セメダイン株式会社 (Cemedine Co., Ltd.) は、日本の大手接着剤メーカーである。日本初の合成接着剤を開発した。東京都品川区に本社を置く。

セメダイン株式会社
CEMEDINE CO., LTD.
種類 株式会社
市場情報
東証スタンダード 4999
1968年1月5日 - 2022年7月28日
本社所在地 日本の旗 日本
141-8620
東京都品川区大崎一丁目11番1号 ゲートシティ大崎イーストタワー
設立 1948年4月22日(創業1923年11月19日
業種 化学
法人番号 1010701005270 ウィキデータを編集
代表者 代表取締役会長 松本有祐
代表取締役社長 天知秀介
資本金 30億5,037万5千円
売上高 259億6,300万円
(2024年3月期)[1]
営業利益 8億6,800万円
(2024年3月期)[1]
経常利益 15億2,600万円
(2024年3月期)[1]
純利益 13億3,400万円
(2024年3月期)[1]
純資産 146億5,200万円
(2024年3月期)[1]
総資産 235億9,900万円
(2024年3月期)[1]
従業員数 連結:549人
単独:345人
(2022年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 株式会社カネカ 100%
主要子会社 セメダイン販売株式会社 100%
関係する人物 今村善次郎(創業者)
外部リンク https://www.cemedine.co.jp/
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セメダインC

社名

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社名は、創業者の今村善次郎(1890年生[2])が接着剤の商品名として考案した造語で、結合材を意味する「セメント」("CEMENT")と力の単位である「ダイン」 ("DYNE")の変形を組み合わせたものだが、そのほかに、創業当時日本の接着剤市場を席巻していたイギリス製の接着剤『メンダイン』(MENDINE)を市場から「攻め」出すということから、「攻め出せ、メンダイン」という意味が込められているとも言われている[3]

「セメダイン」という語は戦前から既に一般名化して「接着剤」といった意味に使われていた[4]。また、セメダイン社製品や接着剤一般のことを「セメンダイン」と誤記されることがある[5](「セメン」はセメント(接着剤)の略称[6])。

なお、当社は「当時はまだ『接着剤』という言葉はありませんでした」「この『接着剤』という言葉も、今村善次郎が創った言葉」だと主張している[3]が、誤りである。「接着剤」という言葉は明治30年(1897年)以前に既に存在していた[7][8]。ただ、慣用語ではなく[C 1]:28、一般化させたのは今村のようだ[C 1]:28という仮説である。また、今村は「接着材」ではなく「接着剤」という字を選んだ[C 1]:28が、「剤」という字も以前から「接合剤(劑)」[9]、「膠着剤(劑)」[10]のように使われていたから、今村の発明というわけではない。

著名な商品

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同じ商品名であっても時期によって成分や外形は異なる。同じ成分の物を複数の名称で呼ぶこともある。

セメダインC

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「セメダインC」はニトロセルロース接着剤[C 1]:31。別名:CEMEDINE C、C號、C号、C。 木、紙、布の接着用[11]。プラモデル(一般的なスチロール樹脂製のもの)の接着には不適当で、変形する可能性がある[12]

1938年発売[C 1]:31だが、同一商品名であっても時期によって溶剤成分などの変更を複数回おこなっている[13]

成分の推移
資料年 2018頃 2010-2020 1983頃 1961 1948頃 1938
資料名 箱表示[12] 2016 SDS[14]

, 2010 MSDS[15]

第三者定性分析[16]
主成分 (製品規格値ではない)
印刷名 セメダインC[12] CEMEDINE C[C 2] CEMEDINE C[C 2]

セメダインCは1963年頃の一般消費者向け主力だった[C 1]:111が、他製品発売により売上内比率は低下したものの、1992年度でも1%を占め年間約250万本(容量不明)生産していた[17]

2013年にセメダインCは日本初の合成接着剤として国立科学博物館が選定する重要科学技術史資料 § 第6回(2013年)(未来技術遺産)に登録された[C 3]。登録されたのは「製作年1975年頃」のバージョンである[C 3]

工業用製品「321」は本品とほぼ同等品[18]

商品名

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当社は2018年頃から「セメダイン」の後に続く「C」部分のみが社内で言う「商品名」にあたることを強調しだした[19]。 あわせて従来「CEMEDINE C」あるいは「セメダインC」となっていたホームページ商品ページ [20] を「C」に変更した[21]。しかし製品への印刷名、カタログ等の商品名[22]、製品名[15][14]はいずれも「セメダインC」としている。

プラモデル用セメダイン

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「プラモデル用セメダイン」という商品名であっても、チューブ入り品とビン入り品では成分比率が違う。 一時期、当社ホームページから除外されていた[23]

プラモデル用セメダイン(チューブ入り)

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「プラスチックモデル用」という商品名の製品は1962年発売[C 1]:79。スチロール樹脂製プラモデル用接着剤[24]ポリスチレン樹脂溶剤系。セメダインCと類似のチューブ色(黄色)、接着剤色(無色透明)だが成分は異なる。

成分の推移
資料年 2020 2020 1983頃 1971頃 1962
資料名 ホームページ 2017 SDS[25] 第三者定性分析[16] 第三者分析[26]
主成分 不記載 (製品規格値ではない)
  • 有機溶剤
  • 酢酸n-ブチル
  • アセトン
  • 不揮発分(JIS規格の定義) 30%
  • 酢酸エチル 39%
  • トルエン 31%
印刷名 プラモデル用セメダイン[24]

プラモデル用セメダイン(ビン入り)

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スチロール樹脂製プラモデル用接着剤[24]ポリスチレン樹脂溶剤系。「プラモデル用セメダイン(チューブ入り)」と商品名は類似しているが成分比率は異なる。

成分の推移
資料年 2020 2020 1983頃 1962
資料名 ホームページ 2018 SDS

[27]

第三者定性分析[16]
主成分 不記載 (製品規格値ではない)
  • n-ヘキサン
  • 酢酸n-ブチル
  • イソプロピルアルコール
  • n-ブチルアルコール
  • アセトン
  • メチルイソプロピルケトン
印刷名 プラモデル用セメダイン[24]

セメダインコンタクト

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クロロプレンゴム系[28]コンタクト式接着剤。1963年発売[C 1]:79。2005年時点ホームページ商品ページには不掲載[29]

成分の推移
資料年 1973 1971頃 1963
資料名 第三者分析[30] 第三者分析[26]
主成分
  • 不揮発分(JIS規格の定義) 30%
  • n-ヘキサン 18%
  • 酢酸エチル 8%
  • トルエン 43%
印刷名

学校工作用セメダイン

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1960年発売[C 1]:79。 セメダインコンタクトと同じ用途[31]、同じ使用方法のコンタクト接着タイプの接着剤[32]。コンタクトとの違いは不記載。チューブは赤ラベル。2005年時点ホームページ商品ページには不掲載[29]

セメダインハイコンタクト

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1972年発売[C 1]:79

成分の推移
資料年 2007頃 1972
資料名 大学病院医療情報ネットワーク[33]
主成分
  • 合成ゴム(クロロプレンゴム)31%
  • 有機溶剤(エタノール) 69%
印刷名

歴史

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創業者となる今村善次郎は1910年代に自分で製造した家具用ワックスや靴墨、およびイギリス製の接着剤「メンダイン」(MENDINE)を販売していた[C 1]:15。メンダインは系(ニカワけい)のチューブ入り接着剤である[34]:712

セメダイン発売

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セメダイン写真入り広告。1934年[35]

今村は輸入接着剤を模倣[C 1]:27したチューブ詰めの化学のりの自社開発を試み、大正11年(1923年)[C 1]:19に製造に成功した。この膠系接着剤[C 1]:33を「セメダイン」という商品名で販売するのだが、発売年について当社作成の社史である『セメダイン五十年史』は二説が錯綜している:

  • (初代)「セメダイン」と「セメダインA号」を別物視する説: 「セメダイン」は1923年発売[C 1]:19、あるいは1926年頃までには発売[C 1]:23
  • (初代)「セメダイン」と「セメダインA号」を同一視する説: 1923年に製造に成功し、後日それを商品化したものが「セメダインA号」[C 1]:27。つまり最初の「セメダイン」の発売は1927年以降ということになる。

科学博物館は1923年説を採用せず、「昭和10年頃までに『セメダインA』などを販売」(=1935年頃)としている[C 4]:396。実際に1932年(昭和7年)までには販売されていた[36]。 いずれにせよ、少なくとも商品名表示としては"CEMEDINE"("A"の字なし)[35][37]と、"CEMEDINE A"("A"の字あり)[C 1]:36という別々の商品が存在する。

CEMEDINE A発売

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チューブ入り接着剤。別名:セメダインA号、セメダインA、A號、A号。 発売年は、『セメダイン五十年史』によれば1927-1931年[C 1]:27,29,202、科学博物館によれば1935年頃までに[C 4]:396

セメダインAの成分は蛋白質[38](蛋白質系とは、膠系、カゼイン系、アルブミン系、大豆タンパク質系などの総称[C 4]:369)。包装には「高級剤配合のコロイド状」[C 5]としか記載されていない。

後の工業用製品名No. 341はセメダインAと同等品[38]

1931年に"CEMEDINE"の英文字をかたどったロゴマークを商標登録している。この商標登録の商品区分は「ニベ糊とカゼインとの合成糊」[39]に限定されていた。ニベ糊とは魚膠(うおニカワ。魚から作った膠)。しかし『セメダイン五十年史』には膠とカゼインを混合した接着剤製品の言及はない。 当社は「セメダイン」を登録商標0226905で取得したとしている[C 1]:203が、実際には英文字だけで、カタカナの「セメダイン」はない[39]

カゼイン糊発売

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『セメダイン五十年史』によれば、「セメダインA号」が耐水性に欠けるのを改善すべくミルクカゼイン系接着剤を開発[C 1]:28。「桜のり」、「セメダインA号」に続く第三の接着剤商品として発売した[C 1]:28とあるが、時期・商品名は不明([C 1]に記載なし)。

CEMEDINE C発売

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従来商品より耐水性、耐熱性、耐油性に優れたニトロセルロース系の接着剤である「セメダインC」を1938年に発売[C 1]:31。開発者は佐藤十三[C 1]:31。チューブ入り。模型、家庭修繕のほか、工業用としてプロペラ製造や自動車用途にも使えるとしている[40]。『セメダインC』は、第二次世界大戦前・戦中の模型航空教育模型飛行機ブームに乗って需要が急増した[C 1]:51。学校工作用接着剤の配給対象にもなった[41]

CEMEDINE B発売

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チューブ入り接着剤。1940年(昭和15年)[C 1]:46発売、つまりCEMEDINE Cよりも後。 『セメダイン五十年史』によれば、セメダインBは加硫ゴムをベースにしたゴム系[C 1]:46、工業用版は「セメテックスB」、開発者は羽生龍郎ら[C 1]:46。しかし後に、ミルクカゼイン系接着剤がセメダインB[C 2]かもしれないという異説が出ている。さらに別説として「B、C品はクレヤラッカーが主成分」[42]、つまりセメダインCと主成分は同じという書籍もある。

耐水、耐、耐震、絶縁性 が特長[C 6]。品種によっては耐加里、不凍性[C 7]もうたっている。用途で特徴的なのがゴム、金属、エボナイト、ベークライト等の接着[C 6]。これらの特徴は「セメテックスB」と共通である[C 1]:36

発展

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セメダイン以外のブランドでも各種商品を販売した。

「桜のり」(デキストリン系[C 1]:27)は1927年に発売[C 1]:202。商品名は、

  • 『セメダイン五十年史』本文では「桜のり」[C 1]:27
  • 事務用パッケージ印字名は「さくら糊」[C 1]:35[C 2]
  • 写真用パッケージ印字名は「櫻糊」[C 1]:35[C 2]

と、表記がまちまちである。

同時代の他社商品に、田丸化学工業製造の「サクラ糊」[43]という接着剤[40]や、六桜社製で小西六が販売した「さくら写真糊」[44]があってまぎらわしい。

1935年時点までに「河馬印 コロイドゴム糊[35]、「河馬印 セロファン専用糊」[35]、「ホームセメダイン」(アラビアゴム糊)、接着剤以外も含めて十品目以上の商品があった[C 1]:30。マスコミ宣伝を重視し、会社規模の割には大きな広告宣伝費をかけてきた[C 1]:22

戦時中には、軍需用途の接着剤需要増加と、模型飛行機ブームによるセメダインCの需要増加により、戦時中でありながら販売は好調だったが原料入手と社員の出征による減少に苦慮した[C 1]:54。今村は接着剤業界代表の一員となっていた[2]

戦後はプラスチックモデル(プラモデル)用の接着剤(1962年発売[C 1]:79)も普及した。1963年頃の一般消費者向け主力はセメダインCと#セメダインコンタクト[C 1]:111だった。セメダインA号・B号は終戦後もしばらく販売されていた[45]ものの終了して久しいが、2020年にCEMEDINE Bの現物が再発見された[46]

同社の全売上高のうち一般消費者向けは1963年時点で34%[C 1]:111、2020年3月期時点では17%である[47]。現在[いつ?]は、木工用、金属用、工業用の他に建築用にもシーラントなどの防水用接着剤やシリコーン系の接着剤など様々な接着剤を販売している。また、DIYショップなどが普及したため、同社が販売していたプロ用の接着剤も容易に入手できるようにもなった。

年表

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  • 1923年(大正12年) 創業者今村善次郎が東京において接着剤類の製造販売を開始[48]
  • 1935年以前(昭和10年) 「セメダインA号」発売[C 4]:396
  • 1938年(昭和13年) 「セメダインC」発売[C 1]:31
  • 1941年(昭和16年) 東京都荒川区において「各種接着剤の製造販売」を目的として有限会社今村化学研究所を設立[48]
  • 1948年(昭和23年) 東京都千代田区において株式会社今村化学研究所を設立[48]
  • 1951年(昭和26年) 当社製品の販売会社としてセメダイン株式会社を設立 本社を東京都荒川区に移転[48]
  • 1956年(昭和31年) 株式会社今村化学研究所がセメダイン株式会社を吸収合併し、商号をセメダイン株式会社と変更 本社を東京都千代田区に移転[48]
  • 1962年(昭和37年) 茨城工場を新設[48]
  • 1966年(昭和41年) 一般工作用接着剤のJIS表示許可を受ける[48]
  • 1968年(昭和43年) 東京証券取引所市場第二部に上場[48]
  • 1969年(昭和44年) 本社を東京都品川区に移転 大阪証券取引所市場第二部に上場[48]
  • 1975年(昭和50年) ボンド遊び防止対策として、一般用接着剤からトルエン成分を除去する成分変更を完了[49]
  • 1978年(昭和53年) 台湾に台湾施敏打硬股份有限公司を設立[48]
  • 1981年(昭和56年) タイにCEMEDINE(THAILAND)CO., LTD.を設立[48]
  • 1990年(平成2年) 三重工場を新設[48]
  • 1999年(平成11年) ヘンケル社と合弁会社セメダインヘンケル株式会社(後のセメダインオートモーティブ株式会社、さらに後に完全子会社)を設立[48]
  • 2004年(平成16年) タイにASIA CEMEDINE CO., LTD.を設立[48]
  • 2006年(平成18年) シー・エヌ・シー株式会社(後のセメダインケミカル株式会社)を設立[48]
  • 2012年(平成24年) 本店を品川区東五反田から同区大崎のゲートシティ大崎イーストタワーに移転[48]
  • 2012年(平成24年) 「パーフェクトデコ」の広告をJJに出稿、二十数年ぶりの一般誌への広告出稿となる[50]、中国に思美定(上海)貿易有限公司を設立、フィリピンにCEMEDINE PHILIPPINES CORP.を設立[48]
  • 2016年(平成28年) 株式会社カネカが株式公開買付けを実施し51%の株式を取得。同社の子会社となる[51]
  • 2017年(平成29年) セメダインオートモーティブ(株)を吸収合併[48]
  • 2019年(平成31年) 思美定(寧波)汽車新材料有限公司を解散し清算[48]
  • 2022年(令和4年) 7月28日に東京証券取引所スタンダード市場上場廃止。8月1日に簡易株式交換によりカネカの完全子会社となる[52]

事件

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ボンド遊び

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1967年頃から社会問題となったボンド遊び問題で「セメダイン」という品名も挙がった。当社製品のことなのか、単に一般名化した「有機溶剤系接着剤」のことなのか判然としないケースが多いが、当社の「セメダインコンタクト」と判明している事例もある[26]

ボンド遊び問題に対しては行政が1973年に毒物及び劇物取締法改正(俗称「シンナー規制法」)、接着剤メーカ各社は接着剤成分変更するという対策がされた。セメダイン社も1975年頃までに成分変更を実施した[49]

カルテル

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1987年にシリコーンシーリング材メーカー11社が独占禁止法違反の価格協定したとして、1988年に公正取引委員会から勧告審決を受けた[53]

労働争議

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労務分野で「セメダイン事件」(2001年判決)と呼ばれている、労働組合関連の判例がある(労働組合法 § 定義[54][55]

リコール(アスベスト含有製品)

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2004年の労働安全衛生法改正により接着剤への石綿(アスベスト)含有率の規制値が厳しくなった(石綿重量比1%超の製品の製造禁止)が、翌年2005年に、接着剤メーカ複数社が法改正後も規制値を超える製品を製造していることが発覚した[56]。 セメダイン社は当初「1998年までに全製品で石綿の配合を全面廃止している」という主旨の説明をしていた[57] が、結局4品種(No 190、No 195、No 199、業務用コンクリメントA)が該当することが判明し、自主回収を行なった[58]。後に製品を改良対策した[59]

リコール(ビンが割れる危険性)

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2016年に、ビンが割れる危険性があるとして自主回収(リコール)を実施した[60][61]。 対象商品は「プラモデル用 30ml」ビン入りのうちの特定日製造分(キャラクター入りの特別品)。

トリビア

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  • 2013年(平成25年) テレビ番組『ほこ×たて』に最強接着剤[要追加記述]として出場し、重機と対決したところ、勝利した[62]
  • 創業当時の手本として引き合いに出される「メンダイン」は、イギリスの会社の接着剤"MENDINE"[34]。「セコチン」もイギリスの会社の接着剤"SECCOTINE"[63]で、後にフランスの会社にもライセンスされた。「テナシチン」もイギリスの会社の接着剤"TENASITINE"[64]。セメダイン社の資料にテナシチンはアメリカ製[C 1]:11とあるが、少なくとも会社はイギリスである。CEMEDINEは商品名を舶来品風に英語表示している[65]。日本で2020年にMENDINEの現物が「セメダインB号」の現物とともに再発見された[66]

出典

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基本資料

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq セメダイン 編『セメダイン五十年史』セメダイン、1973年11月1日。国立国会図書館書誌ID:000001160996 
    • p19引用:「製造に成功したのは...大正十二年秋のことである。その年の十一月、...『セメダイン』と命名し、...製造販売を開始したのである。」
    • p19引用:「...『セメダイン』の語源は...『セメント』と...『ダイン』とによる造成語...というのが通説になっている。しかし一説には...『メンダイン』以下の輸入品を、市場から『攻め』(セメ)出すということから...『セメダイン』の命名になったということである。 」
    • p26-27引用:「大正十二年秋に、『セメダイン』の製造に成功した...が、その商品化にあたっては、...黄色地に赤字を配したカラフルなラベルを使用し、これを『セメダインA号』として市場に送ったが...。そして実際には、この『桜のり』が...『セメダイン』の...一足先に発売され、...。次いでいよいよ『セメダインA号』の発売となったのであるが...」
    • 本書には『セメダイン』発売が大正年間だったという記述はあるが、『セメダインA号』発売が大正年間だったという記述はない。
    • 本書には『セメダインA号』の成分について言及はない。(初代)『セメダイン』との異同についても記述はない。
    • 本書には『カゼイン糊』の発売年、商品名は記載されていない。
    • p35: 商品包装写真
      • CEMEDINE Aのチューブラベル:「有限會社」とあることから1941年以降。
      • CEMEDINE Bチューブ用の箱:「有限會社」「株式会社」いずれもない。価格50銭。
      • CEMEDINE Cチューブ用の箱:「株式会社」とあることから1948年以降。「學校配給品」
      • 事務用さくら糊の箱: 「株式会社」とあることから1948年以降。
      • 写真用櫻糊の箱: 「株式会社」とあることから1948年以降。「写真用桜糊は特殊原料を以って化学的に製造してありますから...」
    • p36: 商品包装写真
      • CEMETEX Bチューブ用の箱:「有限會社」「株式会社」いずれもない。
      • CEMEDINE A縦型用の箱: 「有限會社」「株式会社」いずれもない。18GM入 20銭
      • CEMEDINE B縦型用の箱: 「有限會社」「株式会社」いずれもない。21GM 50銭
      • CEMEDINE C縦型用の箱: 「有限會社」「株式会社」いずれもない。3?GM 30銭
    • p59: 戦前の取引先一覧 納入先: 大手文具店をはじめ、大手自動車メーカ、大手飛行機メーカ。小西六写真工業。飛行機メーカだが接着剤の競合でもあった愛知時計電機も列記。
    • pp78-79: 年次別製品上市概況 (昭和24年~昭和48年の間の各製品の発売年一覧表)
    • p79: 一般市販製品一覧表 昭和35年(1960年) 商品名『学校工作用セメダイン』発売
    • p111引用: 昭和38年業績 販売高: 文教製品595百万円, 工業製品1,134百万円, 粘着テープ1百万円 (出典の数字を四捨五入して短縮)
    • pp202-211: 略年譜
  2. ^ a b c d e ニッポン・ロングセラー考・Vol.018 セメダインC”. COMZINE. NTTコムウエア (2004年11月). 2020年9月18日閲覧。 (「取材協力:セメダイン株式会社」。出典不記載。)
  3. ^ a b 2013年度登録「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」”. 国立科学博物館. 2023年2月22日閲覧。 “第00133号セメダインC ― 日本初の合成接着剤 ―”
  4. ^ a b c d 柳澤, 誠一「3.接着剤の歴史I」『接着剤技術の系統化調査』(pdf)国立科学博物館〈国立科学博物館 技術の系統化調査報告〉、2012年8月20日、390頁https://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/075.pdf2020年9月18日閲覧  ( 国立科学博物館 産業技術史資料情報センター 技術の系統化調査報告書 VI.化学関連 09「接着剤技術の系統化調査」 内)
  5. ^ セメダイン. “CEMEDINE A”. twitter.com (投稿者cemedinecoltd). twimg.com. 2020年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月8日閲覧。 (CEMEDINE Aチューブ型の未加工ラベルの写真)
  6. ^ a b セメダイン. “CEMEDINE B”. twitter.com (投稿者cemedinecoltd). twimg.com. 2020年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月8日閲覧。 (CEMEDINE Bチューブ型の未加工包装の写真)
  7. ^ セメダイン. “CEMEDINE B”. twitter.com (投稿者cemedinecoltd). twimg.com. 2020年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月11日閲覧。 (CEMEDINE B縦型の包装箱の写真)

その他

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  1. ^ a b c d e f セメダイン株式会社 第90期決算公告
  2. ^ a b 日本航空協会 編「航空人名簿 今村善次郎」『航空年鑑 昭和30年版』(pdf)日本航空協会、1955年、375頁https://books.google.co.jp/books?id=w6XBWuAKMIIC&pg=RA1-PA375&dq=%22%E4%BB%8A%E6%9D%91%E5%96%84%E6%AC%A1%E9%83%8E%22&hl=ja&v=onepage#v=onepage&q=%22%E4%BB%8A%E6%9D%91%E5%96%84%E6%AC%A1%E9%83%8E%22&f=false。「(2)明23.11.19; (5)(略) 日本ゴム統制組合連合会接着剤部長 (略)」  (google books)
  3. ^ a b 会社案内 沿革”. セメダイン. pp. 「社名の由来」の項. 2020年9月18日閲覧。 “もう一つの意味があると言われています” (断言はしていない)
  4. ^ 用例: 高橋, 直二、西田, 利明『興味ある図解工作法を中心とした基礎的な模型飛行機の作り方』東港書店、1944年10月1日、31頁。doi:10.11501/1720240https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1720240/23  (「セメダイン」を強力接着剤という意味で使っている)
  5. ^ 「セメンダイン」の用例:
  6. ^ セメン」『三省堂大辞林 第三版』https://kotobank.jp/word/%E3%82%BB%E3%83%A1%E3%83%B3コトバンクより2020年10月20日閲覧 
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    • p2引用: カタログ内商品の見方、表示の説明: 表示内容 - 商品名
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    • p606:第13表「ボンドの種類と成分表」出典:通商産業省商品検査所:家庭用接着剤分析試験結果報告書(抄).東京(1971)
    • p606:第13表 調査対象75例中の延べ吸引者数: セメダインコンタクトA:56; プラボンド:25; セメダインプラモデル用:7; ボンドG-17:5; その他:5
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    • 「手工糊として今や全国を風靡する接合糊界の王座、御仕入れにはぜひ!! 各学校各雑誌御推奨 国産セメダイン」「新型チューブ入」
    • 商品写真は"CEMEDINE"("A"の字は無い); "WILLEFFECTUALLY STICK EVERYTHING"("WILL"のあとにスペースが欠如)
    • 製造元:今村化學研究所、関東代理店:伊藤古一堂、関西代理店:福井商店
    • 同書p74(業者一覧電話帳中)に「今村化學研究所」の項あり
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    • 著者はセメダイン社と無関係だが、本書pp102-106にセメダインの一般市販製品一覧表、工業用セメダインのリスト、工業用セメダイン早見表が掲載してある。
    • p103: 「蛋白質: No.341:セメダインA; No.351:膠質接着剤」(製品群総称を「膠系」と言わず広義の「蛋白質」と言っている)
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外部リンク

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