イタリアの政治
イタリアの政治(イタリアのせいじ)は、イタリア共和国憲法に基づいて行われる。
憲法
編集イタリア共和国憲法(伊: La Costituzione della Repubblica italiana)は、1948年1月1日に施行され共和制を規定している。
元首
編集イタリアの大統領の正式名称は、共和国大統領(伊: Presidente della Repubblica Italiana)で、任期は7年。選出方法は間接選挙制で、投票資格は、議会の両議院議員と各州代表各3名(ヴァッレ・ダオスタ州のみ1名)の総計1009人に与えられる[1]。イタリアの大統領は、通常は内閣や議会の決定に基づいて、形式的な権限を行使するにすぎないが、首相任命権や議会解散権などを通じて実権を発動する可能性を秘めている。軍の指揮権も持つ[2]。
行政
編集イタリアの首相の正式名称は、閣僚評議会議長(伊: Presidente del Consiglio dei Ministri)で、行政は首相を長とする内閣が統轄する。首相は、大統領が指名し、議会が承認する。各省の大臣は、首相の指名に基づき、大統領が任命する。議院内閣制をとっており、内閣は議会の信任を得なければならない。
内閣
編集省庁
編集立法
編集イタリア議会(伊: Parlamento Italiano)は、以下の二つの議院によって両院制が構成されている。
- 共和国元老院(伊: Senato della Repubblica)
- 上院に相当する議院で、任期5年の民選議員315議席と、終身議員6(2021年10月現在)とで構成される[3]。元大統領は本人が拒絶しない限り、終身議員となる。その他、科学や芸術などの分野で国の名誉を高めた功労者の中から大統領が指名した者が終身議員となる。
- 代議院(伊: Camera dei Deputati)
- 下院に相当する議院で、全630議席で、任期5年の民選議員によって構成される。
両院の権能は完全対等で、双方とも内閣不信任決議権を持つとともに、大統領によって解散されうる。
選挙
編集両議院の選挙制度は、小選挙区比例代表並立制である。1993年の大改正で小選挙区と比例代表の並立制であったが、2005年12月の選挙制度改正では完全比例代表制となった。その後2017年の選挙法の改正で並立制が復活した[4]。
司法
編集- 最高司法官評議会(伊: Consiglio superiore della magistratura)
地方自治
編集イタリアは伝統的に中央集権の流れが強く、ファシスト政権時代には徹底的に地方分権が押さえ込まれた。戦後もシチリアなど本土から離れていたり、南チロルなど多民族が共生する地域に設置された特別州を除けば、(周辺国であるドイツやスペインに比べて)地方分権には否定的であった。1972年の改革により漸く州政府の設置が認められるが、財政面や法律運用など重要な部分は中央政府の統制化に置かれている。
こうした中央集権の強い現状への批判から自治運動が盛んな北イタリアを中心にロンバルディア同盟などの地方議会の権限強化を望む地域政党が成長し、1991年には他の州の地域政党が連合して北部同盟(現・同盟)が結成された。彼らは「連邦制か、さもなくば独立か」をスローガンに、移民者排斥などの過激主張や中央政府の南部優遇政策への批判を展開、タンジェントポリにより既存政党が衰退していた事もあって飛躍的に党勢を伸ばした。その後は独立騒動による支持者の離反によって低迷するが、不法移民への反感の高まりを背景にイタリア中部・南部の左派票を獲得して復活を果たした。現在[いつ?]、南部でも「自治という選択」などの地域政党が成長しており、中央政府がこの動きにどう対応するかが注視されている。
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政党
編集- 五つ星運動 - 左派
- イタリアの同胞 - 右派
- 同盟 - 中道右派連合
- 民主党 - 中道左派連合
- フォルツァ・イタリア - 中道右派連合
脚注
編集出典
編集- ^ “イタリア大統領選、8回目の投票で決着 現職マッタレッラ氏が再選”. 朝日新聞社. 2022年1月30日閲覧。
- ^ “イタリア大統領、現職が再選 難航受け一転続投へ”. 共同通信社. 2022年1月30日閲覧。
- ^ “イタリア基礎データ”. 外務省. 2022年1月30日閲覧。
- ^ “イタリア、新選挙法案を可決 ポピュリズム政党台頭にクギ”. 日本経済新聞社. (2017年10月27日) 2019年9月21日閲覧。
外部リンク
編集- イタリア基礎データ | 政治体制・内政 - 外務省
- 首相官邸
- イタリア政府 (上記サイトのミラー)
- 政党競合の2ブロック化論をめぐる考察―イタリア第2共和制における政党政治の変化[リンク切れ]