スノーモービル英語snowmobileスノーモビル)とは、1人または2人乗りの小型雪上車である。積雪地域の日常的な交通手段として用いられるほか、スキー場を始めとする雪山での監視捜索救難、冬季のアウトドアレジャーなどにも広く用いられる。

スノーモービル
ルーマニア発明家アンリ・コアンダ1910年に作った空気圧を利用して推進する原初的スノーモービル。
同じく1910年頃の凍結したミシシッピ川を走る原初的スノーモービル
カナダケベック州にて1962年の撮影。
スノーモービル/2004年撮影。

概要

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操舵装置として前部に「スキー」と称されるソリ部分を、駆動装置として後部に無限軌道(トラックベルト)を備えている。

跨座式の座席と棒形のハンドルを備え、乗員の乗車姿勢はオートバイなどの乗り物に近い。

エンジンもオートバイのものが流用されることが多く、排気量は90cc前後から1,000cc近くまで、形式は2ストローク/4ストローク空冷/水冷がそれぞれ存在する。基本的に搭載位置はフロント部分であり、つまりスノーモービルの駆動形式はFRが一般的となる。

歴史

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カナダジョセフ・アルマン・ボンバルディアは、1922年ゴム製の無限軌道(トラックベルト)を駆動装置とし、そりによって操舵する現代のスノーモービルの基本構造を備えたものを開発した。1936年に製品として完成させ、翌1937年から「B7」と名付けられたスノーモービルの販売を開始している。このため、ボンバルディア社が本拠を置くカナダ・ケベック州は「スノーモービル発祥の地」と呼ばれることがある。

武装スノーモービル
戦闘用スノーモービル RF-8

軍用スノーモービル

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20世紀初頭のロシア帝国では、無限軌道ではなくプロペラによって推進される動力ソリ『アエロサン』が独自に開発され、犬ぞりに代わる冬季間の移動手段として用いられていた。

第一次世界大戦および第二次世界大戦では軍用型が開発され、中には機銃や軽装甲まで装備した武装型までもが、冬季、氷雪上という運用上の大きな制限こそあったが、実用化されていた。

アエロサンは現在も運用されており、中にはボートとして夏季も使用できる水陸両用型もある。

なお、ソ連軍と対峙していた東部戦線のドイツ陸軍でも類似の雪上車両「タトラV855」が試作されたが、制式採用されなかった。

製造メーカー

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過去に生産していたメーカー

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法規における扱い

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日本

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道路交通法施行規則によるとカタピラを有する自動車は大型特殊自動車に該当するが、スノーモービルは内閣府告示により普通自動車として扱われる。したがって、道路交通法の適用される道路の上を走行する場合は普通自動車免許もしくは、準中型自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許で運転でき、ヘルメットの着用は義務づけられない。

道路交通法の適用される道路以外でスノーモービルを運転する場合は法律上の免許は不要であるが、事故の防止や自然環境を保護を主眼とした講習が行われている[2]国有林[3]国立公園など、乗り入れを規制された場所に立ち入ると懲役、禁錮や罰金などの処罰を受ける場合がある[4][5]

現在は型式認定を受けた製品は製造あるいは輸入されていない[6][7]が、2011年豪雪を機に、大規模な降雪で通行止めになった公道に限り、所管の警察署に道路使用許可の届出を行なえば通行を認める例外規定が設けられている[8][9]

海外

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需要が多い北欧ではスノーモービル用の免許が存在し、普通自動車よりも取得しやすくなっている(ヨーロッパの運転免許)。

レース

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スノーモービルによる水上走行英語版。地域(メイン州[10]、ネブラスカ州など)によっては死亡者が出ていることから禁止されているが、一部の国ではライフジャケット着用の上でスポーツとして行われる[11]

日本では、全日本スノーモビル選手権などが開催される[12]

脚注

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関連項目

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外部リンク

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