2017年に大ブーム起きたMastodon、公式iOSアプリが登場
Twitterに取って代わる分散型SNSとして、一時期大きな話題を集めた「Mastodon」のiOS向け公式アプリが登場しました。
【追記】運営状況についての記載に間違いがあったため、訂正いたしました。
2017年頃に大ブームに
企業がプラットフォームを中央集権的に統括する一般的なSNSとは異なり、非営利団体が運営するMastodonは、独立して運営されるコミュニティ(インスタンス)を中心に構築されており“中心”が存在しません。
そのため、プラットフォームを運営する企業からの監視や検閲を嫌うユーザーを主体に爆発的な盛り上がりを見せ、2017年頃には「次世代ソーシャルメディア」「21世紀型インターネットのありかた」と話題になりました。
一時はネット上の中傷に対する法制強化に伴う運営負担などが懸念されていましたが、2020年6月30日に「mstdn.jp」はアメリカのSujitechに譲渡され、運営が継続されています。
独立型SNSの需要は根強い
とはいえ、昨年の米大統領選挙ではフェイクニュースや陰謀論の拡散が大きく問題視され、ドナルド・トランプ大統領(当時)のTwitterアカウントに大きな制限が掛けられたほか、保守派が集まるSNS「Parler」もアプリ公開を一時取り下げられ、サーバーも一時閉鎖されました。
これらは“身から出た錆”でもありますが、営利企業の判断で表現の自由がコントロールされることを快く思わないユーザーも多く、SNSにおける自治権が課題として浮かび上がっています。そうした状況を思えば、分散型SNSであるMastodonが掲げてきた理念は、決して色褪せてはいません。
とくに審査が厳しいAppleからのお墨付きを得た意味は大きく(そのためにiOS版の公式アプリでは新たなタイムラインを発見できないなどの犠牲も払ったようですが)、近いうちに改めて光が当たる日が来るかもしれません。なお、Mastdonの最高経営責任者(CEO)であるオイゲン・ロスコ氏は、Android版の公式アプリの計画はあるものの、現時点でリリースの予定はないと述べています。
※アプリの金額については記事執筆時の価格を記載しております。インストール前に、「App Store」での表示価格をご確認いただきますようお願いします。
Source:The Verge,ITMedia
(kihachi)