コスモス国際賞
日本の環境分野の国際賞
コスモス国際賞(コスモスこくさいしょう)とは、1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」を記念し、その理念である「自然と人間との共生」の継承、発展を目的に、公益財団法人国際花と緑の博覧会記念協会が創設した国際賞。
概要
編集1993年より始まり、対象は地球上のすべての生命現象に関し、生命体相互の関係性、統合性の本質を解明しようとする研究や業績で、具体には、自然界における生命のさまざまなありよう、及びそれらと人間との関わり、自然の一員として人間の文化や文明活動に関する研究や業績であって、「自然と人間との共生」という理念の発展に貢献すると認められるもの。1個人または1チームに賞金4000万円を授与する。
- 対象とする分野
- 自然科学、人文・社会科学などの幅広い分野の研究
- 賞の理念に関連する思想、芸術、評論等の業績
- 選考の観点
- 地球的視点にたったものであること。特定の地域や個別的現象に関するものであっても普遍性があるもの。
- 直接的な問題解決型ではなく、長期的な視点を持つもの。
- 包括的、統合的なものであること。
- 選考
内外の学識経験者からなる「コスモス国際賞委員会」と、そのもとに「コスモス国際賞選考専門委員会」を設け、それらの組織で世界各国からの推薦が審査され、受賞者が決定される。
受賞者と授賞理由
編集- 2024年(第31回) - ウィリアム・ジェームズ・サザーランド[1]
- 2022年(第29回) - フェリシア・キーシング
- 2021年(第28回) - ピーター・ベルウッド
- 2020年 - 新型コロナウイルス感染症の影響により中止
- 2019年(第26回) - スチュアート・ピム 数学の手法を使って生物種の絶滅速度を分析し、人間の活動により自然状態と比べ約千倍の速さで絶滅が起きていると警告
- 2018年(第25回) - オギュスタン・ベルク 自然と文明を別物とみなす二元論の克服を提唱した業績
- 2017年(第24回) - ジェーン・グドール 野生チンパンジーの研究を通じて人間の本性の進化的起源を明示
- 2016年(第23回) - 岩槻邦男
- 2015年(第22回) - ヨハン・ロックストローム プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)という新しい概念における研究成果。国連の持続可能な開発目標の策定に影響[2]
- 2014年(第21回) - フィリップ・デスコラ
- 2013年(第20回) - ロバート・トリート・ペイン
- 2012年(第19回) - エドワード・オズボーン・ウィルソン
- 2011年(第19回) - 海洋生物センサス科学推進委員会
- 2010年(第18回) - エステラ・B・レオポルド
- 2009年(第17回) - グレッチェン・デイリー
- 2008年(第16回) - ファン・グェン・ホン
- 2007年(第15回) - ジョージナ・メイス
- 2006年(第14回) - ラマン・スクマール
- 2005年(第13回) - ダニエル・ポーリー
- 2004年(第12回) - フーリャ・カラビアス・リジョ
- 2003年(第11回) - ピーター・ハミルトン・レーブン
- 2002年(第10回) - チャールズ・ダーウィン研究所
- 2001年(第9回) - アン・ウィンストン・スパーン
- 2000年(第8回) - デイビッド・アッテンボロー
- 1999年(第7回) - 呉征鎰(ウー・チェン イー)
- 1998年(第6回) - ジャレド・ダイアモンド
- 1997年(第5回) - リチャード・ドーキンス
- 1996年(第4回) - ジョージ・ビールズ・シャラー
- 1995年(第3回) - 吉良竜夫
- 1994年(第2回) - ジャック・フランソワ・バロー
- 1993年(第1回) - ギリアン・トルミー・プランス
脚注
編集- ^ “コスモス国際賞に英博士 生物保全科学の先駆者”. 東京新聞 (2024年7月17日). 2024年7月18日閲覧。
- ^ 国際花と緑の博覧会記念財団. “2015年度(第23回)コスモス国際賞授賞式”. 2016年11月24日閲覧。