ウィーン中央駅

オーストリアの鉄道駅

ウィーン中央駅(ウィーンちゅうおうえき、Wien Hauptbahnhof)は、オーストリアウィーン10区(ファヴォリーテン)にあるオーストリア連邦鉄道(オーストリア国鉄)の鉄道駅

ウィーン中央駅
中央口
Wien Hauptbahnhof
所在地  オーストリア ウィーン10区
北緯48度11分6秒 東経16度22分40秒 / 北緯48.18500度 東経16.37778度 / 48.18500; 16.37778 (ウィーン中央駅)
管理者 オーストリア連邦鉄道
駅構造 高架駅地下駅
開業年月日 2012年一部開業、2014年全面完成
テンプレートを表示

2組の頭端式ホームと貨物駅で三角形の配置になっていたウィーン南駅を解体し、通過式ホームのターミナル駅が建設された。オーストリア南部鉄道東部鉄道西部鉄道の結節点となっている。

概要

編集

ウィーンに中央駅を設置しようという計画は19世紀末よりあったが、資金面の問題から何度も棚上げになっていた。2006年12月15日に土地の公共物指定計画 (Flächenwidmungsplan) が決定し、2007年6月12日、近隣のSバーンジュートティローラープラッツ駅 (Südtiroler Platz) の改築などを含めた準備工事の起工式が行なわれた[1]2009年12月には南駅の一部が閉鎖されて駅本体の工事が始まり、それまで南駅を発着していた南方面の長距離列車はウィーン・マイドリング駅発着に変更された。

2012年末には駅施設の一部が先行開業し、2014年12月に全面開業した。

名前の通りウィーンの代表駅となることが期待されているが、南部に延長される地下鉄U2線が中央駅に直接乗り入れる計画がなく、市内中心部への接続の悪さを指摘する意見もある[2]

中央駅の西を通る地下鉄U1線Südtiroler Platz駅はHauptbahnhof駅に改称されたほか、市電D番はこれまでウィーン南駅の東側で折り返していたものを1区間延長、中央駅高架下へ乗り入れ、ここにHauptbahnhof ost停留場を新設している。

 
ウィーン南駅(1992年) 貨物駅のあたりに新駅が建設された

再開発

編集
 
新駅と再開発地区(2019年)

貨物駅の廃止、また2組のホームが集約されてコンパクトな駅配置になることにより、まとまった広さの土地が余剰となった。この土地は再開発用地となり、オフィス・住宅を主体とした新しい街区が計画された。ジュートティローラー広場に面する正面入口の周辺には高さ60 mの高層ビルが10棟、100 mの超高層ビルが1棟建てられる予定である。さらに、再開発される一帯の中心部には公園も造成される。これらの建物は、近隣のベルヴェデーレ宮殿の景観を損ねないよう配慮されている。

再開発の費用として約20億ユーロが投資され、このうちオーストリア国鉄が約6億ユーロ、ウィーン市が約1億5,000万ユーロ、残りを個人投資家たちが出資する。

地下に相対式ホーム1面2線、地上に島式ホーム5面10線がある。

ホームの使用状況
番線 路線 種別 行先
地下ホーム
1 南部線 R快速・S 1S 2S 3普通 ウィーナー・ノイシュタット方面
2 北部線 R快速・S 1普通 ゲンザーンスドルフ方面
東部線ラー支線 R快速・S 2普通 ヴォルカースドルフ方面
北西部線 R快速・S 3普通 ホラブルン方面
地上ホーム
3~8 工事中
9・10 ポッテンドルフ線 REX特別快速・S 60S 80普通 エーベンフルト方面
東部線 REX特別快速 ブルック・アン・デア・ライタ経由アイゼンシュタット方面
11・12 東部線 REX特別快速・S 60普通 ブルック・アン・デア・ライタ方面
東部線マルヘグ支線 REX特別快速・R快速・S 80普通 マルヘグ方面

脚注

編集
  1. ^ Bau für Hauptbahnhof Wien hat begonnen - オーストリア放送協会「ウィーン中央駅の工事始まる」、2007年6月12日。
  2. ^ Weshalb fährt die U2 am geplanten Hautbahnhof vorbei? - 地元紙 Der Falter「なぜ地下鉄U2線は計画中の中央駅を通過するのか?」

参考文献

編集
  • Wien Museum: Großer Bahnhof: Wien und die weite Welt. Czernin Verlag, Wien 2006. ISBN 3-7076-0212-5

外部リンク

編集