キ99 (航空機)
概要
編集1943年(昭和18年)[1][2][3]、陸軍はその研究方針の中で陸海軍間での局地戦闘機の機種統合を目指し[1]、同年7月5日に航密第8476号で[2]三菱重工業に対し陸海軍共同試作機となる近距離戦闘機[2][3](局地戦闘機[1])の試作を指示した[1][2][3]。
陸軍の要求は、速度と上昇力を重視するとともに軽快性を併せ持ち、最大速度は750 km/h、常用高度は4,000 - 11,000 m、行動半径は最大800 kmに加えて巡航1時間 + 全力30分の余裕を持つことを目標とするものだった[3]。武装については20mm機関砲2門と30mm機関砲1 - 2門の装備のほか、40mm機関砲や軽微な爆撃装備の研究も求められていた[3]。
三菱はこれを受けて、三菱「ハ211」[1][2]または「ハ211ル」エンジン[4]を搭載した単座単発機を計画した[1][2]。1946年(昭和21年)3月の審査完了を予定していたが[3]作業は停滞し[2]、開発機種整理総合に伴い[1]基礎設計段階で[2]1944年(昭和19年)5月に開発は中止された[1][2][3]。
諸元(計画値)
編集出典:『日本陸軍の試作・計画機 1943〜1945』 62頁、『日本航空学術史(1910-1945)』 417頁。
脚注
編集参考文献
編集- 佐原晃『日本陸軍の試作・計画機 1943〜1945』イカロス出版、2006年、62頁。ISBN 978-4-87149-801-2。
- 歴史群像編集部 編『決定版 日本の陸軍機』学研パブリッシング、2011年、76頁。ISBN 978-4-05-606220-5。
- 秋本実『日本陸軍試作機大鑑』酣燈社、2008年、92頁。ISBN 978-4-87357-233-8。
- 粟野誠一ほか編『日本航空学術史(1910-1945)』日本航空学術史編集委員会、1990年、417頁。全国書誌番号:90036751。