サンオ型潜水艦SSC SANG-O CLASS(サンオがたせんすいかん)は北朝鮮が開発・運用する全長35mの小型通常動力型潜水艦(資料によっては潜水艇とも)。約40隻程度、保有されているとされる。「サンオ」(상어 Sang-O/Sang-Eo)は朝鮮語でを意味する。

サンオ型潜水艦
基本情報
運用者 朝鮮人民軍海軍偵察局?
前級 ユーゴ型
次級 コレ型
建造費 不明
艦歴
要目
排水量 浮上時: 256 t
潜水時: 277 t
長さ 35.5 m
3.8 m
吃水 3.7 m
推進 電動機 1基
ディーゼルエンジン 1基
速力 水上: 7.6ノット
シュノーケル時: 7.2ノット
潜水: 8.8ノット
航続距離 行動半径:250海里
最大潜航距離:40海里
潜航深度 150m
乗員 19人 (さらに水中工作員6人)
兵装 533 mm 発射管 - 2門または4門(予備魚雷は無)
レーダー 捜索レーダー
ソナー パッシブソナー
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性能

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ユーゴ型潜水艇と同様に、沿岸域での哨戒、工作員の潜搬入・回収、情報収集を主任務とする。航洋性は低く、2〜3日程度の航海が限度であるが、ユーゴ型と異なりベッドや便所があったため、ある程度長期間(10日程度)の航海も考慮されているようである。機密保持用に自爆装置が備え付けられているが、後述の浸透時にはうまく作動せず、多くの機密情報が韓国側に渡っている。

武装として艦首に2門か4門の魚雷発射管を装備しているが、予備魚雷用のスペースは無く、水中で工作員を放出するためのハッチが追加されていた。若干の物資と6〜10名程度の工作員を輸送可能。工作員輸送専用に改造したものを「P-4」と呼称するという。

運用

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北朝鮮北東沿岸の咸鏡北道清津市に重点的に配備され、韓国への工作員の放出・回収を行なっていると考えられる。1996年には韓国潜入中のサンオ型1隻が事故で座礁し、韓国軍に鹵獲されている(江陵浸透事件)。その際の艦は現在、江原特別自治道江陵市安仁津里海岸に展示されている。

このほか、2004年1月に2隻のサンオ型が韓国領海に侵入し、数日にわたって活動(情報収集か)したことが発表されている。

参考文献

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  • 世界の艦船 増刊第73集(通巻第657集) 世界の海軍 2006-2007』 海人社、2006年

関連項目

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外部リンク

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