ソブリン債
ソブリン債(ソブリンさい、英: sovereign bond)とは、各国の政府又は政府関係機関が発行し又は保証している債券(国債など)のこと。
ソブリン債は国や政府関係機関の信用を引当てとしている。特にOECD加盟国などのものは利率が低いが信用格付けが高いため投資適格債と判断されやすい。これとは逆に、利回りは高く設定されているが、一般的に信用格付けが低く元本割れが発生するリスクが高いのがハイイールド債である。
概要
編集ソブリン債も事業債と同様に、デフォルトが生じることがある(en:Sovereign default)。一例として、日本は1942年に、第二次世界大戦開始に伴い連合国への支払いが行えなくなったことにより、米ドル建て国債のデフォルトに陥った[1][2]。
経済制裁の手段として
編集- 2019年、アメリカ合衆国はロシアとウクライナの関係が緊迫する中で、ロシアに対する経済制裁としてアメリカ国内の投資家に対して非ルーブル建てロシアソブリン債の発行市場への参加を禁止する措置を課した。さらにロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年)が悪化すると自国の金融機関に対しルーブル建てロシアソブリン債の発行市場に参加することも禁止した。重ねて2022年ロシアのウクライナ侵攻が起きるとロシアソブリン債の流通市場への参加も禁止した[3]。この時には日本も同調してロシアソブリン債の発行、流通市場への参加を禁止している[4]。
脚注
編集- ^ “WAR ENDS SERVICE ON DOLLAR ISSUES; Italian, Japanese, Estonian and Czechoslovak Bonds Are in Default OTHERS PAY NO INTEREST Reduced Payments by Eight European Obligors Also Are Halted”. The New York Times. (1942年6月1日) 2012年1月14日閲覧。
- ^ “財政金融統計月報第270号「政府関係外債について」” (PDF). 財務省 (1974年10月). 2011年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月27日閲覧。
- ^ “米の制裁、ロシア政府債の取引制限を拡大 短期的影響は限定か”. ロイター (2022年2月23日). 2022年2月26日閲覧。
- ^ “日本、ロシアへの経済制裁の一部発動 露銀行の資産凍結も”. 毎日新聞 (2022年2月26日). 2022年2月26日閲覧。