ズッカーマン数
ズッカーマン数(ズッカーマンすう、英: Zuckerman number)とは、各位の総乗が元の数の約数であるような自然数である。
例えば、315 は各位の総乗が 3 × 1 × 5 = 15 であり、15 は 315 の約数であるので 315 はズッカーマン数である。
ズッカーマン数は無数に存在し、そのうち最小の数は 1 である。十進法でのズッカーマン数を 1 から小さい順に列記すると
性質
編集数の中に一つでも 0 を含む数は各位の総乗も 0 になってしまうのでズッカーマン数でない。特に 10 の倍数はズッカーマン数でない。また一桁の数を除き、レピュニットでない素数はズッカーマン数でない。
ズッカーマン数は無数に存在する。例えば全てのレピュニットは各位の総乗が 1 なのでズッカーマン数である。さらに X が十分大きいとき X 以下のズッカーマン数の個数は少なくとも X 0.122 であるが多くとも X 0.863 でしかない[1]。
ズッカーマン数に限らず自然数の各位の総乗は最初の 4 つの素数 2, 3, 5, 7 のみを素因数にもつ数となるが、そのような数全てがズッカーマン数の各位の総乗として現れるわけではない。例えば各位の総乗が 10 の倍数となる場合、その数自身が 10 の倍数となるためズッカーマン数でない[2]。
一桁の数を除き、4 つ連続した自然数が全てズッカーマン数となることはない。実際、いくつかの連続した自然数が全てズッカーマン数となる場合、上記の通り 10 の倍数はズッカーマン数でないので、それらの数は一の位以外の数字が共通していなければならない。十の位が偶数の場合、一の位が奇数である数はズッカーマン数でなく[3]、十の位が奇数の場合、一の位が 4 の倍数となる数はズッカーマン数でない[4]からである。
一方、(1111, 1112, 1113) や (1111111, 1111112, 1111113) のように一の位以外の数字が全て 1 で一の位が 1, 2, 3 であり、桁数が 3 を法として 1 と合同である数はズッカーマン数である[5]から、3 つ連続した自然数が全てズッカーマン数となる組は無数に存在する[6]。
脚注
編集- 1. ^ (De Koninck 2017). 当初上からの評価として X 0.618 を主張していた (De Koninck 2007, Theorem 1) が、その後誤りがあることが指摘された。
- 2. ^ (De Koninck 2007, pp. 76–77)
- 3. ^ その数は奇数だが各位の総乗は偶数となる。
- 4. ^ その数は単偶数(2 の奇数倍)だが各位の総乗は 4 の倍数となる。
- 5. ^ 一の位が 2 ならばその数は偶数で各位の総乗は 2 となり、一の位が 3 ならば桁数が 3 を法として 1 と合同であることからその数は 3 の倍数個の 1 と 1 個の 3 からなるので 3 の倍数、かつ各位の総乗は 3 となる。
- 6. ^ (De Koninck 2007, Proposition 2)
参考文献
編集- De Koninck, Jean-Marie; Luca, Florian (2007), “Positive integers divisible by the product of their nonzero digits”, Portugaliae Mathematica: 75–85, doi:10.4171/PM/1777
- De Koninck, Jean-Marie; Luca, Florian (2017), “Corrigendum to "Positive integers divisible by the product of their nonzero digits", Portugaliae Math. 64 (2007), 1: 75–85”, Portugaliae Mathematica: 169–170, doi:10.4171/PM/1999
- Tattersall, J. J. (2005), Elementary number theory in nine chapters, Cambridge: Cambridge University Press, pp. 86, ISBN 0521615240