスティーヴン・ジェフリーズが執筆し、ロバート・バーンスタインとダグラス・レイがプロデューサーを務めた[6]。
ダイアナ | |
---|---|
Diana | |
監督 | オリヴァー・ヒルシュビーゲル |
脚本 | スティーヴン・ジェフリーズ |
原案 |
ケイト・スネル 『Diana: Her Last Love』 |
製作 |
ロバート・バーンスタイン ダグラス・レイ |
製作総指揮 |
ティム・ハスラム マーク・ウーリー |
出演者 |
ナオミ・ワッツ ナヴィーン・アンドリュース |
音楽 |
キーファス・シアンシア デヴィッド・ホームズ |
撮影 | ライナー・クラウスマン |
編集 | ハンス・フンク |
製作会社 |
エコッセ・フィルムズ Embankment Films eOne Films US Metrodome Distribution |
配給 |
Metrodome Distribution ギャガ |
公開 |
2013年9月20日 2013年10月18日 2013年11月1日 |
上映時間 | 113分[1] |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
製作費 | $15,000,000[2] |
興行収入 |
$3,035,442[3] $21,766,27[3] |
ストーリー
編集ダイアナがチャールズ皇太子(後のチャールズ3世)と離婚してから亡くなるまでの2年間に焦点が当てられる[7]。ハスナット・カーンやドディ・アルファイドとの関係も描かれる[8][9][10]。
キャスト
編集※括弧内は日本語吹替[11]
- ダイアナ公妃 - ナオミ・ワッツ(米倉涼子[12])
- ハスナット・カーン - ナヴィーン・アンドリュース(てらそままさき)
- ポール・バレル - ダグラス・ホッジ[8](飛田展男)
- ウーナ・トッフォロ - ジェラルディン・ジェームズ(野沢由香里)
- パトリック・ジェフソン - チャールズ・エドワーズ(二又一成)
- ドディ・アルファイド - キャス・アンヴァー(斉藤次郎)
- ウィリアム王子 - ローレンス・ベルチャー[13]
- ヘンリー王子 - ハリー・ホランド[13]
- ソニア - ジュリエット・スティーヴンソン(一城みゆ希)
- クリスチャン・バーナード - マイケル・バーン(松岡文雄)
- コリン - ジョナサン・ケリガン(高瀬右光)
- ナイード・カーン - ウーシャ・カーン(磯辺万沙子)
- ラシード・カーン - ラフィク・ジャブハイ(佐々木睦)
- ナスリン - リーアンダ・レッディ(石田嘉代)
- サムンダー - アート・マリック(沢木郁也)
- ロニー・スコット - クリストファー・バーチ(浦山迅)
- ジェイソン・フレーザー - ダニエル・ピリー(浜田賢二)
- マリオ・ブレンナ - ラファエロ・デグルトーラ(志賀麻登佳)
製作
編集本作の脚本は2001年に出版されたケイト・スネルの『Diana: Her Last Love』を基にして、スティーヴン・ジェフリーズが執筆した[14]。
重要シーンの一つである、ダイアナとドディがドディの所有する船で会うシーンの撮影は、特別に借り受けたプリンセス・ロランセ号を用いた[15]。
イギリスの新聞『メール・オン・サンデー』のインタビューで、ナオミ・ワッツは本作での役作りの際に何回もダイアナ元妃の夢を見たり、ダイアナ元妃が自分のそばにいるような感覚を味わったと述べている。また、ダイアナ元妃は自分の演技に満足してくれるだろうとも述べている。[16][17][18]
評価
編集映画批評家レビューの集積サイトのRotten Tomatoesでは、108件のレビューで支持率は7%、平均点は10満点中3.5点、批評家の一致した見解は「ナオミ・ワッツはタイトルロールを懸命に演じているが、『ダイアナ』は粗雑な脚本と下手な演出のために彼女の努力を水の泡にしている。」となっている[19]。Metacriticでは、28件のレビューがあり、高評価は1件、賛否混在は14件、低評価は13件で、平均点は100点満点中35点となっている[20]。
イギリス国内のメディアの評価は最低であった[21][22]。『ガーディアン』のピーター・ブラッドショーは5つ星のうち1つのみを与え、「ダイアナ妃の2度目の死といっていいほどの無残な出来栄え」と評した[23]。また、『デイリー・ミラー』のデビッド・エドワーズは本作を「低俗なテレビ番組を彷彿とさせる陰気で安っぽい駄作」と評し、5つ星のうち1つを与えた[24]。
アメリカにおいても酷評され、『TIME』のキャサリン・マイヤーは「悲劇の王妃ダイアナは金持ちのモンスターとして描かれ、名女優ナオミ・ワッツは輝きを失っている。なぜこんなひどい映画を作ったのか」と評している[25]。
また、ダイアナを演じるナオミ・ワッツの演技にも「違和感がある」「大げさだ」との批判が寄せられている[26]。
ダイアナ元妃が交通事故にあった、アルマ橋近くに本作の広告看板を設置したところ、近隣住民から抗議を受け、看板の撤去に追い込まれるという事態も発生している[27]。
出典
編集- ^ ダイアナ - 映画.com
- ^ “Diana” (英語). Dark Horizons (2013年11月1日). 2014年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月9日閲覧。
- ^ a b “Diana” (英語). Box Office Mojo. 2022年5月9日閲覧。
- ^ Dibdin, Emma (4 July 2012). “Naomi Watts Princess Diana biopic renamed 'Diana' - first picture” (英語). Digital Spy 4 July 2012閲覧。
- ^ Bamigboye, Baz (28 May 2013). “Naomi Watts' Diana biopic to open on September 5th” (英語). Daily Mail 28 May 2013閲覧。
- ^ “Rachel Portman Scoring Oliver Hirschbiegel’s ‘Diana’” (英語). Film Music Reporter. (17 June 2013) 23 June 2013閲覧。
- ^ Eby, Margaret (12 June 2013). “'Diana' teaser: Naomi Watts reigns as the Princess of Wales” (英語). New York Daily News 12 June 2013閲覧。
- ^ a b “New Princess Diana movie features iconic Sunday Mirror front page” (英語). The Daily Mirror. (15 June 2013) 17 June 2013閲覧。
- ^ “Naomi Watts wows as Lady Diana on set of biopic Caught in Flight” (英語). Herald Sun. (3 July 2012). オリジナルの2012年12月30日時点におけるアーカイブ。 3 July 2012閲覧。
- ^ “Watts reveals Princess Di makeover” (英語). Stuff. (3 July 2012) 3 July 2012閲覧。
- ^ “ダイアナ”. ふきカエル大作戦‼︎ (2013年10月18日). 2013年10月18日閲覧。
- ^ “米倉涼子、故ダイアナ妃に!英映画「ダイアナ」日本語吹き替え版で声優”. 映画.com (2013年10月18日). 2013年10月18日閲覧。
- ^ a b “Naomi Watts prepares to rock as Princess Diana” (英語). Pakistan Today. (26 June 2013) 26 June 2013閲覧。
- ^ Pulver, Andrew (2013年8月26日). “Princess Diana film 'got it completely wrong' says former lover Hasnat Khan” (英語). The Guardian 2013年9月24日閲覧。
- ^ “Princess Diana Movie - Yacht Chartered during filming with Naomi Watts” (英語). Yacht Charter Fleet. (2013年9月6日) 2013年9月24日閲覧。
- ^ ブレイディみかこ (2013年8月23日). “ナオミ・ワッツ「ダイアナ妃の霊から彼女を演じる許可をもらった」”. MOVIE WALKER PRESS 2013年10月5日閲覧。
- ^ Palmer, Martyn (2013年8月17日). “'I felt Diana's presence during the film. I asked her if I could carry on - and she gave me permission': An extraordinary interview with Diana star Naomi Watts” (英語). Daily Mail 2013年10月5日閲覧。
- ^ Child, Ben (2013年8月19日). “Naomi Watts says Diana gave permission to play her in biopic from beyond grave” (英語). The Guardian 2013年10月5日閲覧。
- ^ "Diana". Rotten Tomatoes (英語). 2022年5月9日閲覧。
- ^ "Diana" (英語). Metacritic. 2022年5月9日閲覧。
- ^ “Diana film slammed by British press” (英語). BBC News. (2013年9月6日) 2013年9月24日閲覧。
- ^ “映画『ダイアナ』プレミア上映、英紙は酷評の嵐。” (英語). AFPBB News. (2013年9月6日) 2013年9月26日閲覧。
- ^ Bradshaw, Peter (2013年9月5日). “Diana – review” (英語). The Guardian 2013年9月14日閲覧。
- ^ Edwards, David (2013年9月20日). “Diana film review: Cheap and cheerless effort looks like a Channel 5 mid-week matinee and recasts the Queen of Hearts as a sad-sack singleton” (英語). The Daily Mirror 2013年9月24日閲覧。
- ^ Mayer, Catherine (2013年9月26日). “The Princess of Wails: Diana is a Royal Mess” (英語). TIME 2013年10月2日閲覧。
- ^ Clarke, Cath (2013年9月17日). “Diana 2013, directed by Oliver Hirschbiegel” (英語). Time Out 2013年9月24日閲覧。
- ^ “映画『ダイアナ』ポスターを事故現場近くに掲示、批判殺到で撤去に”. AFPBB News. (2013年10月2日) 2013年10月2日閲覧。
関連項目
編集- ある公爵夫人の生涯 - ダイアナと似たような人生を送る彼女の先祖を描いた映画。
- スペンサー ダイアナの決意