未経験の運動による心拍数、Apple Watchで予測可能〜研究者発表
Apple Watchを使って、運動により心拍数がどの程度変動するかを、運動を開始する前に予測できる機械学習モデルをAppleの研究者らが発表しました。未経験の運動による心拍数も正確に予測可能です。
個人に最適なワークアウト計画の作成などに活用可能
Appleの研究者らが発表したのは、Apple Watchで収集した、エクササイズ中の心拍数の生理学的モデルとニューラルネットワークを組み合わせた機械学習モデルに関する研究成果です。研究成果は、神経情報処理システムに関する学会(NeurIPS 2022)で発表され、Appleの機械学習に関する研究成果集「Machine Learning Research」に掲載されています。
研究は、2019年から2022年にかけて、7,465名の参加者の屋外ランニングデータを解析して実施されています。
機械学習モデルを用いることで、Apple Watchで収集した大量のデータから、これから行うワークアウトにより心拍数がどう反応するか、最大2時間という長時間にわたって正確に予測できるのが特徴です。
この予測モデルにより、個人に最適なワークアウトの計画を立てる際や、ワークアウト中の心拍数ゾーンや消費カロリーの推定に活用できると期待されています。
未体験の運動による心拍数変動も予測可能
発表された予測モデルは、過去のワークアウトで収集した心拍数測定値をもとに、ユーザーがApple Watchを装着していなくても、iPhoneから収集したワークアウト情報を使って消費カロリーを推定することも可能です。
また、気温や湿度といった気象条件によって身体が必要とする酸素量は変化します。Appleの開発したモデルでは、地域の気候情報を考慮に入れることで、心拍数の変動をより正確に予測可能です。
ストレスレベルを把握可能との研究も
先日、カナダのウォータールー大学の研究者が、Apple Watchの心電図(ECG)機能を使ってユーザーのストレスレベルを把握できるとの研究成果を発表しています。
Source:Apple via MyHealthyApple
Photo:Apple/YouTube
(hato)