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旭化成が基幹システムをS/4HANAで再構築、標準化/スリム化でアドオン開発は2400から1100に

2023年9月14日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

旭化成がSAP ERPによる基幹業務システムをSAP S/4HANAで再構築し、2023年に稼働開始した。アドオン開発を2400個から1100個に減らすなど標準化・スリム化を図っている。SAPジャパンが2023年9月14日に開催した説明会で、基幹システムの変遷と共にプロジェクトの推移を説明した。

 旭化成グループは、事業持株会社と7つの事業会社を中核に、マテリアル、住宅、ヘルスケアの3領域で事業を営んでいる。

 同社は長期にわたってSAP ERPで構築した基幹業務システムを運用してきた。2012年までは、グループの事業や業務ごとに13のERPを稼働させていた。2013年より稼働を始めた前システムでは、事業ごとに分かれていたERPを単一のインスタンスに統合し、ERPを3つに集約した。事業ごとの要件をアドオン開発でカバーした。

 今回の再構築プロジェクトは、SAP ERP ECC6.0が2025年に保守切れになることを受けて始動。現行バージョンのSAP S/4HANAでシステムを刷新した(図1)。

図1:旭化成におけるERPの遷移(出典:旭化成)
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 機能面では、税制など法制度変更への対応が容易になった。システム性能面では、インメモリー動作やデータ構造の単純化によって処理が高速になった。

 前回の刷新時には統合できていなかったヘルスケア領域のERPシステムを統合している。また、2003年構築の旧システムから変更していなかった会計システムを、S/4HANAの標準機能を用いて刷新した。その際、会計伝票を入力するシステムや、会計データ連携のためのデータ変換を廃止している(図2)。

図2:SAP S/4HANAによるERP刷新の概要(出典:旭化成)
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 事業や業務ごとの要件を吸収したアドオン開発について、開発プログラムは2400あったが、今回のプロジェクトでこれを1100へと半数以下に減らし、周辺システムも廃止した。図3は現在のERPシステムの構成である。一部に固有のシステムが残っているが、多くをS/4HANAで実現している。

図3:現在の旭化成のERPシステムの状況(出典:旭化成)
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