アマツバメ (Apus pacificus) は、鳥綱アマツバメ目(ヨタカ目とする説もあり)アマツバメ科アマツバメ属に分類される鳥類。

アマツバメ
アマツバメ
アマツバメ Apus pacificus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: アマツバメ目/ヨタカ目
Apodiformes/Caprimulgiformes
: アマツバメ科 Apodidae
: アマツバメ属 Apus
: アマツバメ A. pacificus
学名
Apus pacificus (Latham, 1802)[1][2]
和名
アマツバメ[2]
英名
Pacific swift[2][3]
  夏季営巣地
  棲息地
  越冬地

分布

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種小名pacificusは「太平洋の」の意で英名と同義。

夏季に中華人民共和国、日本、ロシア南東部、ヒマラヤ山脈で繁殖し、北半球における冬季は東南アジアやオセアニアで越冬する。日本には夏季に基亜種が北海道、亜種アマツバメが本州、四国、九州に繁殖のため飛来(夏鳥)する。

形態

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全長19-20cm。翼開張43cm。尾羽はアルファベットの「V」字状。全身は黒や黒褐色の羽毛で覆われる。下面には白い横縞が入る。喉と腰は白い羽毛で覆われ、英名(white-rumped=白い尻をした)の由来になっている。

分類

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2011年に形態から、Apus cookiApus leuconyxApus salimaliiを分割し独立種とする説が提唱された[4]

以下の亜種の分類・分布は、IOC World Bird List (v10.1)に従う[1]。一方で2019年の時点でClements Checklist (v2019)では、中華人民共和国東部や台湾・日本南部・フィリピン北部で繁殖する亜種アマツバメA. p. kurodaeと基亜種のみで2亜種とする説を採用している[3]

Apus pacificus pacificus (Latham, 1802)
シベリアからカムチャツカ半島、中華人共和国北部、日本
Apus pacificus kanoi (Yamashina, 1942)
チベット南東部から中華人民共和国東部にかけて、台湾
2011年にはA. p. kanoiを、より記載の早いA. p. kurodaeのシノニムとする説が提唱されている[4]。一方でA. p. kurodaeを基亜種のシノニムとする説もある[4]A. p. kurodaeの模式産地は単に日本とされているが、模式標本は第二次世界大戦により消失してしまっている[4]

生態

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高山帯や海岸の断崖などに生息する。渡りの際には平地や市街地で見られることもある。

がん壁等にしがみ付いてぶら下がるように止まる。地面に降りると、で歩いたり羽ばたいて飛び立ったりできない。食性は動物食で、昆虫類を食べる。交尾睡眠を飛びながら行なう事もある。

繁殖様式は卵生。断崖に空中で集めた枯草などを唾液で固めた皿状のを作り、日本では6 - 8月に1回に2-3個のを産む。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は約40日。

飛行速度は106MPH(169km/h)に達することもあり、鳥類の中でも最速の部類に入る。

出典

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  1. ^ a b Owlet-nightjars, treeswifts, swifts, Gill F, D Donsker & P Rasmussen (Eds). 2020. IOC World Bird List (v10.1). https://doi.org/10.14344/IOC.ML.10.1. (Downloaded 15 June 2020)
  2. ^ a b c 日本鳥学会「アマツバメ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会、2012年、111頁
  3. ^ a b Clements, J. F., T. S. Schulenberg, M. J. Iliff, S. M. Billerman, T. A. Fredericks, B. L. Sullivan, and C. L. Wood. 2019. The eBird/Clements Checklist of Birds of the World: v2019. Downloaded from https://www.birds.cornell.edu/clementschecklist/download/ (Downloaded 15 June 2020).
  4. ^ a b c d Paul J. Leader, "Taxonomy of the Pacific Swift Apus pacificus Latham, 1802, complex," Bulletin of the British Ornithologists' Club, Volume 131, Number 2, 2011, Pages 81-93.
  • 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社2008年、40-41頁。
  • 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版2004年、103頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科8 鳥II』、平凡社1986年、102、105、161頁。
  • 高野伸二編 『山溪カラー名鑑 日本の野鳥 特装版』、山と溪谷社、1985年、353頁。
  • 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会2007年、204-205頁。
  • 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、55、172頁。
  • 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社2000年、377頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、76頁。

関連項目

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