アシシロハゼ(学名:Acanthogobius lactipes)は、汽水域から内湾に生息するハゼの一種。ゴマハゼやツシマハゼとも呼ばれる。マハゼミナミアシシロハゼによく似ている。フランツ・ヒルゲンドルフによって新種記載された[2]

アシシロハゼ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ハゼ亜目 Gobioidei
: ハゼ科 Gobiidae
亜科 : オクスデルクス亜科 Oxdercinae
: マハゼ属 Acanthogobius
: アシシロハゼ A. lactipes
学名
Acanthogobius lactipes
(Hilgendorf, 1879)
和名
アシシロハゼ(足白鯊、脚白沙魚)

分布と生息地

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オホーツク海日本海瀬戸内海伊豆諸島を除く大隅半島以北の太平洋渤海黄海南西諸島を除く東シナ海に分布し、汽水域から内湾に生息する[3]霞ヶ浦のような淡水湖河川の下流でも見られることがある。砂底や砂礫底を好む[4]

形態

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全長8-10cm[5]。マハゼは18cmほどになり、頭や鱗が比較的大きいことで見分けられる。鰓蓋には鱗がない。ミナミアシシロハゼと異なり、オスの第1背鰭の棘は糸状に伸び、メスの第1背鰭には黒色斑を有する[3]。成熟すると白色の横帯が腹側に複数現れる[6]臀鰭条数は9-10、背鰭条数は10-11、胸鰭条数は18-19、縦列鱗数は34-37[4]

生態

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小型の甲殻類などの底生動物藻類を食す雑食性。繁殖期は5-9月で、汽水域の石や貝殻の下面にオスが巣を作り、そこに卵が産みつけられる。卵はオスによって保護される[4]

利用

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佃煮の材料として利用されている[7]

脚注

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  1. ^ IUCN Red List of Threatened Species. Version 2020.3. Acanthogobius lactipes” (英語). IUCN. 2024年2月4日閲覧。
  2. ^ アシシロハゼ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑”. ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑. 2022年9月24日閲覧。
  3. ^ a b 『新版 日本のハゼ』235頁
  4. ^ a b c 『増補改訂 日本の淡水魚』 495頁
  5. ^ Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Acanthogobius lactipes" in FishBase. February 2024 version.
  6. ^ 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』389頁
  7. ^ 『ポケット図鑑 日本の淡水魚258』257頁

参考文献

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  • 瀬能宏・矢野維幾・鈴木寿之・渋川浩一『新版 日本のハゼ』平凡社 ISBN 978-4-582-54261-5
  • 藤田 朝彦・武内 啓明・川瀬 成吾著 細谷 和海編 内山 りゅう写真『山溪ハンディ図鑑 増補改訂 日本の淡水魚』山と渓谷社 ISBN 9784635070430
  • 中坊徹次『小学館の図鑑Z 日本魚類館』小学館 ISBN 978-4-09-208311-0
  • 松沢陽士『ポケット図鑑 日本の淡水魚258』文一総合出版 ISBN 978-4-8299-8300-3

関連項目

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