オイルヒーター
概要
編集オイルヒーターは密閉容器内の難燃性の油を電熱器で暖めて循環させてラジエーターフィン(放熱板)から放熱し、対流や輻射熱によって部屋を暖める暖房器具である。電気料金が比較的安く家屋の気密性と断熱性の高いヨーロッパを中心に普及しているが、日本では電気料金の高さやオイルヒーター本体が石油ストーブなどと比較し高額だったこともあって従来はあまり普及していなかった。しかしその後に本体低価格化と安全性の高さ、家屋の気密性と断熱性の向上から注目され、利用が広がってきている。電気代を節約するため電力会社と「時間帯別電灯契約」を行ない、安全性と静粛性を生かして夜間のみ使用することで費用を安くする方法もある。
利点
編集- 安全性が高い[1][2]。
- 部屋の空気を汚さない[1][3]。
- 騒音が無い[1][4][3]。
- 運転音がほとんど無いため、非常に静かである。ただし機械式サーモスタットのON/OFF音、タイマーの動作音などがする機種もあるが近年多いマイコン式ではほぼ無音である。
- メンテナンスが容易である[3]。
- 移動が出来る。
上記の理由からデスクの下など、足下や体の近くに置く暖房としての利点が多い(臭いがない、静音、触れても即火傷にならない等)。このため部屋全体を暖める大型機とは別に、足下用の小型機を製造しているメーカーもある。
欠点
編集- 暖かくなるのが遅い[1][4]。
- ランニングコストが高い[2][4]。
- 日本式の家屋にあまり向いていない。
- 日本の家屋は欧州、北欧、北米などの家屋に比べ、圧倒的に断熱性が低い。海外では窓に結露が発生すると欠陥住宅扱いとなる場合もあるほど断熱性能が高い。
- 伝統的な日本の家屋は夏の蒸し暑さの対策のために換気のよさが重視され、窓や障子・襖の面積が広く作られている。しかしオイルヒーターは暖めた空気を自然対流で循環させる方式のため、換気によって効率が悪くなる。また、日本式の家屋は木造住宅が主流でヨーロッパに多いレンガ造りの住宅に比べて蓄熱性が低いため、オイルヒーターでは部屋が暖まりにくい。逆に言えば近年多いRC造や、木造であっても断熱材が追加され、ペアガラス、トリプルガラスが採用された断熱性が高い家屋、トイレのように壁で囲まれた狭い個室では効果を発揮する。
- 廃棄が困難
製造会社
編集適合する家屋の特性と普及経緯から、ヨーロッパのメーカーが多い。
→詳細は「デロンギのオイルヒーター一覧」を参照
脚注
編集- ^ a b c d e 安井至 (2008年2月20日). “安井至のエコミシュラン 第12回 オイルヒーター……安全だが効率の悪さに不満”. ITPro. 日経BP社. 2013年1月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 田井隆輔(インタビュアー:種子島健吉)「売れるのには理由がある:空気を汚さず乾燥もしにくい、デロンギのオイルヒーターは温める概念が違う (1/2)」『ITmedia』、2012年12月21日 。2013年1月15日閲覧。
- ^ a b c 戸井田園子 (2011年11月15日). “ファンヒーター、遠赤外線ヒーター、オイルヒーター”. All About. オールアバウト. 2013年1月15日閲覧。
- ^ 五十音で引くワケ方事典(ア行) - 仙台市。大きさにかかわらず定額。
- ^ 品目別収集区分一覧表(50音順) - 大阪市。大きさにより費用が異なる。
- ^ 一般家庭から排出された適正処理困難物の処理について - さいたま市。
- ^ 【オイルヒーター】製品のリサイクルについて - デロンギ